トルコの船で生まれた猫が乗組員に加わり、愛されすぎる日常を送る
 古代から、猫は船の食料やロープなどを齧るネズミ退治の役目を担うだけでなく、船員の心を癒し、船の守り神として重宝されてきた。猫の聖地、トルコの船なら更に極上の待遇が待っていたようだ。


 イスタンブールの港に停泊中の船に猫が迷い込んだ。猫は妊娠しており、船員たちが世話をしていたところ、船上で5匹の子猫を出産。

 4匹の子猫は猫好きの船員に引き取られ、残りの1匹は船の守り神として乗組員となった。以来、その猫は、乗組員たちに愛され、VIP待遇の日々を送っているという。

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Ship’s Crew Adopts Cat Named Lollipop船に迷い込んだ母猫が子猫を出産 トルコで海運業に従事し、船長を務めているマースン・アルスランさん(47歳)とクトベッティン・カーさん(47歳)は、イスタンブールにあるハイダルパシャ港に船を泊めていた間、1匹の地域猫が入り込んで来たことに気付き、水や餌を与えた。

 その猫が妊娠している様子だと気付いた2人は、船から一向に去ろうとしない母猫の世話を数日間続けた。


 やがて、猫は元気な5匹の子猫を船上で出産。船の乗組員はみな動物好きで、そのうちの4匹はすぐに彼らに引き取られた。母猫はまた元の場所へと戻っていった。

 そして最後の1匹となったオスの三毛猫は、ロリポップと名付けられ、新たな乗組員兼マスコットとして船の乗組員に加わった。船員たちは満場一致で賛成だ。

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船長や乗組員に溺愛されまくる新人乗組猫、ロリポップ 1年のうち10か月は船上で暮らす乗組員たちの新しい仲間となったロリポップは、船長のアルスランさんに溺愛された毎日を送っている。
ずっと一緒にいますよ。眠る時も一緒です。

ロリポップは、ハイダルパシャやトラブゾン、ゾングルダク、テキルダー、アマスラなど、既にトルコのほとんどの港を私たちと一緒に回りました。

船上での暮らしにはすっかり慣れたようですが、退屈させないようにいろいろ楽しませていますよ。
 このように話すアルスランさんは、ロリポップと一緒に港で毎日船とその周りの点検を行う。なにしろ乗組員の一員だ。
ゆえに、ロリポップは船長と共に電話会議にも出席する。

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 また、ちょっと時間がある時には、メロメロな態度で接してくるアルスランさんの相手もする。船の中でも港でも、とにかくアルスランさんはロリポップにべったりの様子だ。

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 今のところ、アルスランさんの船が海外へ出ることはないようだが、もしそうなった場合は、ロリポップにはきつい長旅となるため、アルスランさんは「イスタンブールにいる家族のもとに預かってもらい、私たちが無事に帰って来るのを待っていてもらう」と話している。

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行く先々で野良猫の世話をする乗組員たち アルスランさんたち乗組員は、ロリポップだけでなく訪れる港で出会う野良猫たちの世話も積極的に行っている。
私たちは、動物が大好きなのです。
彼らが、私たちと一緒にいたいと思ってくれる限り、私たちは愛情をこめて世話をします。

港で、野良猫を見るといつも餌をあげますよ。

私たちが船から離れられない場合は、近くの店に立ち寄って猫に餌を与えてもらうよう頼んでいます。

ドライフードを食べない猫には、新鮮な魚が手に入れば小さく刻んで与えます。病気の猫を見つければ、私たちは獣医院にも連れて行きます。

私たちに何ができるのか、ということをいつも考えています。
動物たちと一緒に過ごす時間は楽しいし、飽きませんからね。私たちにとって、彼らは大切な友達です。


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 動物へのそんな思いやりに溢れるアルスランさんたち乗組員と一緒に過ごすロリポップが、毎日溺愛されて暮らしているのは納得といえよう。

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 ロリポップへのメロメロぶりを動画で見たユーザーらからは、「動物を愛するために何が必要なのかをこの動画からは知ることができる」「なんだか、トルコの人ならではって感じもするな」「やさしい気持ちになれた」「ハンモックに揺られて眠るロリポップの姿が最高」「三毛猫ってオスは稀だから、きっとロリポップは特別な猫なんだね」といった声が寄せられている。

written by Scarlet / edited by parumo

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