恒星を周る太陽系外惑星の17年間の軌道を実データから作った史上最長のタイムラプス映像
 太陽系の外にある惑星は一体どんな風に動いているのか? それが一目でわかるタイムラプス動画が公開された。

 これは地球から63光年の先にある「がか座β星b」を公転する太陽系外惑星17年間の軌道を、わずか10秒に凝縮したもの。


 17年間分というのは、これまで作成された太陽系外惑星のものとしては最長のタイムラプス動画だ。

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17 years of real footage of an exoplanet (Beta Pic b)巨大な太陽系外惑星「がか座β星b」 今回の主役である巨大惑星「がか座β星b」は、地球からがか座の方向に63光年離れた、がか座で2番目に明るい恒星「がか座β星」を公転している(”がか”とは”画架”、つまり絵のカンバスを立てかける三脚のことだ)。

 巨大惑星というのは、がか座β星bの質量が木星の12倍もあるからだ。惑星としてはあまりにも大きく、褐色矮星(小さすぎて恒星にはなれなかった天体)に負けないくらい大きい。

 また、その中心にあるがか座β星は、800万~2600万歳ととても若い星で、太陽より1.75倍重く、8.7倍明るい。がか座β星とがか座β星bの距離は、地球と太陽の10倍ほどだ。

 惑星の大きさや恒星の明るさもあって、がか座β星bはかなり見つけやすく、2003年に直接観察された最初の太陽系外惑星のひとつでもある。

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17年分の画像データを特殊な技術を使い10秒に凝縮 このタイプラプス映像は、2003年から2020年にかけて、ジェミニ天文台とヨーロッパ南天天文台で撮影された画像データをもとに、米ノースウェスタン大学の天体物理学者ジェイソン・ワン氏によって作成された。

 ただし、その映像は生のデータそのままではない。

 たとえば、がか座β星bは毎日撮影されていたわけではないので、その画像をそのままつなげてもガタガタになってしまう。

 そこで、惑星の動きがスムーズに見えるよう、AIによる特殊な技術で画像と画像のギャップが補完されている。

 さらに「補償光学」という技術で、地球の大気のせいで起きてしまう画像のブレを補正している。


 また動画をよく見てみると、星のマーク(これが恒星のがか座β星だ)の周りに黒い円が表示されているが、これは明るすぎる星のギラツキを抑えるよう処理されているからだ。

 それでもなお明るすぎるため、惑星がその前を通過するとき見えなくなってしまう。そこで「x」印をつけて惑星の動きを追えるようになっている。

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 今回のタイムラプス映像は恒星のまわりを4分の3周したものだ。1周分を映像化するには、さらに6年の観測が必要となるという。星の物理を直感的に理解 ワン氏の願いは、視聴者にこうした惑星の動きを見てもらい、宇宙の仕組みの驚きや素晴らしさを知ってもらうことだ。

 「科学では、抽象的な概念や数式がよく使われます。グラフの点ではわかりにくくても、自分の目で見ることができる動画なら、直感的に物理を理解することができます」と、ワン氏は語る。

 ちなみにワン氏は昨年も、太陽系から129光年の距離に存在するペガスス座に属する恒星「HR 8799」を周る太陽系外惑星4つの様子を12年間にわたりとらえたタイムラプス映像を発表している。

 4つの惑星は、いずれも巨大ガス惑星で、最も内側の惑星は約45年で1周し、最も外側の惑星は500年近くかけて1周しているので、すべてが恒星を1周する映像を見ることができるのは、あと488年後となる。

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Footage of 4 Planets Orbiting HR 8799 (12-Year Time Lapse)

References:Longest time-lapse footage of an exoplanet to date assembled from real data / written by hiroching / edited by / parumo

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