股間に電気ショックを与えることで持続力がアップ。早漏予防につながるかもしれない
 股間に30分間電流を流すことで、持続力が上がるという研究結果が報告された。

 『Asian Journal of Urology』(2022年2月21日付)に掲載された論文によると、レバノンの研究者が、早漏に悩む患者のいちもつに、電気を使って「陰茎背側神経」(男性器から伝わる動きと感覚情報を集める神経)を刺激したところ、それまでの7倍も長くベッドで頑張れるようになったとのことだ。


陰茎背側神経を刺激する電気ショック療法 レバノン大学の泌尿器科医、モハマド・ムッサ博士らの研究グループは、28歳の早漏に悩む男性を対象に実験を行った。

 この男性のアベレージタイムは40秒で、特別な治療法を探し求めていたため、積極的に被験者となってくれたという。

 そして行われたのが今回の電気ショック療法だ。彼のイチモツには週に3回電極が取り付けられ、その都度30分間電気が流された。

 パートナーとの関係を気まずくする早漏は、わりと一般的な性機能障害で、男性の4~39%が該当するという。恥ずかしさで報告されることは少ないため、実際にはもっと多い可能性もある。


 男性が射精するとき、複数の会陰筋がリズミカルに収縮することで精子が放出される。

 そこで電気ショック療法では、「陰茎背側神経」を刺激することで、性交による筋肉の収縮が遅れるよう仕向けているのだという。

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image credit:Asian Journal of Urology

15か月後、持続力が7倍アップ 治療開始から6ヶ月後、男性の性交時間は平均3.9分間にまで延びた。

 電気ショック治療には即効性があり、治療から半年が過ぎても効果が持続していた。それどころか治療開始から15ヶ月後には、彼のベッド・パフォーマンスは平均4.9分と7倍にもなったのだ。

 医療品質・効率性研究機構によると、男性全般の平均ベッド・パフォーマンスは5~7分だそうなので、ほぼ人並みにまで回復したことになる。


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なぜ効果があるのかは解明されていない なんとも恐ろしげな電気ショック療法だが、従来の薬を使った早漏治療に比べて、副作用が少なく、費用も安いとのこと。

 何より、実際に夜の営みに悩みを抱える男性の不安を解消し、自信を取り戻させることができる。

 ただし、なぜこれが早漏に効くのかまだ完全には解明されていない。

 だが今回の成功を受け、電気ショックが薬のいらない新たな早漏治療法として本当に有効なのかどうか、その安全性や費用対効果についてさらに調べるよう研究グループは呼びかけている。

 健全的で満足のいく性生活は、体重減・痛みの抑制・眠りの改善・脳や心機能の改善のほか、幸福感の上昇などさまざまなメリットがあるそうだ。

References:Transcutaneous dorsal penile nerve stimulation for the treatment of premature ejaculation: A novel technique - ScienceDirect / Electric shock to penis may cure premature ejaculation: study / written by hiroching / edited by / parumo

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