中東の伝統的市場を再現。大阪万博に出展予定のサウジアラビアのパビリオン
image credit:fosterandpartners/Instagram

 イギリスの建築スタジオ、フォスター+パートナーズは、2025年に開催予定となっている大阪万博での「サウジアラビア館」のデザインと概要を公開した。

 このパビリオンは、中東の伝統的な市場「スーク」を再現しており、来場者にサウジアラビアを探索するような空間体験を提供してくれる。
 

サウジアラビアが大阪万博のパビリオンの概要を発表 2025年、大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲で開催される大阪万博には、世界160か国の各国が参加する予定となっている。

 参加国の1国である中東サウジアラビアが、展示するパビリオンのデザインとコンセプトを一般公開した。

 『商人の街』大阪と自国の「市場(スーク)」に共通点を見出し、細い路地を歩きながら商店に見立てたコーナーでは、サウジアラビアの料理や伝統的な文化を体験することができる。

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 また、パビリオンの窓や出入り口、その他のスペースには59プロダクションズとSquint/Operaと共同でデザインした没入型インスタレーションが設置され、来場者とサウジアラビアの知られざる驚異を結びつける。

 この建築デザインを受け持ったイギリスの建築スタジオ、フォスター+パートナーズの責任者ルーク・フォックス氏はこのように述べている。
このパビリオンは、来場者を発見と偶然の出会いの旅へと誘い、より一層サウジアラビアの文化を鮮やかに描き出します。

私たちのデザインは、サウジアラビアの最も革新的でエキサイティングな業績を紹介しながら、スケール、光、音、質感で遊び、五感を刺激します。
伝統的な村の建築様式と数値流体力学を取り入れた設計 サウジアラビア・パビリオンのデザインは、同国の伝統的な建築様式を取り入れたものだ。

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 フォスター+パートナーズは、数値流体力学シミュレーションを用いて、夏の盛りに西からの涼しい風が通りに入るように注意深く設計したという。

 4月と10月の涼しい時期には、造園された前庭が障壁となり厳しい北風からパビリオンを守る仕組みになっている。

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 パビリオンの中は角張ったボリュームに分割されていて、サウジアラビア原産の植物が植えられた前庭が特徴的だ。

 この前庭は訪問者のための入口でもあり、曲がりくねった細い道とパビリオンの中心にある中庭に通じている。


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この中庭は、日中は静かな内省のひとときを提供し、夜間はパフォーマンスやイベントの会場に変わります。(フォスター+パートナーズ)。
 このパビリオンは低炭素素材を使用し、省エネ照明器具を備え、雨水のリサイクルを採用し、太陽光発電技術を組み込んでいる。

 さらに、構造体の被覆は軽量なサウジアラビアの石材でできていて、効率的に解体・再組み立て、あるいは完全に再構成して、将来の場所でのさまざまな要件に対応できるように設計されている。

 この固有の柔軟性によりパビリオンの寿命が大幅に延びて、持続可能な信頼性が高まることが期待されている。[画像を見る]  前回の国際博覧会は、コロナウィルスの大流行により2021年に開催された2020年ドバイ万博だった。

 博覧会国際事務局(BIE)が主導する2025年大阪万博は、2025年4月13日から6か月間開催されるということだ。

References:first look at saudi arabia's expo 2025 osaka pavilion designed by foster + partners/ written by Scarlet / edited by parumo

追記(2023/11/27)本文の誤字を訂正して再送します。

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