
image credit:Edgar Etherington / public domain/wikimedia
1978年、米海軍護衛駆逐艦「スタイン号」が、航行中に突然、不具合を起こした。
潜水艦との衝突を回避するためのレーダーシステムが急に作動しなくなり、急遽、本拠地への航路を変更せざるをえなくなってしまったのだ。
スタイン号は、乾ドックに着けられ、調査されることになった。船体前部の27トンもある巨大なドーム周辺に原因があると思われたが、ソナー部を調べたところ何者かに食いちぎられたかのような跡が。
裂け目の底に巨大な歯のようなものが残されていたのだ。
巨大な何者かによって食いちぎられた米海軍の船 スタイン号のソナー部分のゴムでコーティングされた部分はちぎれていて、表面のおよそ8%に大きな裂け目ができていた。
裂け目の大きさは、1.2メートルにもなるものもあり、なにかとてつもなく大きな力によってダメージを受けたことは明らかだった。
裂け目の底には巨大な歯型のようなものが残されていた。実際に見た者は、「まるでワニの群れが一斉に襲いかかったかのようだった」と証言した。
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巨大な何かに襲われた米海軍護衛駆逐艦「スタイン号」 / image credit:public domain/wikimediaダイオウホウズキイカが犯人である可能性 原因を探ろうと、海軍の生物学者F.G.ウッドが調査に加わった。ウッドは裂け目で見つかった歯あるいは爪が、それぞれの裂け目の幅と完全に一致していることを示し、すべて同一犯人がつけた跡であることを指摘した。
"歯"がイカの吸盤についている爪(吸盤の歯)と似ていたため、犯人は巨大なイカであると、ウッドは結論づけたが、未知の海洋生物である可能性も否定しなかった。
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というのも、もし、このような大きな歯をもつイカが存在するなら、その全長は自由の女神像の半分に相当する45メートルもなることになり、当時はとても考えられなかったのだ。
これは、クラーケンなどの伝説の巨大深海イカなのか?
今であれば、船体に食い込んでいた爪は、世界最大級の無脊椎動物「ダイオウホウズキイカ」の可能性が考えられる。
「ダイオウイカ」も同じく、世界最大級の無脊椎動物だが、体の重さや鉤爪のつき方が違うという。
ダイオウホウズキイカの触腕には吸盤の代わりに5cmにもなる回転式の大きな鉤爪があり、捕えた獲物を逃がさないようにかえしのようになっていて、獲物を引き裂くこともできるという。
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ダイオウホウズキイカの触手についている鉤爪 / image credit:Museum of New Zealand
このようなイカは、寿命が近づくと、海面に浮かぶ船に巻きついてくる事例が記録されている。
この1978年の事例も、死期が近づいて海面に上がって来た巨大イカが、スタイン号にしがみついた可能性はある。
あるいは、唯一の天敵であるマッコウクジラにも、巨大イカに襲われたような傷跡が見られることから、彼らが頻繁に激しく戦っていることは想像に難くない。
たまたま、スタイン号の巨大な船体が、イカにとってはクジラのように見えて攻撃したのかもしれない。
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いずれにせよ、スタイン号を襲った怪物が見つかれば、史上最大の生き物のひとつだったことだろう。
そうでなければ、巨大イカは 戦艦に挑んでも歯がたたないと悟り、深海に潜んで、死んだ船員の遺体を食べ続けるとか、クラーケンがするようなことをしたのかもしれない。
[動画を見る]
USS Stein: The Ship Attacked by a Monster Squid. Original Documentary Footage
References:The USS Stein Monster: In 1978, A Massive Creature Attacked A Navy Frigate, Shredding Parts Of Its Hull | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo
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1978年、米海軍護衛駆逐艦「スタイン号」が、航行中に突然、不具合を起こした。
潜水艦との衝突を回避するためのレーダーシステムが急に作動しなくなり、急遽、本拠地への航路を変更せざるをえなくなってしまったのだ。
スタイン号は、乾ドックに着けられ、調査されることになった。船体前部の27トンもある巨大なドーム周辺に原因があると思われたが、ソナー部を調べたところ何者かに食いちぎられたかのような跡が。
裂け目の底に巨大な歯のようなものが残されていたのだ。
巨大な何者かによって食いちぎられた米海軍の船 スタイン号のソナー部分のゴムでコーティングされた部分はちぎれていて、表面のおよそ8%に大きな裂け目ができていた。
裂け目の大きさは、1.2メートルにもなるものもあり、なにかとてつもなく大きな力によってダメージを受けたことは明らかだった。
裂け目の底には巨大な歯型のようなものが残されていた。実際に見た者は、「まるでワニの群れが一斉に襲いかかったかのようだった」と証言した。
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巨大な何かに襲われた米海軍護衛駆逐艦「スタイン号」 / image credit:public domain/wikimediaダイオウホウズキイカが犯人である可能性 原因を探ろうと、海軍の生物学者F.G.ウッドが調査に加わった。ウッドは裂け目で見つかった歯あるいは爪が、それぞれの裂け目の幅と完全に一致していることを示し、すべて同一犯人がつけた跡であることを指摘した。
"歯"がイカの吸盤についている爪(吸盤の歯)と似ていたため、犯人は巨大なイカであると、ウッドは結論づけたが、未知の海洋生物である可能性も否定しなかった。
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というのも、もし、このような大きな歯をもつイカが存在するなら、その全長は自由の女神像の半分に相当する45メートルもなることになり、当時はとても考えられなかったのだ。
これは、クラーケンなどの伝説の巨大深海イカなのか?
今であれば、船体に食い込んでいた爪は、世界最大級の無脊椎動物「ダイオウホウズキイカ」の可能性が考えられる。
「ダイオウイカ」も同じく、世界最大級の無脊椎動物だが、体の重さや鉤爪のつき方が違うという。
ダイオウホウズキイカの触腕には吸盤の代わりに5cmにもなる回転式の大きな鉤爪があり、捕えた獲物を逃がさないようにかえしのようになっていて、獲物を引き裂くこともできるという。
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ダイオウホウズキイカの触手についている鉤爪 / image credit:Museum of New Zealand
このようなイカは、寿命が近づくと、海面に浮かぶ船に巻きついてくる事例が記録されている。
この1978年の事例も、死期が近づいて海面に上がって来た巨大イカが、スタイン号にしがみついた可能性はある。
あるいは、唯一の天敵であるマッコウクジラにも、巨大イカに襲われたような傷跡が見られることから、彼らが頻繁に激しく戦っていることは想像に難くない。
たまたま、スタイン号の巨大な船体が、イカにとってはクジラのように見えて攻撃したのかもしれない。
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いずれにせよ、スタイン号を襲った怪物が見つかれば、史上最大の生き物のひとつだったことだろう。
そうでなければ、巨大イカは 戦艦に挑んでも歯がたたないと悟り、深海に潜んで、死んだ船員の遺体を食べ続けるとか、クラーケンがするようなことをしたのかもしれない。
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USS Stein: The Ship Attacked by a Monster Squid. Original Documentary Footage
References:The USS Stein Monster: In 1978, A Massive Creature Attacked A Navy Frigate, Shredding Parts Of Its Hull | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo
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