
この接近通過は2023年12月に続く2度目のもので、イオの地下に隠された激しい現象について理解する新たな手がかりをもたらしてくれると期待されている。
ジュノーとイオとの距離は1500km。これは過去22年において、人類の送り出した探査機がもっともイオに接近した瞬間だ。
多くの活火山を持つ木星衛星「イオ」 木星の第1衛星イオは、4つのガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)の中で最も内側を公転し、多くの活火山をもつ衛星として知られている。
片側に木星、もう片側にエウロパやガニメデがあるため、まるで綱引きでもするように、重力によって引っ張られたり、押されたりしている。
それによる摩擦はイオを加熱し、火山活動を活発化させているのだ。
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赤外線で示されたイオの活火山の位置/NASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM
イオは太陽系でも屈指の火山が活発な天体で、その表面には400ほどの活火山があり、急激な増光現象が確認されることもある。
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ジュノーが撮影した衛星イオ / image credit:NASA/Image processed by Kevin M. Gillイオの火山からガスが噴出される様子の撮影に成功 このほどジュノーが撮影したのは、そうした火山から宇宙へ向けてガスが噴出される様子だ。
NASAによると、イオは地球の月よりほんの少し大きい程度だが、その火山は地球のものよりはるかに大きく、数十km上空へ向けて煮えたぎる溶岩を噴出するという。
例えば、イオ最大の火山である「ロキ・パテラ」は、地球最大の活火山「マウナ・ロア山」の2倍ほどの大きさだ。
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イオの表面から宇宙へ向けて噴煙が上がっている/NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Andrea Luckイオの火山の謎の解明へ 2016年に木星軌道に到着したジュノーは、それ以来38日ごとに木星を1周しながら木星とその周辺を調査している。
当初の計画では2018年に運用終了となるはずだったが、ミッションは延長され、現時点では2025年9月まで木星系の探査を続ける予定となっている。
今回のような接近通過から得られるデータは、イオの火山活動を引き起こす原動力を解明する貴重な手掛かりになるだろう。
イオの激しい火山活動の原因については2説あり、地下でかき回されているマグマの海か、イオの高温の金属でできた核によるもの、どちらかだろうと考えられている。On Feb. 3, NASA’s #JunoMission made a second close flyby of Jupiter’s moon Io, at a distance of 930 miles (1,500 km). The twin flybys are designed to provide new insight into how Io’s volcanic engine works and whether a global magma ocean exists under Io’s rocky surface. pic.twitter.com/K2KVAwYczl
— NASA Solar System (@NASASolarSystem) February 4, 2024
どちらが真の原動力なのか? その答えは、ジュノーが集めたデータを分析すれば、今後数ヶ月で明らかになるだろうとのことだ。
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イオの生画像 / image credit:NASA / SwRI / MSSS
References:JUNO CAPTURES TWO ACTIVE VOLCANIC PLUMES ON JUPITER’S MOON IO - Mission Juno / Io eruption captured by Juno / / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2024年2月12日)年代の間違いを訂正して再送します。
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