アメリカのオクラホマ州に住むキンバリー・ディションさんが、ジムでトレーニングを終え帰ろうとしていた所、雨でずぶ濡れになりながら、ガラス越しに中を覗き込んでいる犬を見た。
その犬と目が合った瞬間、彼女はこの犬を置いて立ち去ることができなくなった。
怯え切った、それでいて助けを求めるような不安げな瞳。彼女は迷わず犬を抱き上げると、自宅に連れ帰ることに。
キンバリーさんとのこの出会いが、のちに「プルート」と名付けられる犬の新しい犬生の始まりとなった。
雨の中、ガラス戸からジムの中を覗き込んでいた犬
数か月前のある雨の日のこと。現役の米軍兵であるキンバリーさんは、通っていたジム「プラネット・フィットネス」でのトレーニングを終えて、家に帰るために外へ出ようとした。
その時、彼女の目に飛び込んで来たのは、ジムのドアの前にじっと座ったまま、悲しい目をしている1匹の犬の姿だった。
とても悲しそうで、お腹を空かせているように見えたんです。彼はひどく怯えていましたが、同時に助けを求めているようにも見えました。
私はこの子をジムのタオルでくるんで抱き上げ、自分の車に乗せて、家に連れ帰りました。彼はその数分後にはぐっすり眠っていました。
きっとひどく疲れていたのでしょう。緊張した状態から解き放たれたようで、安心して眠り込んだのだと思います
家に着くと、キンバリーさんは犬をお風呂に入れた。長い間、ろくに手入れもされていなかったようで、毛は絡まり、体はノミに覆われていた。
キンバリーさんは2時間かけて、根気よく毛に絡まった草の実やトゲををすべて取り除いた。きっと痛かったろうに、彼はその間、大人しく横たわっていたという。
犬に「プルート」と名付け、面倒を見ることに
翌日、キンバリーさんは彼を獣医に連れて行った。マイクロチップの有無を確認するためだったが、チップは埋め込まれていなかった。
彼女はその場でワクチン接種を頼み、フィラリアの検査(幸いにして陰性だった)を行い、ノミやダニの駆除薬を処方してもらった。
それからペットショップに買い物に行き、彼のためのグッズを購入。自分でお気に入りのオモチャも選んで、ご機嫌だったようだ。
「この子に名前をつけなきゃ」と思っていたら、職場の仲間が「プラネット(惑星)・フィットネスの外で見つけたんだから、「プルート(冥王星)」がいいんじゃない?」と言ってくれたので、その名前に決めました
プルートの年齢は2歳くらいだという。映像や写真を見る限り、犬種はアメリカン・コッカースパニエルに見えるがどうだろうか。
飼い主だと名乗り出た人物はいたものの…
実はキンバリーさんはプルートを保護した後、彼には飼い主がいるのでは?とSNSで呼びかけたり、地元の保護施設に連絡したりしていたそうだ。
するとSNSにプルートの写真を投稿したその日に、自分の犬だと名乗る女性がコメントを残してきたという。
直接DMが送られてきたわけではなかったので、キンバリーさんの方からメッセージを送ってみた。
だが返信はすぐには来ず、6日後になってようやく若いコッカースパニエルの写真が送られてきた。だが、女性本人とその犬の関係を示すものは何もなかった。
それでキンバリーさんがマイクロチップの有無を確認すると、「わからない、生後10週くらいから飼っていた」とだけ返事がきた。
それに対し、キンバリーさんは、犬の名前・飼い主の名前・獣医の名前、そしてたいていは犬の写真も載っている予防接種証明書など、飼い主であることを証明できるものを見せてほしいと頼んだ。
女性は「あとで写真を撮って送る」と返信してきたものの、その後連絡は途絶えたという。
心配になったキンバリーさんは、地元の保安官事務所に電話をかけて、どう対応したらよいかを尋ねた。
プルートに本当に飼い主がいるなら、彼女がこのまま飼い続けるわけにはいかなくなると思ったのだ。
だが、保安官事務所の担当者は、「自分の犬だ」と主張しておきながら、6日間も連絡してこなかった女性を怪しく思ったようだ。
この時点では、あなたが望むならその犬はあなたのものです。もし本当の飼い主が名乗り出てきた場合は、飼い主である証明をするだけでなく、犬の保護と世話にかかった費用をあなたに補償しなければなりません
担当者は明確にこのような回答をくれたといい、キンバリーさんも「私はきちんと、飼い主を探すために正しいことをしました」と語っている。
その後、プルートとキンバリーさんの間には、切っても切れない絆が生まれ、毎日充実した日々を送っているそうだ。
キンバリーさんが軍の任務で帰れないときは、プルートは情緒不安定になってしまい、家の中で暴れてしまうこともあったという。
でも今、プルートには可愛いパグのガールフレンドができて、お互いの家を行き来してデートを重ねているみたい。
プルートをセラピードッグに
ブルートといっしょに暮らすうちに、キンバリーさんは彼の落ち着いた仕草や人懐っこさ、穏やかな性格から、セラピードッグに向いているのではないかと考えるようになった。
私はこれまで何度か海外に派遣され、今も軍に在籍しています。PTSDを抱える友人もいます。
そこで私と同じ部隊の1人が派遣される時、試しにプルートを空港に連れて行って、彼の見送りに同行させて様子をみたんです。彼は本当にやさしく彼に愛情を捧げていました
キンバリーさんはプルートーにきちんとしたトレーニングを受けさせて、いずれはセラピードッグとし活躍してほしいと思っているそうだ。
私はずっと、動物には人を癒す力があると信じてきました。そしてプルートは、そのことを毎日証明してくれています。
今後はプルートを認定セラピードッグとして訓練し、心に傷を負っている人を励ましてほしいと考えています。プルートは人が大好きです。彼に使命を与えることは彼にとっての生きがいにもつながるとと感じます。
私の夢は、プルートを連れて旅に出ること、そしてプルートに愛と癒しの伝道師になってもらうことです
彼は驚くほど感受性が豊かで、彼を必要とする人に平和と友情をもたらす特別な才能を持っていると信じています











