
日本では、耳たぶが大きく肉厚な耳を「福耳」と呼び、金運や福運に恵まれる言われているが、ベトナムでも同様のようだ。
仏像の多くが福耳であることから、ベトナムでは、耳たぶにヒアルロン酸を注入して、弥勒仏(菩薩)のようにふくよかで垂れ下げる耳にするプチ整形が男性の間で流行中だという。
ヒアルロン酸注入で人工的に「弥勒仏の耳」に 弥勒仏(菩薩)は日本で言う所の七福神の布袋さまのことだ。布袋さまは、その徳の高さから、いつしか中国の弥勒菩薩信仰と交わって「弥勒菩薩の化身」と言われるようになったそうだ。現在でも東アジアでは布袋さまを「弥勒(ミロフ)」と呼んでいる。
弥勒仏(布袋様)はふくよかで長い耳(福耳)を持っており、富や幸運の象徴とされている。
『Vietnam net』が伝えたところによると、それにあやかろうと、ベトナムの男性の間では、最近耳たぶにヒアルロン酸を注入して福耳にする美容整形が流行しているという。
[画像を見る]
image credit:Vietnam net
富と幸運を手に入れようと多くの男性客が施術に訪れる ベトナムにある複数の美容整形院では、ネット上に多くの広告を掲載しており、連日多くの顧客が施術に訪れているという。
顧客の大部分は福耳の伝説を信じている30歳以上の男性だそうだ。
[画像を見る]
image credit:Vietnam net
施術時間は15~20分程度。長期的な副作用はなく数か月でヒアルロン酸は分解されていくため、比較的安全だと言われている。
万が一顧客が満足していない場合は、再度注入したり、分解注射でヒアルロン酸を溶かしたりしながらサイズや形を調整することが可能だという。
ヒアルロン酸によるプチ整形は一般的だ。涙袋を作ったり、鼻筋を高くしたり、唇をぷっくりさせたりするときなどに使用される。
[画像を見る]
image credit:Vietnam net
トラブルになったケースも 中にはその費用と手間を省こうと、安いフィラーを入手し、自分で注入してしまう人も少なくない。福耳用のキットがネットを介して入手可能なのだ。
また、流行に便乗した医師でない業者による施術も問題となっている。
こういった施術は安全性や衛生面に問題がある。入れ方や量にも技術が必要なのだ。トラブルになるケースも起きており、耳たぶの色が変わって変形して、壊死性潰瘍と診断される人もいるという。
ホーチミンでは、男性が「仕事上仕方なく」耳たぶ施術をして炎症を起こし、肉芽組織を切除しなければならなくなった症例報告がされている。
[画像を見る]
image credit:Vietnam net
医師は、これらの炎症はヒアルロン酸ではなくシリコン注入をしたことが原因か、ヒアルロン酸が誤って血管に注入されたことが原因の可能性があるという。
こうした失敗によって、耳たぶ再建のために外科手術を余儀なくされるという事例も少なくないことから、医師らはネットの広告を鵜呑みにするのではなく、必ず専門家のもとで施術を受けるようにと警告を促している。
written by Scarlet / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』