
カナダ、バンクーバー島北部の入り江に座礁したシャチのメスが、懸命の救助活動もむなしく死亡したそうだ。
このメスは、島の北西海岸にあるゼバロス村から6kmほど離れた入り江に打ち上げられ、海に戻れなくなっていた。
母親が死亡した後も、その子は海へ戻ろうとせず、5日間にわたって入り江に留まり続け、片時も母親の元を離れようとしなかった。
地域の人々や救助隊は、せめて子供だけは助けようと、海に戻すための試みが行われている。
[動画を見る]
Killer whale calf stranded after mother dies母シャチが入り江で身動きが取れなくなり死亡 3月23日、バンクーバー島の北西海岸、ゼバロス村南にあるリトル・エスピノーサの水深の浅い水域入り江でシャチの母親が立ち往生し、身動きが取れなくなっていた。
母シャチは満潮時にアザラシを追いかけ、岸に近寄った時に側転し、砂浜に乗り上げてしまったと推測されている。
だが入り江の変化は、シャチの想像を超えていたのかもしれない。ここは潮の満ち引きの影響が強く、潮が引き始めるとその流れは非常に速いのだそうだ。
[画像を見る]
地元住人らは、なんとか海に戻してあげようと懸命な救助活動を行っていた。
シャチの救助活動に参加したイッハテサット・ファースト・ネーション(先住民族のコミュニティの1つ)のフローレンス・ブルース氏は、「シャチは最後のその時まで、必死にもがいていました」と語っている。
大勢の住人が駆けつけ、シャチにできるだけの水を与えながら、どうにか腹ばいにしようと奮闘したが、2時間後シャチは息を引き取った。
[画像を見る]
母親の死後もずっと入り江から離れない子シャチ 気の毒なのは母親を失ったシャチの子供だ。シャチの子は、母親が死んだ後も入り江から離れようとしなかった。
[画像を見る]
それどころか、入り江のさらに奥へと進んでしまったのだ。
現在、子シャチをどこかにいる仲間の群れの元へ戻すミッションが行われているが、状況は一刻を争うがすでに5日間が経過した。
潮のタイミングにより、子シャチが入り江から安全に出られるだけの水位が高くなるのは1日に30分しかないことも、救出を困難にしている。
救助隊はシャチの鳴き声で誘導したり、様々な方法を試して子シャチを海へ誘導しようとしたが、成功しなかった。
シャチの子は母親を亡くしたことで心に深い傷を負っていることも誘導が進まない要因の1つだという。
亡くなったシャチの母親は、T109A3と呼ばれる15歳の回遊型シャチで、2022年に子供を産んだことが確認されている個体だった。なので入り江から出ようとしない子シャチは2歳になる。
[動画を見る]
このミッションには、住民だけでなく、地域のファースト・ネーションの指導者や、水産省の海洋哺乳類救助職員などの専門家たちが集結している。
ヌチャトラット・ファースト・ネーションのジュデー・スミス氏は、「船を6隻出して、赤ちゃんを群れに戻そうとしています」と語る。
同じく救助ミッションに参加する非営利団体Bay Cetologyのジャレッド・タワーズ氏は、子シャチを入り江から脱出させようとしている。
「幸いなことに、子シャチは大きな声で鳴き続けています。満潮時に自力で泳ぎ出せれば……鳴き続けることで仲間を探し出し、そのまま受け入れてもらえるかもしれません」
追記:(2024/04/01)本文を一部訂正して再送します。
References:Beached orca in B.C. dies despite life-saving efforts | CBC News / Orca calf refuses to leave a lagoon where its mother stranded and died off Vancouver Island / written by hiroching / edited by / parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
このメスは、島の北西海岸にあるゼバロス村から6kmほど離れた入り江に打ち上げられ、海に戻れなくなっていた。
母親が死亡した後も、その子は海へ戻ろうとせず、5日間にわたって入り江に留まり続け、片時も母親の元を離れようとしなかった。
地域の人々や救助隊は、せめて子供だけは助けようと、海に戻すための試みが行われている。
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Killer whale calf stranded after mother dies母シャチが入り江で身動きが取れなくなり死亡 3月23日、バンクーバー島の北西海岸、ゼバロス村南にあるリトル・エスピノーサの水深の浅い水域入り江でシャチの母親が立ち往生し、身動きが取れなくなっていた。
母シャチは満潮時にアザラシを追いかけ、岸に近寄った時に側転し、砂浜に乗り上げてしまったと推測されている。
だが入り江の変化は、シャチの想像を超えていたのかもしれない。ここは潮の満ち引きの影響が強く、潮が引き始めるとその流れは非常に速いのだそうだ。
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地元住人らは、なんとか海に戻してあげようと懸命な救助活動を行っていた。
シャチの救助活動に参加したイッハテサット・ファースト・ネーション(先住民族のコミュニティの1つ)のフローレンス・ブルース氏は、「シャチは最後のその時まで、必死にもがいていました」と語っている。
大勢の住人が駆けつけ、シャチにできるだけの水を与えながら、どうにか腹ばいにしようと奮闘したが、2時間後シャチは息を引き取った。
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母親の死後もずっと入り江から離れない子シャチ 気の毒なのは母親を失ったシャチの子供だ。シャチの子は、母親が死んだ後も入り江から離れようとしなかった。
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それどころか、入り江のさらに奥へと進んでしまったのだ。
現在、子シャチをどこかにいる仲間の群れの元へ戻すミッションが行われているが、状況は一刻を争うがすでに5日間が経過した。
潮のタイミングにより、子シャチが入り江から安全に出られるだけの水位が高くなるのは1日に30分しかないことも、救出を困難にしている。
救助隊はシャチの鳴き声で誘導したり、様々な方法を試して子シャチを海へ誘導しようとしたが、成功しなかった。
シャチの子は母親を亡くしたことで心に深い傷を負っていることも誘導が進まない要因の1つだという。
亡くなったシャチの母親は、T109A3と呼ばれる15歳の回遊型シャチで、2022年に子供を産んだことが確認されている個体だった。なので入り江から出ようとしない子シャチは2歳になる。
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このミッションには、住民だけでなく、地域のファースト・ネーションの指導者や、水産省の海洋哺乳類救助職員などの専門家たちが集結している。
ヌチャトラット・ファースト・ネーションのジュデー・スミス氏は、「船を6隻出して、赤ちゃんを群れに戻そうとしています」と語る。
同じく救助ミッションに参加する非営利団体Bay Cetologyのジャレッド・タワーズ氏は、子シャチを入り江から脱出させようとしている。
「幸いなことに、子シャチは大きな声で鳴き続けています。満潮時に自力で泳ぎ出せれば……鳴き続けることで仲間を探し出し、そのまま受け入れてもらえるかもしれません」
追記:(2024/04/01)本文を一部訂正して再送します。
References:Beached orca in B.C. dies despite life-saving efforts | CBC News / Orca calf refuses to leave a lagoon where its mother stranded and died off Vancouver Island / written by hiroching / edited by / parumo
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