同じネコ科なら助けなきゃ。孤児のオオヤマネコのお世話をかって出た聖母イエネコ
image credit:Spicy Cats

 アメリカ・ニューハンプシャー州で、母親に捨てられ孤児となったオオヤマネコ属のボブキャットが救助・保護された。

 まだ小さな赤ちゃんのボブキャットの世話を引き受けたのは、同じネコ科だが、ヤマネコのお世話をしたことはないイエネコの母さんだ。


 母親が恋しいボブキャットは、イエネコのお母さんに甘え、体に乗りかかり、ギュッと抱きしめて離さない。

 赤ちゃんとは言えサイズ感と力加減が違うボブキャットを、イエネコは聖母のような深い愛情で受け入れた。

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鶏小屋で発見された孤児のボブキャットの赤ちゃん 9月20日、ニューハンプシャー州サンダウンで、生後6週間とみられる「ボブキャット」の赤ちゃんが発見された。

 赤ちゃんボブキャットは、鶏小屋の中で鳴き声をあげていたが、近くに母親の姿はなかったという。

 連絡を受けた野生動物の救助、リハビリを行っている「ミルストーン・ワイルドライフセンター」のスタッフが早速救助に向かったところ、幸いにも赤ちゃんボブキャットは健康な様子だったようだ。

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赤ちゃん猫のお世話の聖母猫に託される その後、スタッフは保護した赤ちゃんボブキャットを一般の猫の救助や保護、リハビリを行っている施設『Spicy Cats』に連絡し、赤ちゃんボブキャットを託した。

 施設には、ハニーバンという猫が保護されており、これまでにも他の母猫から生まれた子猫たちを何匹も育てた経験がある。猫界の名ベビーシッターなのだ。

 とは言え今回はイエネコではなくヤマネコだ。ボブキャットは成獣になると、大型のイエネコの二倍くらいの大きさとなるし、すでに赤ちゃんのサイズも違う。

 それでもSpicy Catsのキャロラインさんはきっとうまくいくと確信を持っていた。

 なんてったってハニーバンの小さな子に対する愛情の深さは天井しらず。
多少大きいし、手足のサイズも違うけど、ハニーバンが小さな子を放っておけるわけがないと信じていた。

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image credit:Spicy Cats

聖母猫はボブキャットに深い愛情を示す その予感は的中した。ボブキャットの赤ちゃんは聖母のような温かさでハニーバンに迎え入れられたことで、母親を失って傷ついた心が癒されたようだ。

 ハニーバンのそばを離れずひっついている。もうこれは、お母さん代理ではなくお母さんそのものである。
ハニーバンは非常に母性があり、忍耐強いので、ボブキャットのお世話にぴったりだとわかっていました。2匹が一緒にいるのを見ると、とても心が温かくなります。

私たちが知る限り、イエネコがヤマネコの世話をすることは過去に試みられたことがないのでちょっとした賭けでしたが、2匹がとてもうまくやっていることに喜びを感じています。
愛情をたっぷり与えた後は、野生に帰すための訓練へ しかし、飼いならされた猫であるハニーバンは、野生で生き残るために必要なスキルをボブキャットの赤ちゃんには教えることができない。

 ハニーバンの母親としての役割は、ほんの一時的なものに過ぎない。

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 Spicy Catsのスタッフは、いずれ赤ちゃんボブキャットを適切な時期に別のボブキャットと一緒にミルストーン・ワイルドライフセンターに戻す予定だ。

 そこでしばらく野生として生きられるように訓練された後、春に自然に返す計画をしているという。


 ハニーバンの愛情あふれる世話のおかげで、赤ちゃんボブキャットは心も体も元気になっているようだ。生後半年もたったら、ハニーバンより大きくなっちゃいそうだね。

References:Caring Cat Steps In To Raise An Orphaned Baby Bobcat - The Dodo/ written by Scarlet / edited by / parumo

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