ロシアのマクドナルド全店が営業停止で大行列。転売目的で買い占めする人も
 ファストフード店、マクドナルドが、ロシア全店舗の営業停止を決めた。3月13日をもって全店舗が一時閉鎖となる。


 これを知ったロシアの人々が各店舗に押しかけ、行列を作って商品を買い占める事態となった。

 中には、転売目的で大量に買い占める人もいたようだ。

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Russians queue for final taste of the west as McDonald's and Ikea pull out over Ukraine invasionロシアのマクドナルド全店舗が営業停止に 3月8日、ロシアのマクドナルドは、国内にあるおよそ850店舗全てを一時的に営業停止することを発表した。

 ロシアのマクドナルド社長兼CEO(最高経営責任者)であるクリス・ケンプキンスキー氏は、次のように声明で述べている。
ウクライナで不必要に苦しんでいる人々がいます。私たちは攻撃や暴力を非難し、平和を祈る世の中に賛同します。よって、ロシア国内全ての店舗の事業を一時中断することは、正しいことであると判断しました。
 このニュースを知ったロシアの人々は、営業停止となる前に店舗に押しかけ、最後のマクドナルドを味わおうと大行列をつくった。

 マクドナルドの大行列と言えば、1990年、ロシア・モスクワにマクドナルド1号店ができた当時を思い起こさせる。1号店にも13日、朝から多くの人が訪れた。

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「悲しいです」多くの市民が“食べ納め” ロシアでマクドナルドが最後の営業日大量の買い占めやネットで高額転売も モスクワにあるマクドナルドには大勢の客が詰めかけ、商品を大量購入する人々の姿が報じられた。

 海外掲示板では、ハンバーガーを買い占め、冷蔵庫いっぱいに詰め込んだ写真が投稿された。
すると「マクドナルドだから何年も腐らなさそうだし冷蔵しなくてもいいのでは」「すごい!一度こういうことしてみたい」などといった声があがった。

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 また、ロシアのウェブサイトAvitoでは、ハンバーガーやフライドポテト、またはセットミール、ソースなどの商品が、信じられない価格で高額転売されているという。

 通常52ルーブル(約63円)のチェリーパイが104000ルーブル(約127000円)、ナゲットソースは店では38ルーブル(約46円)で販売されていたにもかかわらず、ネット上では1個150000ルーブル(約183000円)、またビッグマックは1個50000ルーブル(約61000円)といった具合だ。

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image credit:Avito

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image credit:Avito

 なお、マクドナルド社は店舗閉鎖中でも62000人の従業員には賃金を払い続けると述べているが、ロシアの人々からは、この事態に不満の声もあがっている。

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Russians React to McDonald's Closing All Stores in the Country

 また、プーチン大統領は、ロシア撤退企業を国有化する方針を了承した。これは西側の制裁に対する報復措置だ。

 ウクライナの人々はもちろん、ロシア国内でも一般の人々は苦境に強いられている。彼らが選んだ政府とは言え、ロシアで正しい民主主義が機能しているとは言い切れない。

 ウクライナの人々は、自分の国、文化や歴史を命がけで守ろうとしている。そしてロシアでも、今回の侵攻に命がけで反対している人もいる。

 各国政府の思惑がうごめく中、事態はなかなか進展しない。

 国の情報操作で自分たちが正しいことをしていると、信じ込まされてしまったロシアの人たちの洗脳を解き、内側から変えていくことで解決の糸口が見えてくるんじゃないだろうか?

 この事態を止められるのは、ロシアにいる、一般のロシアの人々の手にかかっているのかもしれない。


written by Scarlet / edited by parumo

追記:(2022/03/14)本文を一部訂正して再送します。

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