旅行中、犬のフンの処理をしなかった女性、DNA検査で650km離れた自宅が特定され罰金通知が届く
 旅の恥はかき捨てとはいうものの、犬のフンを捨ておいてはならない。数年前からいくつかの国や自治体では、犬のフンのDNA検査をし、飼い主を特定するシステムが導入されており、その責任は自宅についた後でも取らされるのだ。


 スペインでは犬のフンを放置した飼い主には罰金が科せられるのだが、ある女性が国内旅行中、犬のフンを処理せずに帰っていった。

 ところがこれがDNA検査により判明し、その半年後、650km離れた自宅に、6万6千円ほどの罰金通知が郵送されたという。この距離は日本で例えるなら東京ー広島間くらいある。

旅先で放置した犬のフンを特定され罰金通知 スペインのバレンシア州バレンシア県パテルナに住む女性は、ある日突然、500ユーロ(約66000円)の罰金通知を受け取った。

 その罪は、飼い犬のフンを処理しなかったことによるものだ。日付は半年前の昨年8月26日となっていた。


 女性はこの時、自宅から650mほど離れたアンダルシア州マラガ県ベナルマデナに飼い犬を連れて旅行に出かけており、旅先で犬のフンの処理を怠ったのだ。通知には、糞が放置された通りの名前が記載されてあった。

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犬のフンをDNA検査し、飼い主を特定 なぜ半年前の、しかも自宅からはるか遠く離れた場所での犬のフンの放置が発覚したのか。

 スペインの自治体では、飼い犬のDNAの提出が推奨されており、犬のDNAデータベース収集と維持を専門とする企業『ADN Canino』でDNA解析が行われたからだ。

 2014年に設立された同企業は、自治体と協力して、主にペットの放棄や虐待を防ぐためにDNAサンプルを使用している。

 また、同じ技術を使って犬のフンの後始末をしない飼い主を特定することもできるという。


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 女性が住むパテルナでも、去年9月にこのシステムが導入された。女性は万が一ペットが自宅からいなくなってしまった時のための保険として、犬のDNA登録を行っていたため、データベースで特定することができたのだ。

 ベナルマデナ当局は女性が旅先で残した飼い犬の糞のサンプルを採取し、ADN Caninoデータベースに照合を依頼したところ、ペット登録された犬のDNAと一致したため、犬の飼い主である女性に罰金通知が送付されたというわけだ。

 半年前の、しかも旅先での犬の糞に対する罰金通知をまさか受け取ることになるとはさすがに女性は思っておらず、衝撃を受けたようだ。

 しかしこの1件は、スペイン全土で飼い犬の糞の後始末をしない無責任な飼い主への良い警告となったことが伝えられている。

References:La Vanguardia / written by Scarlet / edited by parumo

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