
エチオピアで現代のライオンに匹敵する巨大なカワウソの化石が発見されたそうだ。
クリクリしたまなこがキュートで、最近ではペットとしても人気らしいカワウソだが、大昔は恐れられていた存在だったようだ。
新たに発見された「エンヒドリオドン・オモエンシス(Enhydriodon omoensis)」の体重は、推定200kg。半水生の一般的なカワウソと違い、陸上で大型ネコ科動物のように草食動物を狩って食べていたという。
今から350万~250万年前、そんな危険な大型カワウソが、まだ体が小さかった私たちの祖先の周囲におり、おそらくは食べ物をめぐって競争していたと考えられるそうだ。
この研究は、フランスの学術誌『Comptes Rendus Palevol』(2022年9月5日付)に掲載された。
巨大カワウソの新種を発見 現代でも大きなカワウソの仲間は存在する。南米のオオカワウソは30kgあり、北米などのラッコ(カワウソ亜科)は45kgにも達する。
だが、600万~200万年前にはユーラシア大陸やアフリカにはもっと大型のカワウソが生息していた。
もっともよく知られているのは、東アフリカで多く発見されている「エンヒドリオドン(Enhydriodon)」で、体重は推定200kgもあった。
今回、歯や大腿骨の化石が発見された巨大カワウソもエンヒドリオドン属の仲間で、発掘地であるエチオピア、オモ渓谷下流域にちなみ「エンヒドリオドン・オモエンシス(Enhydriodon omoensis)」と名付けられた。
[画像を見る]
エンヒドリオドン・オモエンシスの再現図(歯と大腿骨に基づく)。手前のシルエットは現生種のもので、左からオオカワウソ、ラッコ、ツメナシカワウソ。エチオピアのオモ渓谷下流域で、今よりずっと背が低かった私たちの祖先(猿のようなイラスト。
歯のエナメルに含まれる酸素と炭素の安定同位体を分析したところ、その値はカバのような半水生動物というよりは、大型のネコ科動物やハイエナのそれに近かったのだ。
歯の同位体は、その動物が何を食べていたのか知る強力な手がかりとなる。今回の分析結果に基づくならば、エンヒドリオドン・オモエンシスは陸上で草食動物を狩って食べていたと考えられるとのことだ。
研究グループは今後もアフリカのカワウソの化石を集め、大型カワウソが生態系に占めていた地位や、200万年前に絶滅した理由などを解明する予定であるそうだ。
References:In Ethiopia, scientists identify a fossil otter the size of a lion / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2022/09/07)タイトルに「化石」を入れ訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
クリクリしたまなこがキュートで、最近ではペットとしても人気らしいカワウソだが、大昔は恐れられていた存在だったようだ。
新たに発見された「エンヒドリオドン・オモエンシス(Enhydriodon omoensis)」の体重は、推定200kg。半水生の一般的なカワウソと違い、陸上で大型ネコ科動物のように草食動物を狩って食べていたという。
今から350万~250万年前、そんな危険な大型カワウソが、まだ体が小さかった私たちの祖先の周囲におり、おそらくは食べ物をめぐって競争していたと考えられるそうだ。
この研究は、フランスの学術誌『Comptes Rendus Palevol』(2022年9月5日付)に掲載された。
巨大カワウソの新種を発見 現代でも大きなカワウソの仲間は存在する。南米のオオカワウソは30kgあり、北米などのラッコ(カワウソ亜科)は45kgにも達する。
だが、600万~200万年前にはユーラシア大陸やアフリカにはもっと大型のカワウソが生息していた。
もっともよく知られているのは、東アフリカで多く発見されている「エンヒドリオドン(Enhydriodon)」で、体重は推定200kgもあった。
今回、歯や大腿骨の化石が発見された巨大カワウソもエンヒドリオドン属の仲間で、発掘地であるエチオピア、オモ渓谷下流域にちなみ「エンヒドリオドン・オモエンシス(Enhydriodon omoensis)」と名付けられた。
[画像を見る]
エンヒドリオドン・オモエンシスの再現図(歯と大腿骨に基づく)。手前のシルエットは現生種のもので、左からオオカワウソ、ラッコ、ツメナシカワウソ。エチオピアのオモ渓谷下流域で、今よりずっと背が低かった私たちの祖先(猿のようなイラスト。
シルエットは現代人)のすぐそばで暮らしていた / Credit: Sabine Riffaut, Camille Grohe / Palevoprim / CNRS – Universite de Poitiers大型ネコ科動物のような食生活を送っていた可能性 従来、エンヒドリオドン属の仲間は、半水生で、アフリカの淡水でよく見られる軟体動物やカメ・ワニ・ナマズなどを食べていたと考えられてきた。しかし、どうやらエンヒドリオドン・オモエンシスはそうではないようだ。
歯のエナメルに含まれる酸素と炭素の安定同位体を分析したところ、その値はカバのような半水生動物というよりは、大型のネコ科動物やハイエナのそれに近かったのだ。
歯の同位体は、その動物が何を食べていたのか知る強力な手がかりとなる。今回の分析結果に基づくならば、エンヒドリオドン・オモエンシスは陸上で草食動物を狩って食べていたと考えられるとのことだ。
研究グループは今後もアフリカのカワウソの化石を集め、大型カワウソが生態系に占めていた地位や、200万年前に絶滅した理由などを解明する予定であるそうだ。
References:In Ethiopia, scientists identify a fossil otter the size of a lion / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2022/09/07)タイトルに「化石」を入れ訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
編集部おすすめ