ニューヨークの医科大学に1500億円の寄付、学費無償化に学生歓喜
image credit:Albert Einstein College of Medicine/Facebook

 アメリカでは大学の授業料を支払うため学生ローンが広く利用されている。しかし高額な授業料のローン返済が滞って、負債を抱えた状態の社会人が急増していることが問題となっている。


 そんな中、ニューヨーク州にあるアルベルト・アインシュタイン医科大学の医学生たちにとって、将来を変える出来事が起こった。

 同校の理事長が、約1500億円という巨額の寄付をしたのだ。

 国内の医学部への寄付としては最大規模の寄付金額によって、授業料が無料になることを知った学生たちは、歓喜の声をあげた。

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Einstein Announces Free Tuition in Perpetuity for All Medical School Students医学大学理事長がアメリカ国内医学部史上最高額を寄付 2月26日、ニューヨークにあるアルベルト・アインシュタイン医科大学の同校学長は、講堂に集められた医学生たちに、アインシュタイン評議会議長兼モンテフィオーレ・ヘルス・システム理事長、ルース・L・ゴッテスマン博士(93歳)が10億ドル(約1500億円)の寄付をしたことを発表した。

 ゴッテスマン博士は、1968年にアインシュタインの小児評価・リハビリテーションセンター(CERC)に入社して以来、同大学と協力してきた。

 それ以来、彼女は他に類を見ない成人識字プログラムを開始し、コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジで修士号と博士号を取得するなど、そのキャリアにおいて高い評価を得ている。


 ゴッテスマン博士と彼女の亡き夫であるデイヴィッド・S・ゴッテスマン氏は、大学に関して長い慈善寄付の歴史を持っているという。[画像を見る]  今回の寄付金額は、アメリカ国内の医学部への寄付としては最大規模で、同校の学生が二度と授業料を支払う必要がなくなることを保証するものだ。[画像を見る] 朗報に医学生ら飛び上がって歓喜の声 同校学長の「今年8月からアルベルト・アインシュタイン医科大学は授業料が無料になります」という発表に、講堂内の学生たちは歓喜の声を上げて席から飛び跳ねた。[画像を見る]  拍手が鳴り響くなか、抱き合いながら涙を流す医学生の姿も見られた。

 同校の学長は、この歴史的かつ変革的な理事長からの寄付に深く感謝していると述べている。

 同校のFacebookのアカウントには、「これは非常に意義深いことだ」というコメントが寄せられたほか、発表直後にその場に居合わせたという人物が「あの部屋で感じた幸福感を瓶に詰め込めたらと思う。
本当に忘れられない日になった」とコメントした。

 アルベルト・アインシュタイン医科大学のマリリン・アンド・スタンリー・カッツ学部長のヤロン・トマー博士は次のような声明を出した。
この寄付は経済的に余裕のある学生だけでなく、自分たちの使命に献身的な学生を惹きつけ続ける能力を根本的に変革するものです。

この歴史的な贈り物が象徴する遺産を、私たちは毎年春に思い出すことでしょう。

また、ブロンクス全域そして世界中に、思いやりのあるケアを提供し地域社会を変革するための新たに多様な医師たちを送り出すたびに、この素晴らしい出来事を思い出すことでしょう。
 また、モンテフィオーレ・アインシュタインの社長兼CEO(最高経営責任者)であるフィリップ・O・オズア医学博士(Ph.D.)は、"歴史的かつ変革的な贈り物 "に深く感謝していると述べている。
[画像を見る]  毎年、学位を取得したアルベルト・アインシュタイン医科大学の学生は、優れた訓練を受けた科学者や思いやりのある知識豊富な医師として、ブロンクスだけでなく世界中の地域社会に病気を予防し、最高の医療を提供する新しい方法を見つける専門知識を持って巣立っていく。

 授業料免除が適用されるのは秋学期が始まってからだが、現4年生は全員、2024年春学期にすでに支払った授業料が払い戻されるということだ。

References:New York Medical School Surprises Students with Free Tuition in Perpetuity After $1Billion Gift–WATCH/ written by Scarlet / edited by parumo

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