3つの光学現象が一度に!「ハロー現象」と「幻日環」と「幻日」を同時にとらえた奇跡の写真
 イギリスや北アイルランドの上空で、とても珍しい奇跡的な太陽の光のショーが目撃されたそうだ。

 5月28日にベルファストの植物園上空で撮影されたというその写真には、太陽の周囲に描き出される「ハロー」や「幻日環」、まるで第二、第三の太陽を思わせる「幻日」など、3つの光学現象が写し出されている。


 それは地球の大気にただよう無数の氷の結晶が完璧に並んだときにだけ出現する、ゴージャスな光のプリズムショーだ。

太陽のまわりの3つの光学現象をとらえた奇跡の写真 英クイーンズ大学ベルファスト校の天文学者アラン・フィッツシモンズ氏が撮影したこの画像では、少なくとも3つの光学現象を確認することができる。

 太陽を囲むように現れた「内暈(22°ハロー)」、その両側に輝く1対の「幻日」、そして22°ハローを横切りながら空全体に大きな円を描く「幻日環」の3つだ。

 さらに22°ハローの上下に、まるで”まぶた”のような「外接ハロー」と「上部ラテラルアーク」が現れている可能性もあるとのことだ。

 今回の完全な幻日環は、空気中にただよう無数の氷の結晶が太陽の光を同時に受け止め、その中で少なくとも5回は反射する必要があるので、とても珍しい現象であるとのこと。

 だが、そのほかのものは意外と普通に起きていることなのだそうだが、日本でも同様かは不明だ。

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「ハロー」「幻日環」「幻日」など、少なくとも3つの光学現象が確認できる / image credit:mage credit: Alan Fitzsimmons
ハロー(暈): 太陽の周りにできる大きな円形の光の輪のこと。これは上空の氷結晶が太陽の光を屈折(途中で方向を変えること)させることで起きる

幻日(げんじつ): ハローの両側に見える明るい光の点のこと。これも氷結晶が太陽光を屈折させ、特定の角度で反射した光が集まることで発生する

幻日環(げんじつかん): 通常、ハローの内側で見られるものだが、特別な条件下では全天を一周することもある。これは氷結晶が太陽光を何度も内部反射させることで生じる

幻日が氷晶内での太陽光の屈折によって起こる現象であるのに対し、幻日環は氷晶の表面での太陽光の反射によって起こる現象だ。
太陽のショーを見るコツは? ただ、それを上手に観測するにはちょっとコツがある。

 こうした光学現象が起きるのは、太陽が明るく輝いているときだ。
だから、親指や木で軽く日光をさえぎってやると観察しやすいのだ。

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木に隠れるなど、光の一部がさえぎられたとき、一番よく見えるのだそうだ / image credit:Alan Fitzsimmons

 「よく晴れた日、高いところにうっすら雲があったら、ハローなどがあるかどうか、確かめてみるといいかもです」と、フィッツシモンズ氏は述べている。

 なお今回に限らず、自然はふとしたときにとても神秘的なショーを見せてくれている。普段、自然のことなど気にも留めないという人でも、たまにはその無限の美しさを感じてみてはどうだろう。

References:Ethereal 'halo' and light arcs around the sun captured in photos of ultra-rare phenomena | Space / written by hiroching / edited by / parumo

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