数学を勉強するなら寝る前が効果的。記憶が定着しやすいことが判明
 大変だ、明日の朝、学校で数学のテストがあるのに何もやっていない。これはもう徹夜で頑張るしかないのか?

 大丈夫、心配無用だ。
なぜなら、数学は夜眠る前に勉強したほうがよく記憶に定着するからだ。すぐに勉強してきちんと眠ろう。

 ちゃんと根拠もある。

 イギリス、レスター大学の研究チームが、夜眠る前に複雑な掛け算を勉強させてみたところ、翌朝いつも以上にたくさん覚えていられることが確認されているのだ。

 これは学習や記憶にとって、睡眠がとても大切であるとことを示しているそうだ。

数学を勉強するなら朝と夜、どちらが効果的? レスター大学の神経科学者ジェーン・スピラー博士らによる今回の研究では、77人の参加者にちょっと複雑な掛け算の問題を勉強してもらってから、数学のテストを受けてもらった。

 勉強した内容は、例えば8×23=184といった掛け算だ。

 ただし勉強したのは夜で、終わってから眠ってもらった。そして朝目覚めてからテストを受けるのだ。ちなみに勉強からテストまでの時間は10時間半だった。

 また別の機会には、今度は朝に勉強して、そのまま眠ることなく10時間半後に同じようにテストを受けてもらった。

 すると夜に勉強した時のほうが、朝勉強した時よりも成績がよかったのだ。
研究者によれば、夜に勉強した時では、平均して1つ覚えている内容が多かったという。

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数学のみならず、記憶するには睡眠が大事 こうした睡眠の効果は、これまでにも単語の記憶テストなどで確認されている。

 今回数学でもそれと同様の結果が繰り返されているが、睡眠による記憶力アップは、単語の記憶テストよりも少々弱かったそうだ。

 それでも今回の結果は、物事を記憶するには睡眠が肝心であることを改めて裏付けている。

 だからこれを読んでいるあなたは、まずは明日に備えて勉強をして、それを記憶するために眠りにつくといい。決して徹夜で乗り切ろうなどとは思わないことだ。

 できればアイマスクなどを使用すると良いだろう。完全に光の刺激を遮断すれば、翌日頭がすっきりし、記憶力も向上するという研究結果も報告されている。

 この研究は『Royal Society Open Science』(2023年9月27日付)に掲載された。

References:Maths is better learnt before bed / written by hiroching / edited by / parumo

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