
image credit:@yeahfilms/threads
どうしても止まってくれないドライバーに効果てきめん。歩行者が横断歩道に設置された「レンガ」を持って振り回しながら歩くと、車は停止してくれたという。
「もし停止しないとこれで車を傷つけるぞ」と無言の圧力をドライバーに与える斬新な試みだが、実はこれ、歩行者を平気で無視するドライバーが多いカナダ、バンクーバーの安全推進団体が、エイプリルフールのジョークのつもりで試したものだという。
仕様されているレンガは本物ではなく発泡スチロール製だが、それでも実際に効果があったというのだから驚きだ。
偽のレンガを横断歩道に設置し、ネタ動画を作成 先月末、道路を横断する歩行者がドライバーにスルーされがちなバンクーバー市で、歩行者のための新たな取り組みを思わせるネタ動画が賛否両論の反響を巻き起こした。
それが、バンクーバーの歩行者安全推進団体が披露した「歩行者レンガ横断システム」だ。
その団体、ビジョンゼロ・バンクーバー(VisionZeroVancouver)チームが設置したシステムは、歩行者が手にレンガそっくりな発泡スチロールを持って道路を横断することで、「止まらなきゃこれで車を傷つけるぞ」的なジェスチャーでドライバーの注意を引くというもの。
つまり見かけ上の「脅威」を利用して歩行者の安全を確保する、という独特な戦略を用いた対策だ。
ジョークみたいな話だが、そもそも実際エイプリルフールに合わせたネタだったのだ。
[画像を見る]
image credit:VisionZeroYVR/X
ネタのつもりが実際に効果があった ところが、3月末にジョークのつもりで一部の横断歩道に設置して様子を見ていると、思いがけなく効果が見られた。
そこでみんなに真面目に考えてもらえるような動画にしてシェアすることにしたという。
交差点を渡る歩行者は、そばにある偽のレンガを手に取って合図することで、ドライバーの注意を引きつけ一時停止させて渡り切る。
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image credit:@yeahfilms/threads
そのためのレンガは、横断歩道のすぐそばに設置した箱に入っている。隣にはその説明として「BE SEEN GRAB A BRICK 1. GRAB 2. LOOK 3. WAVE 4. CROSS」と書かれた看板がある。
歩行者はドライバーからの視認性を高めるためにレンガをつかみ、左右を確認したのちにレンガで合図しながら横断しよう、というとこだろうか。
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image credit:@yeahfilms/threads
またこの設備は、向い側にもあるので、レンガを持って渡り終えたら、その箱にレンガを返却する。自分の車を気にかけるドライバーも このシステムはジョークだが、チームによるとドライバーは本物のレンガより柔らかい人間そのものよりも、誰かが手にしたレンガを気にする傾向があるらしく、歩行者が普通に渡ろうとするより効果的だったという。
チームの一人は、その様子について「角がとがっているものを歩行者が持ちだすと、ドライバーがすぐ自分の車の塗装やフロントガラスを気にかけ始めたことに気づきました」とコメント。
いつもと違うドライバーの反応に、彼らも価値ある試みだと感じるようになったのだろう。
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image credit:VisionZeroYVR/X
「脅してるの?」「クールなアイデア」本気のコメントも この動画は話題となり、4月2日には Threads(スレッズ)ユーザーのミゲル・バルボサさんが「誰か知らないけどグランビルアイランドの橋の下の横断歩道にこれを設置した人は天才。バンクーバーのドライバーはみんな冷たいから」という、冗談とも本気ともつかないメッセージを添え投稿。[画像を見る] その動画には多くのコメントが寄せられた。中にはネタと思わず本気でコメントする人もいた。
たとえば弁護士のキーラ・リー氏は、このプロジェクトを「災害」と評し、歩行者の行動は犯罪行為を助長するものだ、と述べている。
リー氏の主張はこのようなものだ。
そもそもなぜドライバーは何もせずに運転するのが許され、歩行者側だけが旗を振らねばならないのか。ドライバーが道を譲るのが筋ではないか、ということらしい。
チームの一人、ルーシー・マローニー氏は、この件について「純粋に、交通安全の責任を歩行者に負わせるような自動車中心の文化をからかうことを目的にしていた」とし「脅迫を奨励する意図はなく、断じて暴力を容認したりはしない」とコメントしている。なおこのレンガや看板のセットも今は撤去済みだそう。
とまあいろいろな声が上がったそうだが、問題定義としては相当の効果があったようだね。
References:dailyhive / boingboing / cbcなど /written by D/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
どうしても止まってくれないドライバーに効果てきめん。歩行者が横断歩道に設置された「レンガ」を持って振り回しながら歩くと、車は停止してくれたという。
「もし停止しないとこれで車を傷つけるぞ」と無言の圧力をドライバーに与える斬新な試みだが、実はこれ、歩行者を平気で無視するドライバーが多いカナダ、バンクーバーの安全推進団体が、エイプリルフールのジョークのつもりで試したものだという。
仕様されているレンガは本物ではなく発泡スチロール製だが、それでも実際に効果があったというのだから驚きだ。
偽のレンガを横断歩道に設置し、ネタ動画を作成 先月末、道路を横断する歩行者がドライバーにスルーされがちなバンクーバー市で、歩行者のための新たな取り組みを思わせるネタ動画が賛否両論の反響を巻き起こした。
それが、バンクーバーの歩行者安全推進団体が披露した「歩行者レンガ横断システム」だ。
その団体、ビジョンゼロ・バンクーバー(VisionZeroVancouver)チームが設置したシステムは、歩行者が手にレンガそっくりな発泡スチロールを持って道路を横断することで、「止まらなきゃこれで車を傷つけるぞ」的なジェスチャーでドライバーの注意を引くというもの。
つまり見かけ上の「脅威」を利用して歩行者の安全を確保する、という独特な戦略を用いた対策だ。
ジョークみたいな話だが、そもそも実際エイプリルフールに合わせたネタだったのだ。
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image credit:VisionZeroYVR/X
ネタのつもりが実際に効果があった ところが、3月末にジョークのつもりで一部の横断歩道に設置して様子を見ていると、思いがけなく効果が見られた。
そこでみんなに真面目に考えてもらえるような動画にしてシェアすることにしたという。
チームが披露した「レンガ横断システム」の仕組み その仕組みはカナダにもある横断用の旗とほぼ同じだ。Be seen, grab a brick!
— VisionZeroVancouver (@VisionZeroYVR) March 31, 2024
1. GRAB
2. LOOK
3. WAVE
4. CROSS pic.twitter.com/EEWJvNrUui
交差点を渡る歩行者は、そばにある偽のレンガを手に取って合図することで、ドライバーの注意を引きつけ一時停止させて渡り切る。
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image credit:@yeahfilms/threads
そのためのレンガは、横断歩道のすぐそばに設置した箱に入っている。隣にはその説明として「BE SEEN GRAB A BRICK 1. GRAB 2. LOOK 3. WAVE 4. CROSS」と書かれた看板がある。
歩行者はドライバーからの視認性を高めるためにレンガをつかみ、左右を確認したのちにレンガで合図しながら横断しよう、というとこだろうか。
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またこの設備は、向い側にもあるので、レンガを持って渡り終えたら、その箱にレンガを返却する。自分の車を気にかけるドライバーも このシステムはジョークだが、チームによるとドライバーは本物のレンガより柔らかい人間そのものよりも、誰かが手にしたレンガを気にする傾向があるらしく、歩行者が普通に渡ろうとするより効果的だったという。
チームの一人は、その様子について「角がとがっているものを歩行者が持ちだすと、ドライバーがすぐ自分の車の塗装やフロントガラスを気にかけ始めたことに気づきました」とコメント。
いつもと違うドライバーの反応に、彼らも価値ある試みだと感じるようになったのだろう。
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image credit:VisionZeroYVR/X
「脅してるの?」「クールなアイデア」本気のコメントも この動画は話題となり、4月2日には Threads(スレッズ)ユーザーのミゲル・バルボサさんが「誰か知らないけどグランビルアイランドの橋の下の横断歩道にこれを設置した人は天才。バンクーバーのドライバーはみんな冷たいから」という、冗談とも本気ともつかないメッセージを添え投稿。[画像を見る] その動画には多くのコメントが寄せられた。中にはネタと思わず本気でコメントする人もいた。
・レンガをつかみ上げてからやっとドライバーが気づいてくれた暴力行為を助長させると批判の声も 一方でこのシステムを真剣に批判する意見も寄せられた。
・役に立ってる?ドライバーの対応はそんなに変わってない気がするけど
・車止めないとレンガぶつけるって脅してるの!?
・冗談じゃないよ!
・クールなアイデアだな
・思慮深くて愉快ないたずらだね。歩行者が日常的に車から受ける暴力性をちょっとしたもので逆転させて、そこで引き起こされるショックを指摘してるんだろう
・運転免許持ってない歩行者の身としてはこれを指示するよ
たとえば弁護士のキーラ・リー氏は、このプロジェクトを「災害」と評し、歩行者の行動は犯罪行為を助長するものだ、と述べている。
リー氏の主張はこのようなものだ。
レンガを見せながら道路を横断する歩行者の行為は、確かに車への損傷を恐れたドライバーの車を停止させる効果があるかもしれない。しかしもし、ドライバーがそのレンガを本当に投げつけられると思い込んだ場合は、脅迫となり犯罪行為にあたるさらにリー氏は、この試み自体が歩行者を危険にさらす可能性も指摘。レンガを本物だと思ったドライバーが急いで逃げようとして歩行者を轢いてしまう危険性もあると主張した。歩行者を気にしないドライバー。旗を振ることは屈辱的
ドライバーが歩行者に譲らないのは、歩行者が見えないからではなく、気にしていないからですと主張するビジョンゼロ・バンクーバーチーム。この動画には、旗とどう違うのか?という声もあったが、チームは人々にとって旗を振ることは屈辱的なものだと指摘している。
そもそもなぜドライバーは何もせずに運転するのが許され、歩行者側だけが旗を振らねばならないのか。ドライバーが道を譲るのが筋ではないか、ということらしい。
チームの一人、ルーシー・マローニー氏は、この件について「純粋に、交通安全の責任を歩行者に負わせるような自動車中心の文化をからかうことを目的にしていた」とし「脅迫を奨励する意図はなく、断じて暴力を容認したりはしない」とコメントしている。なおこのレンガや看板のセットも今は撤去済みだそう。
とまあいろいろな声が上がったそうだが、問題定義としては相当の効果があったようだね。
References:dailyhive / boingboing / cbcなど /written by D/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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