10月はハロウィンシーズンだ。ハロウィンを象徴するものと言えば、カボチャやコウモリ、クモやガイコツ、魔女、そして黒猫だ。
そんな中、スペイン・カタルーニャのテラッサ市では、ハロウィン期間中、保護施設での黒猫の譲渡を禁止する措置をとった。
この期間、ハロウィーンの「飾り物」として、あるいは儀式に利用するためだけに、黒猫を欲しがる人が増えるためだという。
ハロウィン期間中、黒猫の譲渡を禁止する措置を発表
バルセロナの北に位置するテラッサ市は、2025年10月1日から11月10日までの間、市の家庭動物保護センター(CAAD)における黒猫の譲渡を一時的に停止した。
これは、ハロウィーンの時期に黒猫を使って行われる可能性のある、怪しげな儀式や虐待行為を防ぐための措置である。
この地域では、依然として黒猫に関する不吉な迷信が根強く残っているといい、今回の措置は弱い立場にある動物たちを守るためのものだ。
背景として、毎年この時期になると「黒猫」を指定する譲渡希望者が、不自然に増える傾向があるという。
動物福祉担当の市議会議員、ノエル・ドゥケ・アラルコン氏は、この措置の目的を次のように説明する。
の時期に黒猫を譲り受けたいという希望のすべてが純粋な目的とは限りません。
今回の措置は、黒猫たちを守り、危険にさらされることを防ぐためのものです。不吉な儀式や悪ふざけなど、不適切な目的での譲渡希望を抑止することが狙いです
原因は「ハロウィン限定の黒猫ブーム」
テラッサ市議会によると、今のところ市内では、ハロウィンに関係した黒猫への明確な虐待の報告はないという。
だが、ハロウィンとの因果関係は確認されていないものの、2023年のこの時期には、市内で複数の猫の死骸が見つかったそうだ。
この事態を重く受け止めた動物愛護団体からの警告を受け、今回の一時停止措置が決定された。
ハロウィンの時期について、複数の保護団体が共通して「この時期は黒猫が危険にさらされやすい」と警鐘を鳴らしている。
その理由として、黒猫は古くからオカルトや魔女伝説と結びつけられてきた背景があり、黒魔術の儀式などの目的で黒猫を求める人々が、今も一定数存在しているためだ。
黒猫にくわえ、白猫も譲渡禁止に
そこまで禍々しい目的でなくても、ハロウィンのアクセサリー感覚で黒猫を欲しがる人々は後を絶たないという。
そして、ハロウィンが終わると、安易に捨てられたり虐待されたりする事例が実際に確認されている。
また、黒魔術的な「儀式」に使われる猫は黒猫に限らず、全身が白い「白猫」が標的になることもあるという。
このため、保護団体は黒猫だけでなく白猫も保護の対象にすべきだと訴え、今回の譲渡一時停止措置には途中から白猫も含まれることになった。
本当に狙われているのか、ただの都市伝説なのか?
とはいえ、この処置に疑問を持つ声も多い。確かにこの時期、悪魔崇拝の儀式で動物の生贄が捧げられたという事例は報告されていたらしい。
しかし、その多くは家禽によるもので、猫が儀式の生贄にされたという事例は確認されていない。
このニュースが報じられると、インターネット上ではさまざまな意見が飛び交った。
- これは少し誇張されたニュースで、実際にはそこまで深刻ではないと思いたい。人間って本当に残酷な面があるよね。そんなことをする人がいるなんて、悲しくてやりきれない
- 残念だけど、誇張とは言い切れない。マラガの動物保護施設で働く友人がいて、そこでも同じ対応を取らざるを得なかったそうだ。人間の身勝手さには本当にがっかりする。
- 本当に猫を犠牲にするような人がいるの
- むしろ年々そうしたケースが増えていると聞く
- 黒猫を守るという措置は善意に見えるが、そもそも“黒猫は不吉”という偏見があるからこそ取られた措置であり、その偏見自体が問題だ
- 自分は黒猫を2匹飼ってるんだけど、この子たちが「儀式」なんかで虐待されることを想像するとゾッとする
- 黒猫ってそもそも譲渡されにくいんだよ。何週間も譲渡を止めたら、余計に状況が悪くなるんじゃない?
- 私の地域でも、「10月は黒猫を譲渡してもらえない」って話が昔から語られている。でも本当かどうか確かめたことはない
- 私は単にハロウィン好きの人が「黒猫って雰囲気あるじゃん」って盛り上がって、実際に飼ってみたら「思ったのと違う」って返すパターンだと思ってた
- アメリカでも両方聞いたよ。正直言って、猫を意図的に傷つける「モンスター」は存在する。そしてあなたが言う通り、ペットをアクセサリー感覚で迎えて、イベントが終わったら返す人もいる。どっちにしても悲しい話だ
スペインでは、ペットを捨てるケースは夏に多い傾向があるが、猫の場合は冬が全体の40%を占めている。特にクリスマスシーズンが終わった1月には、その数字が跳ね上がるのだそうだ。
頭を痛めた政府は2023年に動物福祉法を施行し、違反者には最高で5万ユーロ(約880万円)もの罰金が科されるようになったが、それでも悪意の遺棄は後を絶たない。
それならばその原因の一部となっているハロウィーン時期の譲渡を、予防措置として禁止しようという趣旨なのだろう。
市当局は、あくまでもこれは一時的は処置だとしながらも、来年のこの時期にも同様の禁止令を出す可能性は排除しなかった。
ちなみにカナダでは毎年7月1日の建国記念日に引っ越す人が多く、ペット不可の物件に移らざるを得なくなった人がペットを放棄したり、保護施設に預けるため、多くのペットたちが悲しい目にあっている。
References: No se dan en adopción gatos negros y blancos por temor a Halloween[https://www.lavanguardia.com/local/catalunya/20251021/11178415/dan-adopcion-gatos-negros-blancos-temor-halloween.html]











