巨岩の下に作られた圧巻の村。スペイン「セテニル」
 スペイン南部のアンダルシア地方には美しい街並みの景観を見ることができるが、中でも圧巻なのは、断崖にある張り出た地形をそのまま利用して作られた「セテニル」の村だ。

 大きな岩がまるで家々を飲み込んでいるかのよう。そのまま押しつぶされてしまうのでは?と心配になるくらいだ。

巨岩の下に作られたセテニルの村 西ヨーロッパの大陸部の最南端に位置する、スペイン・アンダルシア州カディス県にある、セテニル村は正式名称を「セテニル・デ・ラス・ボデガス(Setenil de las Bodegas)」という。

 人口3000人にも満たない、この小さな村の最大の特徴は、何と言っても岩の地形をそのまま利用して作られた家々だ。

 トレホ川の浸食された岩の隙間を埋めるように造られた洞窟の岩壁に沿って立ち並ぶ家々は、今にも岩に押しつぶされそうな感じになっている。

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 これらの建造物は、自然の洞窟や岩の張り出しをうまくつかいながら、外壁を追加することによって作られたという。

 さらに凄いのは、この場所で今も人々が生活しているということだ。商店やレストランが立ち並ぶ通りは必見である。  もともとこの場所にはイスラム教徒であるムーア人の城塞都市があった。セテニルの名の由来は、ムーア人の城塞都市を、キリスト教軍が奪回しようと7回試みたものの無理だったこと(septem-nihil)からきているそうだ。

 だがその後の1484年、キリスト教軍はついに城を陥落させムーア人は追放された。火薬を使った大砲で15日間かけて城を占領したそうで、その跡地が今のセニテル村の中心となっている。

 村には当時の塔や貯水槽が残り、岩がそのまま天井や壁に利用されている。

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 セテニルは、肉類、特にチョリソーソーセージと、周辺の丘陵で飼育された豚のセルド(豚肉)がうまいと評判だ。

 肉類だけでなく、ペイストリー(お菓子)もおいしいと評判で、バルやレストランはこの地方でもトップクラスとされている。

 周辺の農家からも新鮮な野菜や果物が供給されており、景観よし、料理よしで、死ぬまでに一度はいってみたい場所の1つだ。

 ていうか地震が心配になっちゃうわけだけど、地震にも耐えうる構造になっているのか、地震や地滑りなどの天災が受けにくい地域なのか、どっちかなのかな?

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Setenil de Las Bodegas y sus calles. Cadiz

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