シャチホコみたいやろ、でもヒツジなんだぜ。屋根の上に現れたビッグホーン(オオツノヒツジ)
 立派な角をお持ちでいらっしゃるこちらの方は、ビックホーンと呼ばれる羊の仲間、オオツノヒツジである。

 まるでシャチホコのように屋根を飾ってくれているようだが、本来こんなところに登る生き物ではない。

 クリスマスの奇跡、とでもいうのだろうか。アメリカ、コロラド州の民家の上から下々の者を見下ろしていたのである。
屋根の上から蹄の音?見上げるとそこにビックホーン
 コロラド州デンバー近郊で、ある家族の家に珍しい訪問者がやってきた。それは何と野生のビックホーン(オオツノヒツジ)である。

 ビッグホーンは、北アメリカ大陸に生息する野生の羊の一種で、その名のごとく角が特徴で、特にオスはクルンと巻いた太い角を持つ。角の長さは最大で1mを超えることもあるそうだ。

 屋根の上から蹄(ひづめ)のような音が聞こえたたため外に出て確認したところ、そこにビックホーンの姿が!

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 家族はすぐにコロラド州公園野生生物局(Colorado Parks and Wildlife)に通報した。

  ビッグホーンは主に北アメリカの山岳地帯の崖や草原で暮らしているため、民家の屋根の上にいるのは非常に珍しい。

 このビッグホーンがなぜ家の屋根に上がったのかは不明だが、州当局によると、オスのビッグホーンは繁殖時期に変わった行動を起こすことがあるというので、屋根の上からメスを探そうとしていたのかもしれない。

 日本では、城や神社、寺院などの屋根の上に伝説の生き物「鯱(しゃち)」を模した装飾物「シャチホコ」が飾られるが、ビッグホーンの角のくるりん具合がシャチホコを連想させるじゃないか。


ビッグホーン1日半滞在し、家を後にする
 結局このビッグホーンはゆっくりと屋根の上で数時間その見晴らしを楽しんだ後、自主的に屋根から家の2階のデッキに移動したそうだ。

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 当局はデッキの一部を取り除いて羊が下に降りやすいようにした。結局彼はそこから降りていったが、約1日半ほど家にいたという。

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 家の周辺にはトレイルカメラが設置され、羊の去り際を捉えた。当局によるとビッグホーンの健康状態は良好で、元気に野生に戻っていったという。


 家の屋根をビッグホーンが飾ることになるとは、この家族にとってはクリスマスの奇跡と言えるかもしれない。

 ビッグホーンは、アメリカの野生動物の中でも特に象徴的な存在で、その迫力ある外見が人気の動物だ。家族にとっても良い記念となっただろう。

written by parumo

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