ロシアの高校で軍事訓練が必修科目に。来年度から実施予定
 ロシアの教育がソ連時代に戻ろうとしている。The Jerusalem Postがロシアの各メディアからの情報として伝えるところによると、同国の高校では2023年から軍事訓練が必修科目になるそうだ。


 セルゲイ・クラフツォフ教育相は、「(軍事訓練は)来年度から学校に導入される。現在、草案が作成中で、1月1日以降に試験的運用を開始する」とタス通信で発言。

 まだ議会で正式な承認を受けたわけではないが、高校生は約35時間の訓練を受けることになる予定であるという。

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В школах РФ будут готовить детей к войнеロシアの高校生軍事訓練カリキュラム● 軍事訓練は、「人命保護の基礎」という既存の必修授業の中で教えられることになる。

 まずは教師たちが2023年1月1日まで研修を受け、試験的に運用してから、最終的な承認が得られることになるという。

 ロシアの学校では、今年度からすでに10年生と11年生の歴史の授業でウクライナ侵攻について教えている。

 さらに低学年では、毎週「重要な会話」という授業があり、愛国心の育成が試みられているという。

 モスクワ・タイムズ紙によれば、保護者や教師たちの中には、子どもたちに戦争を支持させるための試みであると、懸念する声もあるという。

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 また大学では、2023年3月までに「ロシア国家の基礎と原則」に関するイデオロギー講座を開き、人文教育を刷新する予定とも、コメルサント紙が伝えている。

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長引くウクライナ侵攻に対応するため イズベスチヤ誌によると、こうした教育改革は、思わしくないウクライナの状況を受けたものだという。

 たとえば、親プーチン派の野党「公正ロシア」のセルゲイ・ミロノフ氏は、「志願兵でさえ、戦闘に必要な経験がない」「特別軍事作戦(ウクライナ侵攻)が始まったことで、この問題は特に重大なものになった」と発言。

 ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長も、高校での軍事訓練復活を支持しており、10年生と11年生に少なくとも140時間の基礎訓練を行うよう提案する。


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 さらに統一ロシア党のアダルビ・シュハゴシェフ副議長は、「平和を望むなら、戦争に備えねばならない。学校で軍事訓練が教えられていた時代、いいことしかなかった」と発言したとのこと。

 かつてロシアでは、「初期軍事訓練」という授業で、若者たちに銃器の扱い・応急処置・核や化学兵器への対応などが教えられていた。

 これは1993年に廃止されたが、その後授業を復活させるようという動きが何度もあった。

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References:Russia to introduce return of Soviet-era military training for teens - The Jerusalem Post / written by hiroching / edited by / parumo

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