アメリカの未解決殺人事件「箱の中の少年」の被害者の身元が65年たって判明
 アメリカ、フィラデルフィアで有名な未解決事件「箱の中の少年(ボーイ・イン・ザ・ボックス)」が65年ぶりに新たな進展があった。

 1957年にペンシルベニア州フィラデルフィアで発見された子供の遺体の身元が、最新の技術を使って今年の12月8日、ようやく明らかになったのだ。

箱の中の少年(ボーイ・イン・ザ・ボックス)事件の概要 1957年2月25日、ペンシルベニア州フィラデルフィア・フォックスチェイス地区、サスケハナ ロードで、不法投棄された段ボールの中から、推定4~6歳と見られる男児の全裸遺体が毛布に包まれた状態で発見された。

 遺体にはいたるところにあざがあり、司法解剖の結果、「頭部への打撃が直接的な死因」とされた。

 また、死亡後に散髪されていることや、死亡する数時間前に何も食べていないこと、手足がふやけていたため、水に浸かっていた可能性があることがわかった。

 この事件は当時注目を集め、情報提供を呼びかける少年の写真入りポスターがいたるところに張り出されたが、犯人はおろか少年の身元も不明のままだった。

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事件当時貼りだされたポスター / image credit:public domain/wikimedia未解決事件から65年後、ようやく少年の身元が判明 そしてようやく最新の技術を駆使し、65年たってようやく少年の身元が判明する。

 彼は、1953年1月13日生まれのジョゼフ・アウグストゥス・ザレリ。わずか4歳のとき、残忍にも殺されたのだ。

 ジョゼフの遺体は発見当初、死後、数日たっていたという。

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‘Boy in the Box’ Cold Case Victim Identified 65 Years Later

 フィラデルフィア警察署長のダニエル・アウトローは記者会見で、「彼の非常に短い人生の中で、決して誰も体験すべきではない恐怖を味わったことは明らかです」

 65年前にはなかった、DNA技術関連の科学の進歩が、ジョゼフの身元を明らかにするカギとなった。
"箱の中の少年"事件について考えるとき、ただ、子どもが殺されたということだけでなく、彼のアイデンティティとその存在に対する正当な主張が奪われたことに、深い悲しみを感じます。

65年もの間、"アメリカの身元不明の子ども"として知られることになる人物の話が、この地域をずっと悩ませてきたのです
 アウトローは語る。次の目標は犯人を見つけること 今回、ジョゼフの名がわかったことで、警察は引き続き、捜査を続けている。

 警察は、ジョゼフの母方の親戚と連絡をとっていて、彼の実の両親の身元もわかっているものと思われる。だが、ジョゼフのきょうだいがまだ存命のため、彼らの身元は匿名のままにされている。
この発表は、この少年の物語のひとつの章を閉じ、新たな章を開いただけです。これはまだ捜査中の殺人事件なのですから
 フィラデルフィア警察のジェーソン・スミス警部は言う。
疑惑のある容疑者はいますが、捜査中の事件であり、その情報をここで共有することはできません
References:'Boy in the box' murder victim finally identified after chilling 65-year mystery - Daily Star / Philadelphia police uncover name of "The Boy in the Box" / written by konohazuku / edited by / parumo

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