
image credit:Israkress, Wikimedia Commons
火葬に代わる環境にやさしい遺体処理法として水葬に注目が集まっている。カリフォルニア州では2017年に水葬(アクアメーション)が正式に認められた。
水葬は、金属製の筒をアルカリ溶液で満たし、そこに遺体を入れ熱と圧力を加えることで、骨以外を溶かす方法だ。火葬のように有害なガスが発生したり、大気を汚染したりする心配がない。
昨年12月26日に亡くなった、ノーベル平和賞受賞者の南アフリカの神学者デズモンド・ツツ元大主教(享年90歳)も水葬で葬られたという。
水葬とは? 「水葬」あるいは「アクアメーション」と呼ばれるこの遺体処理法は、アルカリ加水分解で遺体を分解する処理法だ。
水と水酸化カリウムのアルカリ溶液で満たした加圧タンクに遺体を置き、90~150度で加熱する。こうすると数時間ほどで体が溶け、骨だけが残るのだという。
あとは骨を乾燥・粉砕して粉にしたものを埋葬する。
[動画を見る]
Bodies dissolve in water in this cremation alternative wanted in B.C.
地球に優しい遺体処理法として注目 この処理法が注目されているのは、従来の方法より環境に優しいとされるからだ。
たとえば日本で一般的な火葬は、そのために膨大な燃料が必要で、年間数十万トン(アメリカでは数百万トン)の二酸化炭素が排出されている。
それだけでなく、うつや自殺との関連が指摘される粒子状物質PM10、心肺機能障害・慢性疾患・出産時の合併症と関連するとされる微小粒子状物質PM2.5などの汚染物質も出る。
アメリカなどで一般的な土葬にも問題がある。高価な木製の棺が必要になるため、アメリカでは毎年4000平方キロの森林が伐採されており、さらに遺体を守るための有害な防腐剤まで使われる。
水葬の場合、火葬の7分の1のエネルギーですみ、有害な汚染物質は排出されない。また土葬のように森林が伐採されることも、防腐剤が使われることもない。
[動画を見る]
水葬の後に残る使用済みの溶液は、塩とアミノ酸などが混ざった無害な有機化合物で、中和して水路に流すこともできるし、肥料として利用することもできる。
その為、SDGsが世界的に推進されている今、注目を集めているのだ。デズモンド・ツツ元大主教もつつましい葬儀を望んでいたことからこの方法がとられたようだ。
References:What Is Aquamation? Desmond Tutu Chooses Eco-Friendly Cremation Alternative / written by hiroching / edited by parumo
追記:(2022/01/10)本文を一部訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
火葬に代わる環境にやさしい遺体処理法として水葬に注目が集まっている。カリフォルニア州では2017年に水葬(アクアメーション)が正式に認められた。
水葬は、金属製の筒をアルカリ溶液で満たし、そこに遺体を入れ熱と圧力を加えることで、骨以外を溶かす方法だ。火葬のように有害なガスが発生したり、大気を汚染したりする心配がない。
昨年12月26日に亡くなった、ノーベル平和賞受賞者の南アフリカの神学者デズモンド・ツツ元大主教(享年90歳)も水葬で葬られたという。
水葬とは? 「水葬」あるいは「アクアメーション」と呼ばれるこの遺体処理法は、アルカリ加水分解で遺体を分解する処理法だ。
水と水酸化カリウムのアルカリ溶液で満たした加圧タンクに遺体を置き、90~150度で加熱する。こうすると数時間ほどで体が溶け、骨だけが残るのだという。
あとは骨を乾燥・粉砕して粉にしたものを埋葬する。
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地球に優しい遺体処理法として注目 この処理法が注目されているのは、従来の方法より環境に優しいとされるからだ。
たとえば日本で一般的な火葬は、そのために膨大な燃料が必要で、年間数十万トン(アメリカでは数百万トン)の二酸化炭素が排出されている。
それだけでなく、うつや自殺との関連が指摘される粒子状物質PM10、心肺機能障害・慢性疾患・出産時の合併症と関連するとされる微小粒子状物質PM2.5などの汚染物質も出る。
アメリカなどで一般的な土葬にも問題がある。高価な木製の棺が必要になるため、アメリカでは毎年4000平方キロの森林が伐採されており、さらに遺体を守るための有害な防腐剤まで使われる。
水葬の場合、火葬の7分の1のエネルギーですみ、有害な汚染物質は排出されない。また土葬のように森林が伐採されることも、防腐剤が使われることもない。
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水葬の後に残る使用済みの溶液は、塩とアミノ酸などが混ざった無害な有機化合物で、中和して水路に流すこともできるし、肥料として利用することもできる。
その為、SDGsが世界的に推進されている今、注目を集めているのだ。デズモンド・ツツ元大主教もつつましい葬儀を望んでいたことからこの方法がとられたようだ。
References:What Is Aquamation? Desmond Tutu Chooses Eco-Friendly Cremation Alternative / written by hiroching / edited by parumo
追記:(2022/01/10)本文を一部訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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