ついにVRの世界に触覚が!キスの感触を味わえる仮想現実デバイスが登場
 VR用ヘッドセットに取りつけると、口に感覚を送るデバイスが開発された。このデバイスに超音波を照射することで、触感を再現することができるという。


 水を飲んだ時の感覚や歯ブラシしているときの感覚、不気味なクリーチャーが張り付く感覚、さらにはキスした時の唇の感覚などが再現でき、より没入感あふれる仮想現実(VR)を体験できるようになる。

触覚のある仮想現実の世界 どんなにリアルな仮想現実世界を再現できるようになっても、それはビジュアル面やオーディオ面だけのこと。

 時折ブルブルと震えるコントローラーの振動を除けば、味・臭い・何かに触った感覚といった、視覚や聴覚以外の五感はほとんど無視されている。

 仮想世界にダイブしていると脳を完全に騙すには、まだまだリアリティが足りないのが現状だ。

 それでもVRデバイスの開発者たちは、ユーザーに見た目のリアルさにふさわしい体験を味わってもらうべく日々努力を続けている。

 カーネギーメロン大学の研究グループが取り組んでいるのが、今回の「マウス・ハプティクス(Mouth Haptics)」という技術だ。この技術は、VR世界で何かを口にしたら、その唇の感覚を再現することができる。

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Mouth Haptics in VR using a Headset Ultrasound Phased Array超音波振動子で唇の触覚をフィードバック マウス・ハプティクスは、VRゴーグルの下に装着された「超音波振動子」で唇の感覚を再現する。

 超音波振動子は小さな粒子を浮かせたり、動かしたりできるパワフルな超音波エネルギーを放射できる。これを利用して、唇や歯、あるいは舌に何かが触れたという感覚を生じさせるのだ。

 単純に触れた感覚を再現するだけではない。超音波の放射パターンに工夫をすることで、複雑な感覚を再現できる。


 水道から水を飲んだ時の感覚、歯の上を左右に動くハブラシの感覚、あるいは顔に雨の水滴が当たる感覚など、仮想現実世界の体験がさらにリッチなものになること請け合いだ。

 ちなみに公開された実験映像では、VRで描かれた森の中を散策する女性が、顔にクモが張り付くたびに気持ち悪そうに唇を歪める様子を確認できる。

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 なぜ、あえてそんな不愉快な感覚を選んだのかよくわからないが、素敵なキスの感覚が再現されるのは時間の問題だろう。

References:Mouth Haptics / written by hiroching / edited by / parumo

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