
アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド(MARSOC)に、新たな入隊希望者がやってきた。それは背中にライフルを搭載した犬型ロボットだ。
MARSOCによれば、こうした「四足無人地上車両(Q-UGV)」をテストする試みは、偵察や監視など、さまざまな任務のうちの1つに過ぎないという。だが米軍が、犬型ロボットの兵器利用の可能性を考えていることだけは間違いない。
AI遠隔操作兵器で武装した犬型ロボット アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド(MARSOC)はアメリカ海兵隊におけるアメリカ特殊作戦軍の傘下の組織で、海兵隊の特殊作戦を統括している。
MARSOCは現在、武装した犬型ロボットを2台所有している。それらは、Ghost Robotics社製の新世代ロボット犬「Vision 60」に、Onyx Industries社のAI遠隔兵器システム「SENTRY」を搭載したもので、AIによって人間や車両、あるいはドローンといったターゲットを自動で検出・追跡する。
[画像を見る]
現時点でAIは検出したターゲットを人間のオペレーターに報告するだけで、発砲の判断はあくまで人間が行うとのことだ。
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こうした試験について、MARSOCは、ロボット犬の武装は今評価しているさまざまな用途のうちの1つでしかないと述べている。
MARSOCによれば、それは特定の関心を示すものとして解釈されるべきものではなく、また国防総省が定める自律兵器に関するあらゆる方針に沿って行われているという。
[動画を見る]
犬型ロボット「Vision 60」は様々な運用テストを行っている犬型ロボットの軍事利用への関心の高まり とはいえ、武装ロボット犬の試験は、四足歩行ロボットの軍事利用への関心が高まっていることを示しているだろう。
ウクライナなどでは無人のドローンによる空からの攻撃が大きな注目を集めているが、安価な四足歩行ロボットが登場したことで、地上での威力を試そうという動きが各地で見られる。
実際、今回のような米海兵隊の試みはこれが初めてではなく、過去にロケットランチャーを装備したロボット犬のテストも行われている。
また、2022年7月にはサブマシンガンを搭載したロボット犬の動画が話題となり、Boston Dynamics社をはじめとするロボット企業がロボットの武器化禁止を発表するなど、ちょっとした騒動になった。
さらに先月には、まるで地獄の番犬のような火炎放射器を背負ったロボット犬が一般販売されている。自律的なロボットを人間はどう管理・運用するべきなのか? こうした武装ロボット犬については、未来の戦争に使われる恐れがあるなど、さまざまな懸念が提起されている。
ロボットは今後ますます自律的になるだろうと予測されるため、たとえ企業や軍などがその安全性を保障していたとしても、そこに人間だどれだけ関与するべきかもっと議論するべきだろう。
こうした自律的なロボット技術は、人間の代わりに危険な環境で作業をこなすことで、人的な被害が出るリスクを下げてくれるメリットもある。
だが各方面から提起されているさまざまな懸念を無視していいということはなく、その安全な管理や運用について今後も議論を深めることが大切なのかもしれない。
References:Robot dogs armed with AI-aimed rifles undergo US Marines Special Ops evaluation | Ars Technica / Rifle-Armed Robot Dogs Now Being Tested By Marine Special Operators (Updated) / written by hiroching / edited by / parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
軍は現在この武装ロボット犬の性能を評価するべく、試験的な運用を行なっている。
MARSOCによれば、こうした「四足無人地上車両(Q-UGV)」をテストする試みは、偵察や監視など、さまざまな任務のうちの1つに過ぎないという。だが米軍が、犬型ロボットの兵器利用の可能性を考えていることだけは間違いない。
AI遠隔操作兵器で武装した犬型ロボット アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド(MARSOC)はアメリカ海兵隊におけるアメリカ特殊作戦軍の傘下の組織で、海兵隊の特殊作戦を統括している。
MARSOCは現在、武装した犬型ロボットを2台所有している。それらは、Ghost Robotics社製の新世代ロボット犬「Vision 60」に、Onyx Industries社のAI遠隔兵器システム「SENTRY」を搭載したもので、AIによって人間や車両、あるいはドローンといったターゲットを自動で検出・追跡する。
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現時点でAIは検出したターゲットを人間のオペレーターに報告するだけで、発砲の判断はあくまで人間が行うとのことだ。
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こうした試験について、MARSOCは、ロボット犬の武装は今評価しているさまざまな用途のうちの1つでしかないと述べている。
MARSOCによれば、それは特定の関心を示すものとして解釈されるべきものではなく、また国防総省が定める自律兵器に関するあらゆる方針に沿って行われているという。
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犬型ロボット「Vision 60」は様々な運用テストを行っている犬型ロボットの軍事利用への関心の高まり とはいえ、武装ロボット犬の試験は、四足歩行ロボットの軍事利用への関心が高まっていることを示しているだろう。
ウクライナなどでは無人のドローンによる空からの攻撃が大きな注目を集めているが、安価な四足歩行ロボットが登場したことで、地上での威力を試そうという動きが各地で見られる。
実際、今回のような米海兵隊の試みはこれが初めてではなく、過去にロケットランチャーを装備したロボット犬のテストも行われている。
また、2022年7月にはサブマシンガンを搭載したロボット犬の動画が話題となり、Boston Dynamics社をはじめとするロボット企業がロボットの武器化禁止を発表するなど、ちょっとした騒動になった。
さらに先月には、まるで地獄の番犬のような火炎放射器を背負ったロボット犬が一般販売されている。自律的なロボットを人間はどう管理・運用するべきなのか? こうした武装ロボット犬については、未来の戦争に使われる恐れがあるなど、さまざまな懸念が提起されている。
ロボットは今後ますます自律的になるだろうと予測されるため、たとえ企業や軍などがその安全性を保障していたとしても、そこに人間だどれだけ関与するべきかもっと議論するべきだろう。
こうした自律的なロボット技術は、人間の代わりに危険な環境で作業をこなすことで、人的な被害が出るリスクを下げてくれるメリットもある。
だが各方面から提起されているさまざまな懸念を無視していいということはなく、その安全な管理や運用について今後も議論を深めることが大切なのかもしれない。
References:Robot dogs armed with AI-aimed rifles undergo US Marines Special Ops evaluation | Ars Technica / Rifle-Armed Robot Dogs Now Being Tested By Marine Special Operators (Updated) / written by hiroching / edited by / parumo
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