中に人疑惑のマレーグマ、イギリスからも参戦
 先日、世界中で注目を集めた、中国の動物園の二足立ちがうますぎて「中に人疑惑が生じたマレーグマ」だが、「うちにもいますけど」とばかりに、イギリスの動物園が自身のSNSに飼育しているマレーグマの動画を投稿した。

 着ぐるみをきた人にしか見えないと、ネット上で物議をかもしたことから、中国の杭州動物園が公式に「断じて中に人など入っていない」と発表したほどだが、イギリスの動物園によると、マレーグマは二足立ちが得意で、人間のように見える仕様なのだそうだ。


人間じみたマレーグマ、うちにもいますけどなにか? イギリス、ハートフォードシャーにある「パラダイス野生動物公園(Paradise Wildlife Park)」は、中国の杭州動物園のマレーグマに「中に人疑惑」が生じたことを受け、自身の動物園で飼育しているマレーグマのキラさんの動画を公開した。

 マレーグマは二足立ちが上手で、人間のように見えるのは普通のことだそうだ。

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マレーグマは立つと人間のように見えるかもしれませんが、彼らが後ろ足で立つのは自然な行動なのです
 マレーグマはクマ科最小種で、キラさんは二足立ちすると全長127cmだという。[画像を見る] マレーグマについて タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマーなど、主に東南アジアの熱帯雨林に生息するマレーグマは、世界で最も小さなクマで、体長は約120-150cm、体重はオスで約60-80kg、メスで約20-40kgほどだ。

 褐色や黒色の短い毛を持ち、胸部にはU字またはV字型の白いマークがある。夜行性で、食性は雑食で、果物、昆虫、小動物などを食べるが、特にハチの巣や蜜を好むことで知られている。

 強力な爪を持っており、これを使って木の皮や巣を剥ぎ取ることができる。[画像を見る] マレーグマが二足立ちをする理由 マレーグマは他のクマ同様二足立ちが得意で、その姿が人間のように見えるが、これには理由がある。
周囲の確認: 高い草や低木の中で周囲を見渡したり、遠くの物音や気配に気づいた際、周囲の安全を確認するため

食物の探索: 木になっている果物などを探す際、高い位置にあるものを取るために立ち上がる。強力な前足と鋭い爪を用いて、枝を引き寄せることも。

社交行動: 他のマレーグマとのコミュニケーションや、特にオス同士の競合時に威嚇の姿勢として二足立ちをすることがある。


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 中国のマレーグマ、アンジェラの場合、背中やお尻部分にひだが入っていたころから、余計に着ぐるみ疑惑を引き起こしたが、実はこのヒダ、捕食者から身を守るためのものであり、これがあることで、撃された時に身をよじって反撃することができるのだという。


 マレーグマは農作物を食害する害獣としての駆除や、毛皮や漢方薬目的の乱獲等により生息数が減少し、絶滅危惧種に指定されている。

 今回、マレーグマが注目を集めたことで、保護活動につながることが期待されている。事実、杭州動物園では、訪問者数が30%増加したそうだ。

 他の動物園でも、SNSで人間じみたマレーグマの動画を続々と投稿してくれると楽しいよね。

References:British wildlife park shares footage of its own 'human bears' in defence of Chinese zoo | indy100 / Zoo confirms standing, waving 'human bear' is real: 'Natural behavior' / written by parumo

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