SFじゃなくてホラーかな「星を見つめるもの」の名を持つ魚がシンガポールで激写されていた
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 先月18日のこと。シンガポールのビーチで奇怪なクリーチャーがカメラに収められていた。


 一見すると、浅瀬にお面だかマスクだかが転がっているようにも見えなくはない。これはいわゆる人面魚というやつなのか?

 いや、それにしてもディテールが不気味すぎやしないだろうか。さてその正体はというと、どうやらスターゲイザー(星を見つめるもの)の異名を持つ魚だったようなのだ。

うつろな目で天空を見つめる不気味な魚 この不気味な魚の動画を撮影したのは、シンガポール在住のデニス・チャンさんだ。

 波打ち際で彼が見つけたものは、砂の中から顔だけ出している、何とも言いようもないこの生き物。

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 どこを見ているのかわからない目。うすぼんやりと開かれた口。

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 焦点の合っていないように見える眼は、まっすぐ上、空を凝視しているようだ。
珍しい魅惑的な光景でした。この風変わりな魚は、頭だけを出して砂に埋もれ、星空を眺めながら無防備な獲物を待っているようでした
 チャンさんはこの魚を見つけたときの様子を、このように語っている。

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 チャンさんはシンガポールでエコツールズムを提供するThe Untamed Pathsという会社の創設者だ。この日チャンさんは潮間帯探検ツアーを率いていて、浅瀬でこの魚に出会ったのだ。
魚の正体は「星を見つめるもの(スターゲイザー)」 チャンさんによると、この魚は「ロングノーズ・スターゲイザー」といい、海底の砂の中から顔だけを出して獲物を狙っているのだそうだ。

 真っすぐ上を見つめる姿から、「スターゲイザー(星を見つめるもの)」というなんともロマンチックな名前がついたらしい。

 だがその顔つきは名前に似合わず、ご覧の通りの不気味ちゃん。そして胸びれの近くには、毒を持った棘があり、万一刺されるとかなり痛いそうなんだ。

 泳ぎ回るのは得意ではないが、獲物を見つけた時や砂に潜る時の動きは極めて素早い。胸びれがシャベルの役割を果たし、あっという間に砂に深く潜っていく。

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 チャンさんのこの投稿は大きな反響を呼び、たくさんのコメントが寄せられている。その一部を紹介してみよう。
・こいつを見るとシャベルかなんかでぶっ叩きたい衝動に駆られるんだが
・こんなのに出会ったら泣いちゃうよ
・この生き物に生まれて、顔を踏まれまくる一生を想像してみて
・落ち込んでる時の自分みたい。ただ答えを求めて天井を見つめている感じ
 名前だけはSF小説のタイトルみたいでクールなのに、その実態はホラーだったという、ギャップ萌えするにはちょっと残念な魚なんだ。日本にもいたスターゲイザー この魚、和名でいうとミシマオコゼ科の仲間ということになるらしい。メガネウオもこの仲間だね。
だが、こちらの名前の由来はちっともロマンチックでもクールでもない。

 かつて、今の静岡県の三島宿にいた飯盛り女「三島女郎」は醜いことで有名だった。その名を取って、「ミシマオコゼ」と呼ばれるようになったという説があるそうなんだ。

 ちなみにこの魚、その外見とは裏腹に、食べるとフグみたいでかなり美味しいらしい。旬は夏だそうなので、これからの季節、どこかで出会う機会があったらぜひ味わってみてはどうだろうか。[画像を見る] References:‘Terrifying’ staring fish shocks onlookers: ‘New fear unlocked’ / written by ruichan/ edited by parumo

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