聖母マリアの出現の証拠を見つけるため、バチカンが観測所を創設
  カトリックの総本山「バチカン」が、世界各地で目撃されている「聖母マリアの出現」の真偽を検証するため、新たに観測所を設立したそうだ。

 観測所を設立したのは、マリア神学の研究をおこなう公的国際機関「ローマ教皇庁立国際マリアン・アカデミー」だ。


 観測所の目的は、「涙を流すマリア像」など、半ば都市伝説のように語られる”聖母マリア現象”を調査し、その実在を裏付ける具体的証拠を集めることであるという。

聖母マリア現象を本格的に検証するための観測所 国際マリアン・アカデミーの会長ステファの・チェンキン神父は、「教会の教え、関連当局、ローマ教皇庁の規範に則りつつ、こうした出来事の研究・認証・開示に対する具体的な裏付けを用意する」ことが狙いだと、『National Catholic Reporter』に語っている。

 そうした中には真偽定かならぬ怪しいものや、犯罪的な詐欺である可能性を否定できないものもある。

 聖母マリア観測所は、あらゆるケースの法的性質まで検証するために、弁護士など多種多様な人材を採用する予定であるという。

 チェッキン神父は、プレスリリースでこう述べている。
しばしば憶測にもとづく情報が混乱を生み、この世の終わりだのと不安を煽ることもあります。
それらはときに教皇や教会への批判につながることもありますので、はっきりさせることが重要です。


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世界各地で目撃される聖母マリアは本物か? 「聖母マリアの出現」とは、イエスの母である聖母マリアが人々の前に姿を現したとされる現象のことだ。

 13年経っても消えないチョークで描かれた聖母マリアや、太陽の光から登場した聖母マリアなど、彼女が関連するとされる現象は世界各地で今も観測されている。

 だが、歴史的にカトリック教会が正式に公認したものは、Wikipediaによるなら24件のみだ。

 今回の観測所が主に扱うのは、そうではない非公認のもの。

 その狙いは、カトリックが認める本物の聖母マリアと、折に触れて流布され、ときに教会の権威を貶めるでっち上げをきちんと区別することだ。


 最近でも聖母マリア絡みの悪質な事件が起きている。

 The Guadianによると、イタリア在住のマリア・ジュゼッペ・スカルプッラという女性は、聖母マリア像が血の涙を流し始め、メッセージを伝えてくるようになったと主張しつつ、寄付を募っていたという。

 ところが私立探偵の調査によって、血の涙はブタの血液であることが発覚。これを受けて警察の捜査が始まると、スカルプッラは行方をくらましたそうだ。

References:Papal academy launches study center to evaluate Marian apparitions | National Catholic Reporter / Vatican Creates New "Observatory" To Find Evidence Of Virgin Mary Apparitions | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo

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