カンブリア紀の古代生物を復元したらタコスみたいだった件
 100年以上前に発見されて以来、謎に包まれたままだったカンブリア紀の古代生物の姿がとうとう明らかになった。

 その生物の名を「チュゾイア(Tuzoia)」で、5億4100万~4億8540万年前の海底で生きていた節足動物だ。


 カナダ、ロイヤル・オンタリオ博物館にある、保存状態のいいトゥゾイアの化石が所蔵されていることが判明。

 軟組織のディテールが残された11点の化石の調査から、その姿の復元を試みたところ、チュゾイアはメキシコ料理の「タコス」そっくりであることがわかったそうだ。

貴重な軟組織のディテールが残された化石を探し出す チュゾイア(Tuzoia)の化石標本は、世界の博物館にいくつも所蔵されている。

 だが、突き出た有柄の眼や、脚、エビのように広がった尾扇、甲羅など、軟組織でできている部分は化石にならず腐ってしまうので、生きている当時どんな姿だったのか長年の謎とされてきた。

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チュゾイアの甲羅っぽい部分の化石 / image credit:Charles Elmer Resser / WIKI commons

 カナダ、ロイヤル・オンタリオ博物館の無脊椎古生物コレクションには、400点ほどのチュゾイアの化石がある。

 トロント大学の博士号取得候補者アレハンドロ・イスキエルド・ロペス氏らは、そうしたコレクションを根気よく探し、貴重な軟組織のディテールが残された11点の化石を見つけ出した。

 それらの一部は、ヨーホー国立公園内にある、約5億500万年前(古生代カンブリア紀中期)の海棲動物の化石(バージェス動物群)を多産するカナダの化石地層「バージェス頁岩(けつがん)」で発掘されたものだ。

で、今回のチュゾイアはかつて海だった泥岩の層にうまい具合に”埋葬”されたおかげで、細部が残されたまま現代まで保存されたようだ。

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ロイヤル・オンタリオ博物館にあるチュゾイアの化石 / image credit Alejandro Izquierdo-Lopez et al., Royal Society Open Science(2022)復元された予想図はタコスそっくり これらの貴重な軟組織を解剖学的に分析した結果、チュゾイアの全体の姿を導き出したところ、タコスそっくりな形状だったのだ。

チュゾイア

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タコス

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チュゾイアは海底の掃除屋か? イスキエルド・ロペス氏らによれば、チュゾイアは海底に散らばる小さな生物の死骸を食べていた掃除屋(腐肉食動物)だったと考えられるそうだ。

 大きさは8~180ミリで、歩くときは脚が地面につくように甲羅を外側に曲げていた可能性がある。

 「チュゾイアは100年以上前から知られていますが、尻尾も目も脚も見たことがありませんでした」「ロイヤル・オンタリオ博物館のコレクションを何度も探しましたが、数年で軟組織が残された化石をすべて見つけられるとは思ってもいませんでした」と、イスキエルド・ロペス氏は語っている。


 この研究は『Royal Society Open Science』(2022年12月7日付)に掲載された。

 チュゾイアに限らず、古代生物って本当に興味深い造形をしていて、カプセルトイになった時には集めまくったものだし、クマ姉さんにはねりきゃんでお菓子にしてもらったほどだが、チュゾイアもはれて、カプセルトイの仲間入りすることになるのかな?タコスそっくりなだけに、JKにも人気でそう。かな?

References:Likeness of Cambrian critter finally revealed, and it looks like a taco | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo

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