イギリスで増殖する野生化したワカケホンセイインコ、ロンドンでは5万羽に及び怪しげな都市伝説も
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 インド、スリランカに分布している鮮やかな緑色の「ワカケホンセイインコ」は、その見た目のかわいらしさも相まって、世界各地でペットとして飼われているが、野生化する現象が多発している。

 イギリスでも同様で、ロンドン市内では過去1世紀の間、で野生化したインコが5万羽にも上るという。


 いつからインコたちが野生化したのかは不明のようだが、その起源を巡って、様々な都市伝説が誕生しているようだ。

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Secret London Spot – Wild but friendly parakeets of Kensington Gardens ⛲️ロンドンで増殖するワカケホンセイインコにまつわる都市伝説 イギリスの大都市ロンドンでワカケホンセイインコが急増中だ。ここ100年の間で個体数を増やし続け、現在およそ5万羽にものぼるという。

 このインコがロンドンで、どのようにして増えたかという明確な情報は不明だが、複数の都市伝説が伝えられている。

ジミ・ヘンドリックスがつがいを放した説
 最も人気がある都市伝説の1つは、1968年のある日、カーナビ―ストリートに鳥かごを持って歩いていたアメリカ出身のギタリストでシンガーソングライターのジミ・ヘンドリックスが、鳥かごを開けてアダムとイヴと名付けられた2羽のワカケホンセイインコを放してしまったことから繁殖し、今日に至るというものだ。

映画の撮影スタジオから逃げ出した説
 一方では、ハンフリー・ボガードとキャサリン・ヘプバーンが演じた1951年の古典的映画「アフリカの女王」をロンドンのアイルワーススタジオで撮影した際に、撮影スタジオからインコが逃げ出したことが原因と信じている人もいるという。

 実際には、インコは映画に登場していないが、多くの人がその説を信じているようだ。

ジョージ・マイケルやヘンリー8世まで
 更には、ジョージ・マイケルヘンリー8世などに関連した都市伝説も存在するが、いずれも確証はない。

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Why do parakeets live in the UK?ペットが逃げ出したものが繁殖した可能性 専門家は、次のように述べている。
ロンドンの現在のインコの個体数が増えたのは、数百年前にエキゾチックなこのインコに興味を持つ人々がロンドン市内に多く、ペットとして飼われていたインコが逃げ出したことが原因ではないかと考えられます。

複数の逃げたインコが、ゆっくりと繁殖しながら野生のコミュニティを形成したため個体数が増えたのでしょう。単一のペアから増殖した可能性はないと思われます。
 1893年頃にそうした事態が起こったことが原因で、20世紀後半にはインコは郊外のキングストンアポンテムズの公園に大きな生息地を作ったと言われている。

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現在も生息地を広げるインコに当局の対応はなし 過去10年以上にわたり、ワカケホンセイインコはロンドン郊外だけでなく、市内のハイドパークやノッティングヒル、ハムステッドヒースなどの新たな地域に進出し、更にその生息域を広げているという。

 数万羽にもおよぶワカケホンセイインコは在来の鳥の脅威となっているが、現時点では当局では対応を検討していないと伝えられている。

 鮮やかなインコを市内で見かけた人たちの中には、餌を与える人も少なくないため、インコは食べ物に不自由することなく、近年さほど寒さの厳しくないイギリスで快適に暮らし、その個体数を増やし続けている。

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 日本でも、1969年に東京都で初めて定着が確認され、現在は、神奈川県、埼玉県、群馬県、千葉県でも生息が確認されているそうだ。

written by Scarlet / edited by parumo

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