
中国を代表する動物と言えば、ジャイアントパンダを思い浮かべる人が多いと思う。
日本での人気は言わずもがなだが、もちろん彼らの故郷中国での大人気……とはいえ、中国大陸どこででも見られる生き物ではない。
そこで江蘇省にある泰州動物園では、日本のGWに重なる今月1~5日の労働節(メーデー)の休日に合わせ、なんとチャウチャウ犬に白黒のペイントを施して「パンダ犬」として展示。
現地を訪れた人はもとより、SNSなどで映像を見た多くの人たちの怒りと困惑を招いている。
連休の目玉?チャウチャウ犬を白黒に塗った「パンダ犬」
まずはXに投稿された、以下の映像を見てもらおう。
トコトコと歩き回ったりじゃれ合ったりしている様子は確かに可愛い。可愛いけど、これは絶対にパンダじゃない。
一瞬「あら可愛い」と思ってしまうこの生き物、実はチャウチャウ犬にペイントを施して「パンダ犬」にしたものである。
本来のチャウチャウ犬はこんな感じ。今回のパンダ犬は、このチャウチャウ犬の魅力であるモコモコの毛を短く刈り込み、染料で黒と白に染めたものらしい。
現地のメディアによると、このパンダ犬は連休のお客さんを呼び込むために用意されたものだという。
一応「パンダではない」と明記されているものの……
チラシには確かに「熊猫犬(パンダ犬)」と書かれていて、ジャイアントパンダであるとは書かれていないが、そもそもパンダ犬などという生き物は存在しない。
その横には人魚もいるみたいだが、人魚だって存在しないよね。つまり人魚と同じエンタメ枠で用意されたものらしい……?
抗議が殺到したせいか、柵には「パンダ犬」についての説明が。
「パンダ犬」は実際の犬種ではありません。パンダに見えるように毛を整えられたり、パンダに似た毛並みを持って生まれたりした愛玩犬です。
このような犬種はジャイアント・パンダの顔の特徴に似ており、白い毛の上に、目の縁と耳の周りに黒いマーキングがあることが多くなっています
動物園側の言い分はこうだ。
私たちの動物園の規模は大きくないので、本物のパンダを展示することができません。こうやってパンダ犬を展示することでお客さんにもっと楽しんでもらい、来場者を増やすことができると思いました
人間だって髪の毛を染めるでしょう? 犬だって同じように染められますし、毛が長ければ天然の染料を使うこともできます。犬の健康に害はありません
単純に「可愛い」という声も
このパンダ犬を見た来場者や視聴者の意見は分かれた。「可愛い」という声もある一方で、やはり怒りや抗議、そして皮肉を表すコメントも寄せられている。
・可愛いじゃん
・さすが中国、コピー大国!
・犬の世話も仕事のうちなんだな
・害はなくても、アレルギーを引き起こす可能性は?
・犬に塗装するなんて、やっぱりこれは虐待だと思う
・この染料が犬に害を与えないのであれば、私は可愛くていいと思うけど
・もともと中国では犬を食べてきた。最近は西洋のように、犬を相棒だと思う人も増えた。フレブルやラブが人気だったけど、最新のトレンドはパンダ犬だね
パンダ犬の展示が功を奏したのか、連休の間この動物園の入場者はかなり増えたようだ。パンダ犬とわかって訪れた人も多かったが、困ったことに本物のパンダだと誤解したままの人も多いらしい。
展示は5日までとのことで、今ではもう見られないようだけれど、動物園側では今回の展示を全く問題視していないとのことなので、また同様の展示が行われる可能性が無きにしも非ずである。
日本での報道によると、このパンダ犬は販売業者から購入したもので、動物園でペイントしたわけではないようだ。
「ペット」として1匹約10万5,000円で購入することができるらしい。
上記の報道では、中国では「パンダ犬カフェ」なるものもあったらしいし、上海で女性が「パンダ犬の散歩をさせていた」という目撃情報もあるみたい。
もしかするとパンダ犬はペットの一種として、中国でこれから流行するのかもしれない……。
References:Watch: Outrage After China Zoo Paints Chow Chow Dogs To Look Like Pandas[https://www.ndtv.com/offbeat/watch-outrage-after-china-zoo-paints-chow-chow-dogs-to-look-like-pandas-5618273] / written by ruichan/ edited by parumo