世界中には100万個以上の地雷が埋まっている。現実世界をシミュレートした「マインスイーパー」
 1990年代、シンプルでありながら奥深い「マインスイーパー」というゲームにハマった人もいるだろう。もしもそのゲームを、現実の地雷撤去に役立てることができるとしたらどうだろう?

 ベルギーのクリエイティブ・エージェンシー「Mutant(ミュータント)」は、現実の地雷問題の解決や地雷被害者の支援に目を向けてもらうため、ノーベル平和賞を受賞したNGO「Handicap International(ハンディキャップ・インターナショナル)」とコラボし、このレトロなゲームを復活させることにした。


 そして誕生したマインスイーパー風ゲーム「Real Minesweeper(リアル・マインスイーパー)」は、プレイしながら、オリジナルと同じく世界の地雷問題について知ることができる啓発・募金キャンペーンだ。

[動画を見る]

Handicap International - Real Minesweeper (ENG)何百万人もの人々が地雷と隣り合わせで暮らしている 世界には100万個以上の地雷が埋められている。

 世界中60カ国では、何百万人もの人々がうっかり地雷を踏んでしまう危険と隣り合わせで生活しているのだ。

 地雷問題の啓発・募金キャンペーンとして開発された「リアル・マインスイーパー」は、こうした人々の窮状を悟らせてくれるゲームだ。

 もちろんそのベースとなっているのは、1980年代に開発され中毒者が続出した名作レトロゲーム「マインスイーパー」だ。

 リアル・マインスイーパーのゲームプレイは、オリジナルに忠実となっている。ただし、世界が直面している地雷の危険性について伝えるため、現実の地図と地雷データが使われている。

[画像を見る]

 プレイヤーは、格子状に並べられたタイルをクリックし、そこに書かれている数字を手がかりに「地雷」の位置を予測する。地雷を爆発させずにすべてのタイルを開くことができればクリアだ。

 そうしたプレイを通じて、ウクライナ・イラク・ラオスで地雷と一緒に暮らす人々が直面している困難な現実を、少しは実感できるようになるはずだ。

 またプレイ中には、地雷の被害者や、危険地域の地雷撤去に取り組む270人の「マインスイーパー」の勇気ある物語が紹介される。

 それに触れることで、プレイヤーは状況の深刻さと支援の重要性について理解を深めることができる。


[画像を見る]

募金は地雷撤去のサポートに使用 リアル・マインスイーパーは以下のサイトからプレイすることができる。

Handicap international Minesweeper

[画像を見る]

 また、同サイトでは地雷問題の取り組みを支援する募金キャンペーンも行われている。

 このキャンペーンを通じて集められた募金は、いくつかの重要な分野に振り向けられる。

 例えば、危険地域の地雷撤去、事故防止のために地雷の危険性を伝える啓蒙活動、地雷被害者のための装具支援・リハビリ・心理的サポートの提供といったものだ。

 ミュータント社のクリエイティブ・ディレクター、ジョナサン・ドゥルトルモン氏は、「何十年も前の問題に思われがちですが、地雷はかつてないほど存在します」と、The Stableで語る。

 噂によるとマインスイーパーが開発された理由は、 当時まだ珍しかったマウスに慣れてもらうためだったそう(関連記事)。

 そんな懐かしのレトロゲームが、現実の地雷問題の解決に役立てられことになるとは、開発者も想像しなかったはずだ。

References:Mutant & Handicap International recreate Minesweeper to solve the world’s landmine problem – The Stable / written by hiroching / edited by / parumo

画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
編集部おすすめ