レインボーカラーで世界最大のリス「インドオオリス」に魅力に迫るんじゃい!
 森の中を歩いていて、頭上の枝を色鮮やかなでかい何かが「ちょっと通りますよ」をしちゃったら、まずは鳥かなと思うだろう。

 けれども、そこがインドの森だった場合には、げっ歯類だったりする可能性があるのだ。尻尾の長さを含めると体長1mもある、ダークレインボーな毛皮を持つインドオオリスかもしれないのである。

 そんなのちょっと遭遇したいに決まってるじゃない?ということで、インドオオリスの魅力に迫ってみようじゃないの。

おサルさんサイズ。世界最大のリス「インドオオリス」 インドオオリス(Ratufa indica)、またの名をマラバルオオリスは、頭の天辺から尻尾の先までで1m近くある。尻尾を除いても約40cmだ。体重は2~3kgあるので、例えどんなに懐いても、「手乗り」にするのは難しそうだ。

 世界最大のリス種としてギネス世界記録にも認定されている。

 インド中央部及び南部の森林や林地に分布しており、果物、葉、樹皮、種子を食べ、時には鳥の卵や昆虫も食べる。[画像を見る]  比較のために、例えば、シマリスの体長は頭と胴で12~19cm、それに加えて尻尾が10cm前後だから、身体が3~4倍、尻尾にいたっては6倍の長さということになるのである。

 そんな大きさだから、リスと認識するのは少々難しい。実際にリスの専門家であるアリゾナ大学のジョン・コプロウスキ教授も、初めて見たときには、「リスというには大きすぎる、むしろサルのようだ」と思ったそうだ。

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Malabar giant squirrel in Kerala national forest eating a cookieダークレインボーのカラフルな毛皮 さて、サイズ感と並んで特徴的なのが、毛皮の色合いだ。哺乳類では一般的な黒、茶色、ベージュといった色合いの他に、赤や紫といった色まである。

 だが、鳥の場合と異なり、このカラフルな毛皮は見せびらかすためのものではない、とコプロウスキ教授はいう。

 「密集した樹木の下では、陰の中で、暗い色を寄せ集めたまだらの毛皮は、捕食者に発見されることを避けるために機能します」

 「それが、日光の下では『本来の色』を取り戻し、美しい毛皮を見せてくれるのです」林冠で単独で暮らしている インドオオリスの住みかは、インド東部または南部の森林の樹冠(葉と枝の集まった部分)の連なった林冠だ。

昼行性で林冠で縄張りを保ちながら単独生活している。

 木々の間を跳び歩いてエサを探し、地面にはほとんど降りない。

 枝の分かれ目を利用して、高い木の上に複数の大きな丸い巣を作る。巣は植物の茎を交差させて籠のようにし、葉で快適な寝床を作る。

 多くのリス種と異なり、インドオオリスは食料を樹上に貯蔵する。

 また、もっふもふの長い尻尾と、力強い前脚を持っていて、餌を採食する時には、枝に後足をかけ、尻尾でバランスをとってぶら下がる特徴的な姿勢をする。[画像を見る] 絶滅の危険性は? 現時点では、インドオオリスはIUCN(国際自然保護連合)レッドリストにおいては「低危険種」となっているが、森林伐採などで数が激減しており、保護の対象になっている

 「真の脅威は、生息地である森林が徐々に失われ、また弱まりつつあることです」とコプロウスキ教授。人間の移住と気候変動の影響だそうだ。

 だが、良いニュースもあるという。「インドオオリスは広く分布しており、また、人間の存在を許容することもできるようです。密度が高くないならば、人間の家があっても大丈夫なほどです」

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Indian giant squirrel | Malabar giant squirrel |(Ratufa indica)

 コプロウスキ教授によると、インドオオリスはとても古くから存在するリスのグループに属するそうだ。長いことかかって、独特の進化を遂げてきたのである。

 願わくは、今後も末長くインドの森に存在し続けてほしい。

 サルに果物を奪われそうになっても、動じないくらいの根性はあるから、大丈夫かな?人間が関与しない限りは。

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References: wild_life000 / Cheezburger / The IUCN Red List of Threatened Species など / written by K.Y.K. / edited by parumo

2018/08/06の記事を編集して再掲載してお届けします。

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