世界一高所を通る、危険な道路「カラコルム・ハイウェイ」
 「世界で最も危険な道路」の一つであるカラコルム・ハイウェイは、中国とパキスタンを結ぶ全長約1,300kmの、世界で最も高い場所を通る道路だ。

 国境を横断する道の途中には海抜4,693メートルの峠が待ち受けており、狭くて急な崖っぷちを下りながら対向車とギリギリですれ違うのもあるあるなうえ、下への転落はもちろん上からの落石事故も珍しくない。


 おまけに天候によっては地滑りや泥流によりしばしばルートが断絶。腕に自信があるドライバーでも立ち往生し、現地の人や馬での移動に頼ることになる。

世界で最も危険な道路カラコルム・ハイウェイ 全長およそ1,300キロ。中国とパキスタンを結ぶカラコルム・ハイウェイは、世界屈指の危険な道路の一つだ。

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 しかもその道は平坦ではない。古代シルクロードをたどった道の途中には海抜4,693メートルもの峠が控えているなど、国境を横切る舗装道路の中で最も高所がある道としても名高く、生きて通れるかどうかすらあやしい道なのだ。

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 また危険な道路のいわれはほかにもある。1978年に完成したこの道は建設中に1,000人以上が転落などで命を落としており、最も死に近いルートといっても過言ではない。

カラコルム・ハイウェイ建設のドキュメンタリー

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Rebuilding the Karakoram Highway EP1 |細い道路に急な坂。地滑りや落石に加え渋滞も この道に挑むドライバーはやたら細い道路や二度見するほど急な坂に直面する。

 また場合によっては地滑りや落石も切り抜けねばならず、運転技術をふるいにかける難所やそこをクリアできなかったドライバーによる渋滞も起こりうる。

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 それでなくても標高からしてけた外れな高所である。


 7,000メートル級の山があるカラコルム山脈をかろうじて抜ける悪路をドライブするなど、常人の選択肢にはありえない。

 パキスタンと中国政府が建設したこの高速道路は、完成までの20年間でパキスタン人労働者810人の中国人労働者200人の命を奪った。

 そして現代でもここでは事故死がたびたび発生。なのに訪れる冒険家は絶えることなく、スリルを満喫したい人の人気スポットになっているのだ。

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頻発する土砂崩れで地形が変わることも 土砂崩れが頻発するハイウェイでは地形まで変化する。2010 年には深刻な土砂崩れで付近の川が数か月も塞がれた結果、新しい湖ができたという。

 冬期は大雪で通行止め。7月から8月のモンスーンの雨がより多くの地滑りを引き起こすこともある。

 地学的にもトラブル続出のおそろしい道路。しかしパキスタンと中国にとっては戦略的な拠点や貿易に欠かせないルートなため、閉鎖されるようなことはまずないもよう。

以下はアメリカのドキュメンタリー制作者ルーヒ・セネトさんが訪れたカラコルム・ハイウェイの様子(死傷者の目撃シーンあり)

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Visiting the World’s Most Daпgeгous Road: “Karakoram D℮ath Road” (There are casuaIti℮s!)

 今は改修計画も立ててるそうだが、痛ましい事故はまだまだ起こりそう。

 今後も一般開放するならせめて通行規制とかどう?って気もするがスリルが大好物な人にとってはそのままがいいのかな。


written by D/ edited by parumo

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