虐待され声が出せなくなった犬が、人間との信頼関係を取り戻しトラウマを克服するまでの物語
image credit:juicemorph/TikTok

 ペットにとって、一番近い存在の飼い主に虐待されることほど辛いことはない。犬のスクービーは、飼い主から愛情を注がれることなく、闘犬組織に搾取され虐待されてきた。


 恐怖から声を出すことができなくなったスクービーは、人間を見ると怯えて体を震わせていた。

 トラウマを背負ったスクービーを見た男性は、犬が第2のチャンスをつかみ幸せに生きることができるよう、根気よく心をときほぐす決心をした。

 その結果、スクービーは閉じこもっていた殻から抜け出すことに成功した。長い時間がかかったが、そのすべてに価値があるほど、スクービーは男性の愛情と忍耐によって変わることができたのだ。

心に深い傷を負った保護犬スクービー 闘犬組織によって搾取され、虐待されるために飼育されていたスクービーが保護されたのは、2015年のことだった。

 元飼い主は逮捕されたが、スクービーの心は深い傷を負った。

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 生い立ちのトラウマは大きく、スクービーは子犬のころからずっと恐怖に晒された結果、声を奪われてしまっていた。

 鳴き声をあげることもできないスクービーは、体を震わせることで計り知れない恐怖を表現していた。

 そんなスクービーが救助・保護され、1人の男性と出会った。忍耐と時間をかけてスクービーに接したクリスさん スクービーを引き取り飼い主となったクリスさんは、これから始まるであろう長い試練に向き合っていく覚悟を決めた。
当初、スクービーは抜け殻のようになっていました。

室内犬としてのしつけもされていなかったし、傷つけられることへの恐怖で完全に自分の中に閉じこもっていました。


再び人間と信頼関係を取り戻すのは容易なことではありません。

もう誰も傷つけないよ。自分に自信をもっていいんだよ。とスクービーに教えるには、長く困難なプロセスが必要でした。


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 クリスさんは、スクービーがトラウマを克服してくれるまで、根気強く、粘り強く愛情を注いだ。彼が再び信頼を取り戻すことを決してあきらめなかった。

 その道のりは、信じられないほど長かったという。
スクービーは長い間沈黙していました。怯えたようにこちらを見るだけで鳴き声もなく、どんな声も口から出ることはありませんでした。

私の目標は、闘犬士がスクービーから取り除いたもの、つまり自信、幸福感、信頼、そして声を取り戻すことでした。


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再び人間を信頼し始めたスクービー クリスさんは愛情と献身でもって、スクービーに根気よく接し続けた。

 その努力の甲斐あって、スクービーは少しずつクリスさんに心を開くようになった。


 クリスさんは、スクービー専用のTikTokアカウント『juicemorph』を立ち上げてスクービーの成長を記録した。

 それを見ると、クリスさんがスクービーに幸せなセカンドチャンスを与えることに成功したのがわかる。

 スクービーは、愛によって変わることができたのだ。

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 スクービーに出会う前、クリスさんの人生は下向きだったそうだ。だが、この出会いがスクービーにとってだけでなくクリスさんにとっても大きな意味のあるものとなった。

 「互いが救われた」とクリスさんは言う。
当時の私は、生きていくのに何か目的が必要だと感じていました。

スクービーは、私が切実に必要としていた目的を与えてくれました。

だから、スクービーに諦めずに接していくことは自分自身への救いにもなったのです。私たちは互いに親友を見つけることができたのです。


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 スクービーとクリスさんは、言葉や声では語り尽くせないほど互いに学び合ってきた。

 トラウマという殻から抜け出し、再び自信を取り戻すことができるようになったスクービーの表情は、一気に明るくなったという。


 時には困難もあったが、クリスさんにとってスクービーの変化は、これまでかけた努力のすべてを価値あるものにしたようだ。

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荒れた背景を持つ犬は、子犬から育てるよりもずっと大変なことです。ですが、それを克服するのを見るのは、とてもやりがいがあります。

スクービーの物語が世界にやさしさと愛を貢献し、同じようなことをしたいと思う人たちの手本となればいいなと思います。
References:Man Teaches Traumatized Rescue Dog It's Finally OK To Use His Voice/ written by Scarlet / edited by parumo

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