オーストラリアの光る車線がSF映画『トロン』のようだと話題に
 まるでSF映画『トロン』の世界に入り込んでしまったかのようだ。

 だがヴァーチャル世界などではない。
蓄光性素材で道路の車線を引いたことで、夜になると車線が蛍光緑色に光るのだ。

 これはオーストラリア、ビクトリア州で行われている独創的な道路安全対策で、今年5月に終えた試験的運用では、非常に有望な結果が得られたそうだ。

光る車線でSF的世界感 この道路線は「蓄光」を利用したものだ。そう、暗いところでボヤッと緑色に光るおもちゃのあの仕組みを利用している。

 陽が沈んで暗くなると、日中に光を吸収した蓄光コーティングが光を放出。暗闇でも道路の線をはっきりと浮かび上がらせる。

 発光時間も十分で、昼間が晴れなら一晩中輝き続けて、道を照らしてくれる(ただし、日中が曇りだと発光時間に影響がある可能性はあるとのこと)。

 ターマック・ラインマーキング社が、ビクトリア州の1キロほどの区間でこれを実験したところ、企業や自治体から問い合わせが殺到しているという。

 同社によると、光るマーキングは道路だけでなく、暗い駐車場やボート乗り場などさまざまな場所で役立つだろうとのことだ。

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オーストラリア、ビクトリア州では政府による独創的な安全対策が進められている。光る車線の5月の試験的運用では有望な結果が得られた / image credit:Tarmac Linemarkingオーストラリアの道路安全対策の一環としてテスト導入 ビクトリア州の道路当局によると、この取り組みは同州全域の道路に革新的な処理を行う、5億7000万円相当を投じた政府プログラムの一環であるという。

 政府ではこの光る線を「光輝性境界処理(photo-luminescent delineation treatment)」と呼んでおり、暗い状況でドライバーがより線を視認しやすくなると期待されている。


 ドライバーは道路の線や標識が見やすくなり、今までよりも交差点やカーブをはっきり見分けられるようになる。その分余裕をもって反応できるだろうし、車線からの逸脱予防にもなる。

 こうした効果は、あまり慣れていない道路では特に有効であるという。

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 この光るマーキング処理が施された道路は、夜になるとまるで映画『トロン』のようなヴィジュアルになる。

 それはとても幻想的な風景で、その画像がfacebookで10万回もシェアされている。

References:Glow-in-the-dark lines: New Australian road feature goes viral | news.com.au — Australia’s leading news site / written by hiroching / edited by / parumo

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