原産国では人間の生活圏内に顔を出すこともしょっちゅうで、どこかに挟まったり、屋根に突き刺さっていたりと、度々やらかしがちなのがアライグマだ。
今回のアライさん事案はカナダで発生した。
おはようのご挨拶にしては上から目線すぎた。家族はすぐに野生動物管理局に連絡すると、救出作戦が行われる。
なんとハシゴとロープを使った方法で、この救出法が可能なのも、手先が器用なアライさんだからなのかもしれない。
玄関を出たら、上からアライグマがぶらさがっていた
カナダ、オンタリオ州に家を持つ住人は、ある朝、いつものように外出しようとしたところ、玄関ポーチの天井からぶら下がる”もふもふ”した物体に遭遇した。
そう、アライグマである。アライグマはアメリカ、カナダ、メキシコが原産で、いたるところに存在し、住宅地に出没することもめずらしくないが、この登場の仕方はドラマチックだ。
夜のうちに屋根裏に入り込んでいたアライグマは、外へ出ようとした際、天井に取り付けられていた照明器具を取り外し、その穴を通って出ようとした。
だが、ふっくらボディが災いして途中でつっかえ、抜けなくなってしまったのだ。
こうして、夜中に逆さまに宙吊り状態となったアライグマは、翌朝、住人に発見されることとなった。
ロープを渡すと自力で脱出
住人はすぐに野生動物の救出と保護を専門とする「フォレスト・シティ・ワイルドライフ・コントロール(Forest City Wildlife Control)[https://forestcitywildlife.com/]」に連絡。
現場に駆けつけたスタッフ、マックス・マクベティさんが状況を確認すると、アライグマは宙ぶらりんで、身動きのとれない状態だった。
「アライグマは狭い穴でも自分で通り抜けられるけど、今回は手足を引っかける場所がなく、完全にはさまっていました」とマクベティさんは話す。
そこで彼はアライグマの下にハシゴを設置し、ロープを手渡すことに。
するとアライグマは器用な手でそのロープをしっかりつかみ、自力で少しずつ体を引き抜き、最終的にはハシゴの上に着地。
その後地面に飛び降り、あっという間に森の中へと姿を消した。
ストレスなしで救出できたことにほっと胸を撫でおろす
通常、野生動物を救出する際には、グローブでつかんだり捕獲用の棒を使ったりと、どうしても直接的な接触が避けられない。それが動物にとっては強いストレスになる。
だが今回は、アライグマにとってもスタッフにとっても、理想的な展開だった。マクベティさんは「本当に幸運でした」とほっと胸をなでおろしたという。
なお、アライさんが侵入したとみられる屋根裏の隙間はすでにふさがれており、同じ事件が再び起こる心配はなさそうだ。
「アライグマに関しては毎日が違う出来事が起きていて飽きないけど、今回は特に印象的でした」と話すマクベティさん。
アライグマはしょっちゅうどこかに挟まってたり、なんならトラックまでヒッチハイクもするが、天井から逆さまでぶら下がっているのは、そうみられる光景ではないという。
それにしてもアライグマは器用だし賢いね。ロープとハシゴを上手に使って、自力で脱出することができるのも、アライさんならではと言えるだろう。











