髪を剃りに来たがん闘病中の女性の前で、自分たちの髪を次々に剃りはじめた理髪店の店員たち
 世界中で多くの人ががんと闘っている。愛する人が病を患ったとき、大切なのは、あなたは一人じゃないよ、そばにいるよと、サポートする気持ちを示すことだ。

 抗がん剤の副作用により、抜け落ちていく髪をすべて剃ることを決意した、がんと闘っていた女性は、息子が働いている理髪店を訪れた。

 バリカンで髪を剃られている間、彼女の表情はとても暗く悲しみにあふれていた。事情をしっている息子は母親を励ましたかった。

 そこで彼は、自分の髪を突然バリカンで剃り始めたのだ。それを見た同僚たちも、次々と女性と同じように髪を借り上げることで、応援する気持ちを行動で表した。

 母親はそのやさしい心遣いに驚きながらも感動し、悲しみとは違う、あたたかい涙があふれ出た。

がん闘病中の女性が頭を剃りに息子の理髪店を訪れる ブラジルで、がんを闘病中のクラウディアさんは、抗がん剤の副作用により自分の髪に別れを告げなければならなかった。

 クラウディアさんは数年前に喉頭がんと診断され、最近再発し、治療を再開しなければならなかった。闘病中のがん患者は、重度の脱毛を促す化学療法を開始する前に、頭を剃る人もいるという。

 彼女は息子のギリェルメ・マガリャンイスさんが働いている理髪店を訪れ、すべての髪を剃ってもらうことにした。

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母親を励ますため、自分の髪を剃り始めた息子 息子のマガリャンイスさんは、母親を励ましたい一心で、自分の髪を剃る決意をした。彼はバリカンを頭に当て、自分の髪を剃り始めたのだ。

 この驚きの行動は、母親のクラウディアさんを驚かせた。彼女は息子が自分の髪を剃るのを見つめ、涙を流した。

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女性を励ますため次々と髪を剃り始めた男性店員たち ためらうことなく自らの髪をバリカンで刈り上げていくマガリャンイスさんを見て、クラウディアさんは感極まった。

 だがここで終わらない。友人であり同僚のフェルナンド・ブリトさんとディー・ウィンチェスターさんは自発的に自らの髪を剃ることで、女性をサポートする意思を示したのだ。

 ブリトさんは、マガリャンイスさんに髪を剃ってもらうと、笑顔を見せながらクラウディアさんの肩をポンと叩いた。

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 続いて隣で顧客の髪を切っていたウィンチェスターさんも帽子を脱いで、マガリャンイスさんにバリカンで髪を剃るよう促した。

 彼らはクラウディアさんと連帯感を持ち、決して1人で戦う必要はないということを示したかったのだ。

 クラウディアさんは涙があふれて止まらなかった。

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 マガリャンイスさんはこの時に同僚が撮影した映像を、「クラウディアさん、母さんは光です。愛してます」というキャプションと共にInstagramに公開した。さらに同じように頭を剃った友人たちに感謝の言葉を述べた。[画像を見る]  その後、ブリトさんは新たに剃った頭を披露する集合写真を投稿し、「打ち勝とうとする意志が大きければ、どんな障害も大きくない」というメッセージを送った。[画像を見る]  マガリャンイスさんは、自分と友人たちの行動について、「最初は自分の突発的な行動だったが、その思いが同僚たちに伝わり、皆が頭を剃ることになった」と語っている。

 「母はとても驚いたが良い刺激を与えたようだ。まさか私や同僚が自分の頭を剃るなんて、彼女は全く予想していなかった。

 でも今、彼女はSNSに投稿したことで、ブラジル全土の人々から応援を受けている。この一連の反響が、結果的に母の生きようという前向きな気持ちにつながってくれたようだ。

 髪の毛は女性にとって非常に重要で大切なもの。でもきっと彼女は治療に成功して、また髪を取り戻すことを信じている」とマガリャンイスさんは語った。

 ちなみにこの投稿は、Twitterのインフルエンサーによってさらに拡散された。 References:Barber Shaves His Head in Solidarity With Mother Fighting Cancer/ written by Scarlet / edited by parumo

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