ハムスターって実は酒豪。人間に換算すると1日21本のワインをペロリ
 かわいい顔してあの子わりとやるもんだねと言われ続けて生きるのが辛かったのは昭和歌謡だが、ハムスターもかわいい顔してかなりの酒豪だったようだ。

 自然界にもアルコールは存在する。酵母が多く存在しているため、果実が自然に落下しただけでも発酵し天然の果実酒となるのだ。

 自然のお酒を飲んで酔っぱらう動物たちは様々いるが、ハムスターは別格だ。

 お酒が好きで、1キロあたり20グラムのアルコールを平気で飲むという。これは人間の標準的な男性が、1日に21本分のワインを飲む量に匹敵する。

まさにザル。ハムスターの脅威の酒豪っぷり ペットとして人気があるゴールデンハムスターをはじめとする、キヌゲネズミ亜科のハムスターの仲間が、アルコールに強いということがわかってからというもの、研究者らは、ハムスターを対象に、アルコール親和性をテーマにした科学研究を行っている。

 イギリス、ブラッドフォード衛生研究所のトム・ロートン博士は、ハムスターがもつ底知れぬ飲酒能力についてツイッターでつぶやいた。
ハムスターがアルコールに対して驚異的な能力をもっていることは、ほとんどの人は知らないだろう。

信じられないだろうが、ハムスターはアルコールが大好きで、水よりも15%エタノールを好み、人間なら死んでしまうような量にも耐えうる。

彼らは一日に1キロあたり20グラムのアルコールを飲みほすことができるが、これは、人間の標準的な男性が、1日に21本分のワインを飲む量に匹敵するというから驚きだ
ハムスターがお酒好きで酒豪の理由 1962年の論文では、ハムスターが水よりもアルコールを好むことが裏づけられ、研究対象となった飼育ハムスターのほとんどが、水分の88%前後をアルコールから摂取していることがわかった。

 脂肪をたっぷり蓄えたぽっちゃりハムスターのほうが、寒い冬を生き延びることができるが、アルコールの熱量が、この脂肪の熱量とあまり変わらないことが、ハムスターがアルコール好きな理由のひとつといえるかのもしれない。

 さらに、なんでもためこむ習性のある、ハムスターのライフスタイルも関係している可能性がある。地下に長く蓄えておいた食べ物が発酵することがあり、そのせいで、ハムスターは強い酒に慣れているのかもしれないというのだ。

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人間はマネしちゃダメ。驚異のアルコール分解能力 ハムスターが消費できるアルコールの量は、人間の成人男性がワイン21本分を飲む量に相当するというのは、とんでもない事実である。

 ハムスターは、アルコールに対するとてつもなく高い耐性を備えているようだと、ロートン博士は言う。

 この事実は、ハムスターの酩酊度を測るための「ふらつき測定器」によって、2015年の論文で実証されている。

 この測定器は、アルコールを摂取したハムスターが、倒れて起き上がれなくなるまで、そのふらつき具合を測定して、酔いの度合いを判定するもの。

 たびたび同様の体験をしがちな我々人間にとっても、間違いなく親近感がわく状態だが、決してハムスターの真似をしてはいけない。

 彼らのアルコール分解能力は人間の比じゃないのだ。

 あんな小さな体なのに、アルコールを濾過して、血中をめぐるアルコール分を減らすことができる、とてつもなく高機能な肝臓をもっていることに、ただただ驚嘆するばかりだ。

 これは、エタノールをハムスターの血管に直接注入し、肝臓での処理を迂回させたとき、ふらつき測定値のチャートを大きく逸脱する酩酊行動につながったことで、実証された。

 日本ではお酒を大量に飲める人のことを「酒豪」とか「ザル」とか「ワク」と呼ぶが、これからは「ハムスター」と呼んであげることにしよう、そうしよう。

References:Hamsters Can Quaff The Equivalent Of 21 Bottles Of Wine A Day | IFLScience

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