
ビッグフットとは主に北米大陸の森林地帯に生息するとされる伝説のUMA(未確認生物)である。人間のように二足歩行で歩き、毛むくじゃらの姿をしており、目撃情報も相次いでいるが、科学的な証拠はほとんど存在しない。
高機能のスマホカメラができて何年もたつが、ビッグフットをとらえた決定的な映像や画像はいまだにない。にもかかわらずその目撃情報は相変わらず寄せられている。
ある研究者が、ビッグフット目撃情報に関する研究を行ったところ、ビッグフットの目撃情報が多発しているところは、アメリカグマの生息数が多いことがわかったという。つまりはそういうことだ。
ビッグフットの目撃頻度とアメリカグマの生息数に相関関係 アメリカ、ペンシルベニア州のFolk Zoology Societyの研究者、フロー・フォクソン氏は全米のビッグフットの目撃情報があった場所の追跡調査を行った。
その結果、目撃情報の数とその地に生息するアメリカグマの個体数の間に強い相関関係があることがわかった。クマ1000頭ごとに、ビックフットの目撃数がおよそ4%増えるのだという。
つまりビッグフットを見たと言っている人は、アメリカグマを目撃した可能性が高いのだ。
[画像を見る]
photo by iStockクマとビッグフットは似ている クマとビッグフットがどうして間違えられるのか、その理由は簡単にわかる。クマの体の色は、金色がかった茶色から、濃い赤、果ては黒まで多岐にわたっている。
クマは大型の生き物だし、後ろ足で立って周囲を見渡す習性がある。また、クマはビッグフットが好むと言われる森林地帯によくいる。
フォクソン氏はビッグフットの目撃報告を引用し、写真も入手したが、まるでクマそのものに見えるものもあるという。
もっともビッグフットは伝承のUMAであり、実際にどんな姿なのかは証明されていないのだから、クマと見間違えるのも当然のことだ。
太平洋岸北西部のデータを使用した以前の研究でも、クマの存在がビッグフットの目撃頻度と相関していることが示されていた。
[画像を見る]
photo by iStock様々なデータを入手して、目撃頻度とクマの生息数を徹底調査 フォクソン氏は、今度は米国のほかの場所やカナダまで含めたデータ分析を拡大することに決めた。
アメリカグマの個体数に関する査読済みの包括的なデータは、2006年ものがもっとも新しいため、分析はその年のデータを使って行われた。
それでも、多くの州を除外しなくてはならず、デラウェア、ハワイ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、カンサス、ネブラスカ、ノースダコタ、サウスダコタのクロクマの2006年の個体数はわからない。
ロードアイランド、テキサス、ウィスコンシン、ワイオミング、アルバータ、ニューファンドランド、ラブラドール、ノースウェスト、ノバスコシアでは、適切な個体数の統計は得られなかった。
従って、この研究は大平洋岸北西部のみの分析よりも多少は包括的とはいえ、やはりまだ偏りがある。
目撃情報のデータは、地理タグがついた目撃報告のデータベースを持つビッグフットフィールド研究者組織から入手した。
これら地域の人間の人口を把握するため、国勢調査のデータが使われ、森林面積の推定値はカナダと米国政府から手に入れた。
これらすべてをふたつの異なるモデルにつなげ、どちらのモデルでも、人間の人口が増えると単にチャンスが増えるため、目撃の確率も増えると予想された。
ビッグフットの目撃は森林地帯で発生する傾向があるため、大型霊長類がほかの地域で姿を隠すことができるとは考えにくい。
[画像を見る]
photo by iStock目撃頻度が高いほどクマが多く生息していた 検証に使ったふたつのモデルのおもな違いは、地元のアメリカグマの個体数がそこに含まれているか否かだ。
クマを変数としたモデルのほうが、データとの適合性がはるかに高く、ビッグフットと見間違えた要因のひとつであることを示している。
全体として森林地域と人間の人口を考慮に入れると、クマ5000頭に対してビッグフット1頭の目撃例であることがフォクソン氏の調査でわかった。
クマの個体数が1000頭増えると、目撃の確率は4%増加する。従って、ビッグフットが存在するなら、それはクマである可能性が高いという結論になる。
[画像を見る]
photo by iStockただしすべてがクマというわけではない だからといって、クマがすべての説明になるとは限らない。フォクソン氏はクマの繁殖数が確認されていない州でも、ビッグフットの目撃例はあることを指摘する。
人間の人口が増えれば目撃のチャンスが増えるだけでなく、クマ以外の何かをビッグフットに誤認する原因にもなりえるという。
また、この発見はクマの保護に役立つ可能性がある。
それはビッグフットの目撃頻度がクマの生息数の代用指標となり、個体数の変化を追跡するための独立した方法となりうるからだ。
この研究は『Journal of Zoology』(2024年1月13日付)に掲載された。
References:Bigfoot: If it's there, could it be a bear? - Foxon - Journal of Zoology - Wiley Online Library / Study finds bigfoot sightings correlate with black bear populations | Ars Technica / written by konohazuku / edited by / parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
高機能のスマホカメラができて何年もたつが、ビッグフットをとらえた決定的な映像や画像はいまだにない。にもかかわらずその目撃情報は相変わらず寄せられている。
ある研究者が、ビッグフット目撃情報に関する研究を行ったところ、ビッグフットの目撃情報が多発しているところは、アメリカグマの生息数が多いことがわかったという。つまりはそういうことだ。
ビッグフットの目撃頻度とアメリカグマの生息数に相関関係 アメリカ、ペンシルベニア州のFolk Zoology Societyの研究者、フロー・フォクソン氏は全米のビッグフットの目撃情報があった場所の追跡調査を行った。
その結果、目撃情報の数とその地に生息するアメリカグマの個体数の間に強い相関関係があることがわかった。クマ1000頭ごとに、ビックフットの目撃数がおよそ4%増えるのだという。
つまりビッグフットを見たと言っている人は、アメリカグマを目撃した可能性が高いのだ。
[画像を見る]
photo by iStockクマとビッグフットは似ている クマとビッグフットがどうして間違えられるのか、その理由は簡単にわかる。クマの体の色は、金色がかった茶色から、濃い赤、果ては黒まで多岐にわたっている。
クマは大型の生き物だし、後ろ足で立って周囲を見渡す習性がある。また、クマはビッグフットが好むと言われる森林地帯によくいる。
フォクソン氏はビッグフットの目撃報告を引用し、写真も入手したが、まるでクマそのものに見えるものもあるという。
もっともビッグフットは伝承のUMAであり、実際にどんな姿なのかは証明されていないのだから、クマと見間違えるのも当然のことだ。
太平洋岸北西部のデータを使用した以前の研究でも、クマの存在がビッグフットの目撃頻度と相関していることが示されていた。
[画像を見る]
photo by iStock様々なデータを入手して、目撃頻度とクマの生息数を徹底調査 フォクソン氏は、今度は米国のほかの場所やカナダまで含めたデータ分析を拡大することに決めた。
アメリカグマの個体数に関する査読済みの包括的なデータは、2006年ものがもっとも新しいため、分析はその年のデータを使って行われた。
それでも、多くの州を除外しなくてはならず、デラウェア、ハワイ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、カンサス、ネブラスカ、ノースダコタ、サウスダコタのクロクマの2006年の個体数はわからない。
ロードアイランド、テキサス、ウィスコンシン、ワイオミング、アルバータ、ニューファンドランド、ラブラドール、ノースウェスト、ノバスコシアでは、適切な個体数の統計は得られなかった。
従って、この研究は大平洋岸北西部のみの分析よりも多少は包括的とはいえ、やはりまだ偏りがある。
目撃情報のデータは、地理タグがついた目撃報告のデータベースを持つビッグフットフィールド研究者組織から入手した。
これら地域の人間の人口を把握するため、国勢調査のデータが使われ、森林面積の推定値はカナダと米国政府から手に入れた。
これらすべてをふたつの異なるモデルにつなげ、どちらのモデルでも、人間の人口が増えると単にチャンスが増えるため、目撃の確率も増えると予想された。
ビッグフットの目撃は森林地帯で発生する傾向があるため、大型霊長類がほかの地域で姿を隠すことができるとは考えにくい。
そのため、森林と目撃報告には相関関係があると予想された。
[画像を見る]
photo by iStock目撃頻度が高いほどクマが多く生息していた 検証に使ったふたつのモデルのおもな違いは、地元のアメリカグマの個体数がそこに含まれているか否かだ。
クマを変数としたモデルのほうが、データとの適合性がはるかに高く、ビッグフットと見間違えた要因のひとつであることを示している。
全体として森林地域と人間の人口を考慮に入れると、クマ5000頭に対してビッグフット1頭の目撃例であることがフォクソン氏の調査でわかった。
クマの個体数が1000頭増えると、目撃の確率は4%増加する。従って、ビッグフットが存在するなら、それはクマである可能性が高いという結論になる。
[画像を見る]
photo by iStockただしすべてがクマというわけではない だからといって、クマがすべての説明になるとは限らない。フォクソン氏はクマの繁殖数が確認されていない州でも、ビッグフットの目撃例はあることを指摘する。
人間の人口が増えれば目撃のチャンスが増えるだけでなく、クマ以外の何かをビッグフットに誤認する原因にもなりえるという。
また、この発見はクマの保護に役立つ可能性がある。
それはビッグフットの目撃頻度がクマの生息数の代用指標となり、個体数の変化を追跡するための独立した方法となりうるからだ。
この研究は『Journal of Zoology』(2024年1月13日付)に掲載された。
References:Bigfoot: If it's there, could it be a bear? - Foxon - Journal of Zoology - Wiley Online Library / Study finds bigfoot sightings correlate with black bear populations | Ars Technica / written by konohazuku / edited by / parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
編集部おすすめ