最期に大好きなバンビに会わせてあげたい。病で寝たきりとなった母親の夢を娘が叶える
 病に倒れ、病院で闘病の日々を送っている母親は、日を追うごとに弱っていった。死期迫るその姿を見た娘は、母親を元気づけようと、あることを思いついた。


 母親はディズニー映画の「バンビ」が大好きで、そのグッズを買い集めるほどだ。ならば、最期に本物のバンビ(子鹿)に会わせてあげよう!

 そこで娘はやさしい人々の協力を経て、ついに母親の病室に子鹿を連れていくことに成功。母親は病床で手を伸ばし、頭を撫でながら「なんて美しい子なんでしょう...」と喜びの声をもらした。

 その後母親は、穏やかに旅立っていったという。

[動画を見る]

Daughter brings a deer to deer obsessed ill mother's bedside最期に本物のバンビに会わせてあげたい オーストラリアのメルボルンに住むリサ・マクドナルドさんは、Facebookのプライベートグループアカウント『The Kindness Pandemic』に、最近この世を旅立っていった母親のストーリーをシェアした。

 リサさんの母親は、ディズニー映画の「バンビ」が大好きだった。

 病床では、いつもバンビのイラストが描かれたTシャツを着ており、亡くなった時にはそのTシャツを着て火葬してほしいと頼んでいたほどだったという。

 バンビのグッズもたくさん買い集めて部屋に飾るなど、とにかくずっとバンビが大好きだったそうだ。

 母親の緩和ケアをしていたリサさんと妹、そして家族一同は、母親を励ます意味を込めて、みんなバンビのTシャツを着ており、それはユニフォームと化していた。

 ある日、母親の死期が近いことを悟ったリサさんは、最期に本物の子鹿に会わせてあげたいと思った。

 そこで、Facebookを通し、子供の誕生日などに動物を貸し出してくれる農場にかたっぱしから連絡を取った。

 すると、1件の農場から「明日にでもお母さんのいる場所に鹿を連れて行きますよ」と返信を貰った。


 ところが、その当日に母親の容態が急変し、このままでは明日まで持たないかもしれない事態となってしまった。

 このことを農場に連絡すると、子鹿の所有者はその日の全ての予定をキャンセルして、急いで母親の元へ子鹿を連れて来てくれたという。

[画像を見る]

本物の子鹿を愛おしそうに撫で、母親は穏やかに旅立つ その日、子鹿の所有者シモーネさんとクリスさんは、2時間間の距離をかけてリサさんの母がいる緩和ケア施設にやって来てくれた。
彼らは、純粋な愛と優しさに溢れていました。ためらうことなく、子鹿を余命いくばくもない母に会わせるために来てくれたのです。(リサさん)
 本物のバンビに会った母親は、とても驚いた表情を見せ、すぐに嬉しそうな表情を浮かべると、「なんてかわいい子なんでしょう」と、やさしく子鹿を撫でたという。

[画像を見る]

image credit: youtube

 その4日後の15日、リサさんの母親は旅立った。

 Facebookの投稿を更新したリサさんは、次のように綴っている。
シモーネさんとクリスさんが私の母と私たち家族にしてくれたことは、感謝してもしきれません。

母は、15日の午前2時45分に、穏やかに旅立ちました。

Facebookで、母のために励ましを下さった全ての人々にも感謝します。
written by Scarlet / edited by parumo

画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
編集部おすすめ