
海外メディアによると、これらのロボット犬は、今年行われた中国とカンボジアとの軍事演習で披露されたもので、遠隔操作はもちろん、偵察や敵の特定および攻撃もできるという。
先端技術につきものの一面とはいえ、人間の友である犬似のロボットが、軍事活用される映像はSNSでも物議をかもし、これがロボット犬に期待されてた未来だったの?と動揺する声も上がっている。
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Robot Dog Highlighted at China-Cambodia Joint Military Exercise中国の軍事部門が武装したロボット犬を公開 中国の軍事部門が今月、カンボジアとの共同軍事演習の際に、ライフルを装備したロボット犬を披露した。
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これら四足歩行のロボット犬はリモコン操作が可能で、敵情を探る偵察や監視、戦闘への参加など、多様な用途に応じるよう設計されている。数タイプのロボット犬が演習に参加 メディアによると、今回演習に参加したロボット犬は数タイプあったとのことで、エリアや目的ごとにそれぞれ投入されたもよう。
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そのうちの1種は、重さおよそ15kgのモデル。4D超広角センシングシステムを搭載し、一度の充電で最大4時間稼働する。いわば偵察向けの小型タイプらしい。
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目的地を設定すれば、自動でルート調整しながら到着できるだけでなく、途中にあった障害物の情報を送信するなど、リアルタイムのデータ送信が可能と見られている。
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また今回銃を背負っていたロボット犬は重さ50kgの大型で、建物の内部にテロリストが潜伏中という想定の模擬訓練で95式自動小銃を背負い、攻撃の先頭に立ったという。
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人間の代わりになる新たな隊員 こうしたロボット犬について兵士はこのように語っている。
このロボット犬は、市街地の戦闘において、人間の隊員の代わりに偵察や敵を識別し、標的を攻撃します。新たな隊員の役割を果たせるんですただ現時点での利用は軍事演習のみらしく、建物内の探索や敵への攻撃に役立っているという。
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これまでの情報からすると、これらロボット犬はまだリモコン操作が基本のようだが、使い分けることでかなりの軍事行動を任せられるもよう。まあ実戦も当然視野に入れてるだろう。「まさか現実になるなんて」「犬が攻撃なんて怖い」の声 ショッキングな映像に騒然としたユーザーからはこんなコメントが寄せられた。
・まさか現実になるなんてね…国際的なルール作りが急務か というか以前から犬型ロボットの軍事利用の情報はちらほらあった。2021年にはフランス軍がボストンダイナミクスのスポットを演習に使用したというニュースもあったし、つい先日もアメリカの海兵隊の特殊部隊がライフルを搭載した犬型ロボットの試験運用を明かしている。
・ロボットだけで戦争するならまだ理解できるけど実際はそうじゃないよな
・保証やメンテナンスはどうなるんだ?
・ドラマの「ブラック・ミラー」がまさにこんな感じだった
・驚異的だね。でも使いかたは慎重にしないとならない
・次世代の戦争ってわけ?
・戦争のルールをもう一度定義し直す必要があるんじゃないか?
・ロボット犬が敵を攻撃するなんて怖いよ…
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image credit:clashreport/X
だが、前進後退はもちろん、ジャンプしたりしゃがんだりもするロボット犬が、銃を背にして兵士にぴたりと体を寄せ、お散歩のように歩く絵面にはなんとなくやるせないものを感じてしまう。
先端技術に積極的な中国では、ロボット犬とともにAI搭載ドローンの軍事利用も推し進められている。一方日本を含む多国間条約である、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)を結ぶ各国の間では、近年議論が活発化しているそうだ。Chinese PLA soldier walking with his armed robot dog. pic.twitter.com/KPsA2oL1eT
— Clash Report (@clashreport) May 23, 2024
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CCWでは、人命を奪う自律型軍事ロボットのような自律型致死兵器システム(LAWS)、つまり『人間の関与なしに自律的に攻撃目標を設定することができ、致死性を有する「完全自律型兵器」を指すと言われているもの』への定義も議論中とのこと。(引用元・参考リンク:外務省HPより 令和5年5月25日付 自律型致死兵器システム(LAWS)について)
いやほんと、こんな絵面を目の当たりにすると、国際的なルール作りがますますもって急務なんじゃないかって気がするよ。
References:boingboing / youtube / ndtv / X / globaltimesなど /written by D/ edited by parumo
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