19年間の昏睡状態から目覚めた男性、その19年後に亡くなる
 アメリカのアーカンソー州で1984年に交通事故で昏睡状態になり、回復の見込みがないとされた男性が、19年後に突如目覚め、「奇跡」として報じられた。

 事故の後遺症で四肢麻痺になってしまったものの、妻と家族に献身的に支えられながら日々を送っていたが、今年3月末に他界したことが報じられた。

 奇しくも、19年間の昏睡状態から目覚めた19年後だった。

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Man 'who slept for 19 years' before coming out of coma in 2003 dies交通事故で19年間意識不明に陥った男性 アメリカ・アーカンソー州ビッグ・フラットに、妻と6週間前に生まれたばかりの娘と暮らしていたテリー・ウェイン・ウォリスさん(当時19歳)は、1984年7月に複数の友人を乗せて運転していたピックアップトラックで大事故を起こした。

 橋を走行していた車が、7.6メートル下の川へ転落したのだ。

 乗っていた友人全員が死亡する中、テリーさんのみが生き残った。しかし、意識は戻らず昏睡状態のまま、19年の歳月が流れた。

 医師から、回復の見込みはほとんどないと伝えられていたテリーさんの妻サンディーさんは、それでも献身的に夫を支えるため毎日病院に通った。

 また、テリーさんの家族も定期的に彼を訪問していた。なんとテリーさんは19年後の2003年6月に奇跡的に目を覚ました。

 テリーさんが最初に口にした言葉は、「お母さん」だった。

 その後、大好きでよく飲んでいた「ペプシ」や、「ミルク」といった単語を発したことで、医師や家族を驚かせたという。

 事故の後遺症で四肢麻痺となったテリーさんだが、ゆっくりと少しずつではあるが単語を話せるようにもなった。

 事故から20年近く経って目覚めたことから「アーカンソーの奇跡」としてニュースで報じられ、大きな注目を集めた。 19年間の昏睡状態から目覚めて19年後に他界 2018年に他界したテリーさんの母アンギラさんも、息子の目覚めに驚きを隠せなかったことを当時のメディア取材で応えている。

 妻のサンディーさんは、テリーさんが目覚めた後も献身的に介護を続けてきた。

 しかし今年3月29日、19年の昏睡状態から目覚めて19年後に、テリーさんは帰らぬ人となった。58歳の誕生日を迎えるちょうど1週間前だったという。

 テリーさんの死因は明らかにされていないが、アーカンソー州の死亡記事に掲載されたことから、今回メディアでその訃報が伝えられた。

References:Man who awoke speaking after 19-year coma, dies in Arkansas / written by Scarlet / edited by parumo

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