
image credit:ヒガシシマバンディクート/JJ Harrison (https://www.jjharrison.com.au/), CC BY-SA 3.0,
via Wikimedia Commons
数千万年の長期にわたり他の大陸と接点がなく、地理的に隔てられた環境で独自の進化をたどってきたオーストラリアの動物は実に多様だ。
そんな固有種の保護に数十年前から取り組んでいるオーストラリアからうれしいニュースが舞い込んだ。
このたび行われた大規模調査で、なんと29種もの絶滅危惧種の回復が認められたのだ。
喜ばしい報告に保護活動を行っていた人々も、努力のかいあったと大喜び。ピンチを切り抜けた動物たちに向け祝福の声が広がっている。
保護対象の動物446種から29種が保護不要に!
オーストラリアの生物多様性保護法(EPBC)により保護が必要とされる動物はこれまで446種だった。
だが今回の調査によって29種が保護の対象から外れることに決定。内訳は哺乳類15種、鳥類8種、両生類4種、爬虫類1種、そして魚類1種で、リストの一部はこのようになっている。
大半が固有種。絶滅危惧種の保護を続けるオーストラリア
オーストラリアは何十年も前から、絶滅危惧種の保護に力を入れてきた。その生物の多くはこの地以外のどこにも生息していない固有種だからだ。
一方ここ数十年は外来捕食動物の定着も問題になっている。かつてオーストラリアに導入されたキツネやサトウキビヒキガエルなどがバンディクートやビルビーなどの地元の有袋類に大きな被害を与えているのだ。
実はオーストラリアでは、アメリカのように種の回復状態の定期的な見直しが義務になっていない。
回復記録から達成度を測定して資金調達の効率化をすすめる主張も
学術サイト ScienceDirect に掲載された今回の研究調査は、オーストラリアのさまざまな学術機関によって実施されたもので「保護護管理者は現在の安定性、範囲、個体数に基づく回復の記録から達成度の測定を目指すべき」と結論付けている。
どこまでうまくいってるかを測るようにすれば、その値が低い、つまり特に減少傾向にある動物への資金調達も効率よく行うことができ、複数の動物種にとって危険な脅威に一度に対処できるだろう、と彼らは主張している。
この結果で熱心に活動を続ける保護スタッフも「絶滅の恐れなし」と太鼓判を押された生物を見るたびに誇らしい気持ちになってそう。
激減した個体の保護はもちろん、生息域の維持拡大や環境の立て直しなど、一朝一夕ではつとまらない地道な活動もこんな風に成果が実感できたら次のモチベーションにつながるはずだ。
これからもオーストラリアだけでなく世界中でこんな朗報が聞けたらいいな。
References:goodnewsnetworkなど /written by D/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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数千万年の長期にわたり他の大陸と接点がなく、地理的に隔てられた環境で独自の進化をたどってきたオーストラリアの動物は実に多様だ。
そんな固有種の保護に数十年前から取り組んでいるオーストラリアからうれしいニュースが舞い込んだ。
このたび行われた大規模調査で、なんと29種もの絶滅危惧種の回復が認められたのだ。
喜ばしい報告に保護活動を行っていた人々も、努力のかいあったと大喜び。ピンチを切り抜けた動物たちに向け祝福の声が広がっている。
保護対象の動物446種から29種が保護不要に!
オーストラリアの生物多様性保護法(EPBC)により保護が必要とされる動物はこれまで446種だった。
だが今回の調査によって29種が保護の対象から外れることに決定。内訳は哺乳類15種、鳥類8種、両生類4種、爬虫類1種、そして魚類1種で、リストの一部はこのようになっている。
・シマオイワワラビー(Yellow-footed rock-wallaby)
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image credit:Peripitus, CC BY-SA 3.0,
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・ミミナガバンディクート (Greater bilby)
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image credit:stephentrepreneur from Adelaide, Australia, CC BY-SA 2.0,
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・キンコミミ バンディクート(Golden bandicoot)
・ニシシマ バンディクート(Western barred bandicoot)
・ヒガシシマ バンディクート(Eastern barred bandicoot)
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image credit:ヒガシシマバンディクート/JJ Harrison (https://www.jjharrison.com.au/), CC BY-SA 3.0,
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・オグロフクロネコ(Western quoll)
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image credit:S J Bennett, CC BY-SA 3.0,
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・ザトウクジラ(Humpback whale)
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humpback whale / Public domain
・ススイロアホウドリ(Sooty albatross)
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・アマガエル科 Ranoidea属のカエル(Waterfall frog)
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image credit:Sztraka38, CC BY-SA 2.0,
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・アマガエル科 Ranoidea属のカエル(Growling grass frog)
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image credit:No machine-readable author provided. Tereza~commonswiki assumed (based on copyright claims)., Public domain,
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・ヒレアシトカゲ科 Aprasia属の トカゲ(Flinder’s Range worm-lizard)
・スズキ目 ペルキクティス科の魚 マーレーコッド(Murray cod)ほか
大半が固有種。絶滅危惧種の保護を続けるオーストラリア
オーストラリアは何十年も前から、絶滅危惧種の保護に力を入れてきた。その生物の多くはこの地以外のどこにも生息していない固有種だからだ。
一方ここ数十年は外来捕食動物の定着も問題になっている。かつてオーストラリアに導入されたキツネやサトウキビヒキガエルなどがバンディクートやビルビーなどの地元の有袋類に大きな被害を与えているのだ。
実はオーストラリアでは、アメリカのように種の回復状態の定期的な見直しが義務になっていない。
そのため今回発表されたような大規模な科学論文は貴重であり、オーストラリアの自然保護活動家にとっても祝福すべき瞬間になった。
回復記録から達成度を測定して資金調達の効率化をすすめる主張も
学術サイト ScienceDirect に掲載された今回の研究調査は、オーストラリアのさまざまな学術機関によって実施されたもので「保護護管理者は現在の安定性、範囲、個体数に基づく回復の記録から達成度の測定を目指すべき」と結論付けている。
どこまでうまくいってるかを測るようにすれば、その値が低い、つまり特に減少傾向にある動物への資金調達も効率よく行うことができ、複数の動物種にとって危険な脅威に一度に対処できるだろう、と彼らは主張している。
この結果で熱心に活動を続ける保護スタッフも「絶滅の恐れなし」と太鼓判を押された生物を見るたびに誇らしい気持ちになってそう。
激減した個体の保護はもちろん、生息域の維持拡大や環境の立て直しなど、一朝一夕ではつとまらない地道な活動もこんな風に成果が実感できたら次のモチベーションにつながるはずだ。
これからもオーストラリアだけでなく世界中でこんな朗報が聞けたらいいな。
References:goodnewsnetworkなど /written by D/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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