
ハヤブサ科のチョウゲンボウは猛禽類ではあるがハトくらいの大きさで、ツガイで巣を作ってヒナを育てる。
ところが、卵を孵化してすぐ、母鳥はフクロウとの戦いで命を失い、幼いヒナたちが残されてしまった。
通常チョウゲンボウのヒナは母鳥が育てる為、父鳥は獲物を持ってくるくらいしかできない。だが待てど暮らせど母鳥は帰ってこない。
子育てを全く知らない父鳥だが、なんとかヒナたちを育てようと餌を口に運ぶも、ヒナたちは食べてくれない。困り果てた父鳥の悪戦苦闘の日々が始まる。
[動画を見る]
Male Kestrels Don't Brood But Mr Kes Does All He Can to Save His Chicks母鳥がいなくなり、残されたヒナと子育てを知らない父鳥 この映像は、イギリスの野生動物写真家のロバート・E・フラーさんが撮影したものだ。フラーさん自宅周辺の自然豊かな場所で、野生生物の保護活動を行っている。
フラーさんがチョウケンボウの巣に設置したカメラは、子育てを知らない父鳥が子育てに奮闘している様子をとらえていた。
卵を孵化し終えた母鳥は、フクロウとの戦いに敗れ命を失い、結局二度と巣に戻ってくることはなかった。
通常卵はオスとメスが交互に温めるが、孵化した後は役割が分担される。オスが獲物を取る係で、メスが子育てを担当する。
子育てを全く知らない父鳥はどうしていいかわからない。とにかくなんとかしなければと、卵を温めた時のように、ヒナたちの体に乗って温めはじめた。
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獲物を持ってきても食べてくれないヒナに混乱する父鳥 父鳥はたくさんの獲物を狩って巣に持ち帰り、そのまま食べさせようとする。だがヒナたちはお腹がすいているのに食べてくれない。
ヒナの回りにはオスが運んできた獲物でいっぱいだ。
どうして食べてくれないの?わけがわからないオスは混乱した。
メスを呼ぶために鳴き声をあげたり、聞き耳を立てたりするようになった、巣の中を出たり入ったりした後、そのまま巣から飛び立ってしまった。
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フラーさんが一夜明けて巣の中を確認したところ、6羽のうち3羽のヒナが寒さで弱っていた。そこで衰弱した3羽を一旦保護する為、家に連れ帰り暖めながら餌を与えた。
フラーさんは、巣の中にヒートマットを敷いて、残ったヒナたちが暖かく安全に過ごせるようにした。もし母親が戻ってこない場合(この時点ではまだ母親が戻ってくるかもしれない可能性は残されていた)は残りのヒナたちも保護するつもりでいた。
フラーさんは巣に残されたヒナを見守っていたが、徐々に父鳥に変化が現れる。少しずつ学んでいき、餌を小さくすることを覚えた父鳥
[動画を見る]
Kestrel Dad Learns to Feed his Chicks After Becoming Sole arent
一般的に、母鳥が死んでしまったチョウケンボウのヒナの場合、オスは育てることができず、持ち運んだ獲物に埋もれて死んでしまうことが多いという。
だがこの父鳥は違った。
2日目の午後、たまたまトカゲを持って来たら、ヒナの1羽がそれを丸呑みしてくれた。小さいものなら食べることができるということに気が付いた。
次にげっ歯類を運んでくると、口でちぎってヒナたちに順番に餌を与えるはじめたのだ。
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少しずつだが、父鳥は試行錯誤を繰り返し、ヒナの育て方を学習していった。
フラーさんも父鳥の子育て奮闘記を陰ながら見守っている。ただし夜間は気温が急降下し、オオコノハズクが徘徊する為、ヒナたちを一旦家に入れているという。
このままうまくいけば、フラーさんが保護した3羽のヒナと巣のヒナ3羽を交換することで、全てのヒナを父鳥に育ててもらい、野生生活を体験させることができるかもしれないという。
チョウゲンボウのヒナは通常、30日前後で巣立つが、親から独立するにはさらに1ヶ月以上かかるそうだ。
written by parumo
追記(2022/05/19)本文を一部修正して再送します。
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ところが、卵を孵化してすぐ、母鳥はフクロウとの戦いで命を失い、幼いヒナたちが残されてしまった。
通常チョウゲンボウのヒナは母鳥が育てる為、父鳥は獲物を持ってくるくらいしかできない。だが待てど暮らせど母鳥は帰ってこない。
子育てを全く知らない父鳥だが、なんとかヒナたちを育てようと餌を口に運ぶも、ヒナたちは食べてくれない。困り果てた父鳥の悪戦苦闘の日々が始まる。
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Male Kestrels Don't Brood But Mr Kes Does All He Can to Save His Chicks母鳥がいなくなり、残されたヒナと子育てを知らない父鳥 この映像は、イギリスの野生動物写真家のロバート・E・フラーさんが撮影したものだ。フラーさん自宅周辺の自然豊かな場所で、野生生物の保護活動を行っている。
フラーさんがチョウケンボウの巣に設置したカメラは、子育てを知らない父鳥が子育てに奮闘している様子をとらえていた。
卵を孵化し終えた母鳥は、フクロウとの戦いに敗れ命を失い、結局二度と巣に戻ってくることはなかった。
通常卵はオスとメスが交互に温めるが、孵化した後は役割が分担される。オスが獲物を取る係で、メスが子育てを担当する。
子育てを全く知らない父鳥はどうしていいかわからない。とにかくなんとかしなければと、卵を温めた時のように、ヒナたちの体に乗って温めはじめた。
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獲物を持ってきても食べてくれないヒナに混乱する父鳥 父鳥はたくさんの獲物を狩って巣に持ち帰り、そのまま食べさせようとする。だがヒナたちはお腹がすいているのに食べてくれない。
ヒナの回りにはオスが運んできた獲物でいっぱいだ。
どうして食べてくれないの?わけがわからないオスは混乱した。
メスを呼ぶために鳴き声をあげたり、聞き耳を立てたりするようになった、巣の中を出たり入ったりした後、そのまま巣から飛び立ってしまった。
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フラーさんが一夜明けて巣の中を確認したところ、6羽のうち3羽のヒナが寒さで弱っていた。そこで衰弱した3羽を一旦保護する為、家に連れ帰り暖めながら餌を与えた。
フラーさんは、巣の中にヒートマットを敷いて、残ったヒナたちが暖かく安全に過ごせるようにした。もし母親が戻ってこない場合(この時点ではまだ母親が戻ってくるかもしれない可能性は残されていた)は残りのヒナたちも保護するつもりでいた。
フラーさんは巣に残されたヒナを見守っていたが、徐々に父鳥に変化が現れる。少しずつ学んでいき、餌を小さくすることを覚えた父鳥
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Kestrel Dad Learns to Feed his Chicks After Becoming Sole arent
一般的に、母鳥が死んでしまったチョウケンボウのヒナの場合、オスは育てることができず、持ち運んだ獲物に埋もれて死んでしまうことが多いという。
だがこの父鳥は違った。
子育ての方法を学んでいったのだ。
2日目の午後、たまたまトカゲを持って来たら、ヒナの1羽がそれを丸呑みしてくれた。小さいものなら食べることができるということに気が付いた。
次にげっ歯類を運んでくると、口でちぎってヒナたちに順番に餌を与えるはじめたのだ。
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少しずつだが、父鳥は試行錯誤を繰り返し、ヒナの育て方を学習していった。
フラーさんも父鳥の子育て奮闘記を陰ながら見守っている。ただし夜間は気温が急降下し、オオコノハズクが徘徊する為、ヒナたちを一旦家に入れているという。
このままうまくいけば、フラーさんが保護した3羽のヒナと巣のヒナ3羽を交換することで、全てのヒナを父鳥に育ててもらい、野生生活を体験させることができるかもしれないという。
チョウゲンボウのヒナは通常、30日前後で巣立つが、親から独立するにはさらに1ヶ月以上かかるそうだ。
written by parumo
追記(2022/05/19)本文を一部修正して再送します。
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