
image credit:de.Wikipedia.org (CC BY-SA 4.0)
これは人類がマンモスの象牙を彫って作った最古の馬の彫像で、ドイツのフォーゲルヘルト洞窟で発見されたものだ。
4万3000年~3万5000年前の後期旧石器時代にフランス、ピレネー地方を中心とする地域でオーリニャック文化を築いた我々の祖先、初期のホモ・サピエンスの手によるものとされている。
この地域は、ネアンデルタール人がいた地域とかぶっているため、彼らが共存していた可能性は高いと考えられる。
洞窟で発見された象牙で作られた動物モチーフの装飾品 1931年、ドイツ南部ローン川の上流にあるフォーゲルヘルド洞窟で、複数の象牙の彫像が発見された。それらはライオン、マンモス、バイソン、そしてこの馬など、動物を模していた。
新石器時代や青銅器時代の道具やビーズのような装飾品も見つかったため、この洞窟には人類の先祖が住んでいたことがはっきりしている。
今回実施された洞窟調査は今世紀初の本格的なもので、その他にもたくさんのものが見つかった。
さまざまな大きさの加工石材21万7000個や、骨、鹿角、象牙から作られた道具1713個、狩りによって捕獲された動物の骨479キロ(焼かれた骨235kg)のほか、マンモスの象牙28kg、穴のあいたペンダントなどの装飾品326個が回収された。
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フォーゲルヘルト洞窟内部 / image credit:Thilo Parg / WIKI commons CC BY-SA 3.0精巧に彫って作られた象牙の動物像 馬の彫像はオスで、マンモスの象牙から彫られている。高さ約2.5cm、長さ4.8cmと小さいが、口、鼻孔、目、たてがみなどが細かく刻まれている。
残念ながら足がなくなってしまっているため、この馬が捕食者に立ち向かっているのか、メスにアピールしているのか、草を食んでいるのか、どのような場面を描いているかは不明だ。
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ほぼ無傷のマンモスの彫像 / image credit:Thilo Parg CC BY-SA 3.0.
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最も傷がすくなかったライオンの彫像 / image credit:Mogadir, CC 3.0. BY-SA
マンモスやライオンの体には交差する線が刻まれているが、毛の質感を出そうとしたとか、宗教的に重要な意味をもつ模様だという説もある。
こうした像のほかにもフルートのような形に彫られた小さな骨も見つかっている。フォーゲルヘルド洞窟は仕留めた動物の解体場でもあった フォーゲルヘルド洞窟は、古代アートの制作現場であっただけでなく、仕留めた動物を解体した場所でもあることがわかっている。
ここでもっとも多く見つかっているのはトナカイと馬の骨だ。
旧石器時代後期に属するオーリニャック文化を築いた人々は、刃物や尖端石器などの石器を作る能力に見られるように、狩猟採集に長けていたことでよく知られていた。
彼らは主にこれらの動物を狩って食し、おそらくは獲物に敬意を表するために像をこしらえたのではないかと思われる。
洞窟絵画や彫刻などが製作されたのはオーリニャック文化期からで、ドルドーニュ地方のラスコー洞窟に残る牛、馬、鹿の絵など、多彩な壁画が発見されている。
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バイソンの像 / image credit:Mogadir, CC 3.0. BY-SA
オーロックス(ヨーロッパ家畜牛の先祖)、アカシカ、イノシシ、バイソン、シャモア(羚羊)の骨もあったが、あまり数は多くない。
マンモスの象牙は自然死した個体から集めたもので、彼らが仕留めたものではないだろういわれている。
フォーゲルヘルト洞窟は、2007年に「シュヴァーベンジュラにある洞窟群と氷河期の芸術」という名称で世界遺産に登録されている。
References:Carved 40,000 Years Ago and Found in a Cave, These Are the Oldest-Known Animal Sculptures / written by konohazuku / edited by / parumo
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これは人類がマンモスの象牙を彫って作った最古の馬の彫像で、ドイツのフォーゲルヘルト洞窟で発見されたものだ。
4万3000年~3万5000年前の後期旧石器時代にフランス、ピレネー地方を中心とする地域でオーリニャック文化を築いた我々の祖先、初期のホモ・サピエンスの手によるものとされている。
この地域は、ネアンデルタール人がいた地域とかぶっているため、彼らが共存していた可能性は高いと考えられる。
洞窟で発見された象牙で作られた動物モチーフの装飾品 1931年、ドイツ南部ローン川の上流にあるフォーゲルヘルド洞窟で、複数の象牙の彫像が発見された。それらはライオン、マンモス、バイソン、そしてこの馬など、動物を模していた。
新石器時代や青銅器時代の道具やビーズのような装飾品も見つかったため、この洞窟には人類の先祖が住んでいたことがはっきりしている。
今回実施された洞窟調査は今世紀初の本格的なもので、その他にもたくさんのものが見つかった。
さまざまな大きさの加工石材21万7000個や、骨、鹿角、象牙から作られた道具1713個、狩りによって捕獲された動物の骨479キロ(焼かれた骨235kg)のほか、マンモスの象牙28kg、穴のあいたペンダントなどの装飾品326個が回収された。
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フォーゲルヘルト洞窟内部 / image credit:Thilo Parg / WIKI commons CC BY-SA 3.0精巧に彫って作られた象牙の動物像 馬の彫像はオスで、マンモスの象牙から彫られている。高さ約2.5cm、長さ4.8cmと小さいが、口、鼻孔、目、たてがみなどが細かく刻まれている。
残念ながら足がなくなってしまっているため、この馬が捕食者に立ち向かっているのか、メスにアピールしているのか、草を食んでいるのか、どのような場面を描いているかは不明だ。
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ほぼ無傷のマンモスの彫像 / image credit:Thilo Parg CC BY-SA 3.0.
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最も傷がすくなかったライオンの彫像 / image credit:Mogadir, CC 3.0. BY-SA
マンモスやライオンの体には交差する線が刻まれているが、毛の質感を出そうとしたとか、宗教的に重要な意味をもつ模様だという説もある。
こうした像のほかにもフルートのような形に彫られた小さな骨も見つかっている。フォーゲルヘルド洞窟は仕留めた動物の解体場でもあった フォーゲルヘルド洞窟は、古代アートの制作現場であっただけでなく、仕留めた動物を解体した場所でもあることがわかっている。
ここでもっとも多く見つかっているのはトナカイと馬の骨だ。
旧石器時代後期に属するオーリニャック文化を築いた人々は、刃物や尖端石器などの石器を作る能力に見られるように、狩猟採集に長けていたことでよく知られていた。
彼らは主にこれらの動物を狩って食し、おそらくは獲物に敬意を表するために像をこしらえたのではないかと思われる。
洞窟絵画や彫刻などが製作されたのはオーリニャック文化期からで、ドルドーニュ地方のラスコー洞窟に残る牛、馬、鹿の絵など、多彩な壁画が発見されている。
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バイソンの像 / image credit:Mogadir, CC 3.0. BY-SA
オーロックス(ヨーロッパ家畜牛の先祖)、アカシカ、イノシシ、バイソン、シャモア(羚羊)の骨もあったが、あまり数は多くない。
マンモスの象牙は自然死した個体から集めたもので、彼らが仕留めたものではないだろういわれている。
フォーゲルヘルト洞窟は、2007年に「シュヴァーベンジュラにある洞窟群と氷河期の芸術」という名称で世界遺産に登録されている。
References:Carved 40,000 Years Ago and Found in a Cave, These Are the Oldest-Known Animal Sculptures / written by konohazuku / edited by / parumo
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