アメリカの小学校で、校長先生が生徒のリュックを開けたところ、中から現れたのはなんと子猫。しかも2匹もいた。
7歳の生徒は、その日が「お気に入りのものを学校に持ってきて、お話をする日」だと思い込み、一番大好きな家の猫を連れてきてしまったという。
そのかわいらしい光景に学校中が沸き上がり、笑顔と癒しに包まれたが、これをきっかけに、生き物の扱い方を学ぶ良い機会にもなったという。
小学校2年生の教室でひと騒動
アメリカ・ミシガン州の小学校の2年生の教室で、ある日の朝、生徒の1人が「あの子のリュックの中に子猫がいるんだよ」と担任の先生につげた。
「まさかそんなことがあるわけない」と、先生は本気にしなかったが、別の子も「中に猫がいる」と言い出した。
クラスの生徒たちがざわめきだしたので、先生は、確認のためにそのリュックを持ってきた生徒を校長のサラ・ポルニッツさんのいる校長室に行かせることにした。
リュックの中には子猫が!しかも2匹!
生徒は校長室に行くと、リュックをポルニッツ校長に差し出した。
校長がゆっくりとファスナーを開けると、中にはふわふわの頭が見えた。さらに開くと、子猫が顔を出した。しかも2匹である!
経験豊富な校長は、これまで子どもたちと関わる中でほとんどのことを見てきており、あまり驚くことはないと思っていたが、さすがにこれはびっくりしたという。
「本当に驚いたけれど、同時にとても幸せな気持ちになった」と語った。
お気に入りを見せて話す日と勘違い
実はこの生徒、その日が「お気に入りのものを学校に持ってきてお話をする日」だと思っていたという。
アメリカなど英語圏の小学校では、この行事を「ショー・アンド・テル(Show and Tell)」と呼ぶ。
生徒が自宅から持ってきたお気に入りのもの、大切にしているものをクラスで紹介し、そのことについて発表する活動で、自己表現力やスピーチ力を育てる目的だ。
7歳のこの子にとって、子猫たちは一番大切な宝物だったのだ。その純粋な思いが、思わぬ形で学校中に笑顔をもたらした。
保護者が引き取りに来るまで校長室は猫カフェ状態に
保護者が子猫を引き取りに来るまでの間、職員たちは交代で子猫を抱っこしたり、遊んだりして過ごした。
中には「もっと抱っこしたかった」と言う職員もいたという。次々に職員が校長室を訪れ、食べ物や水、毛布を持ってきた。
「セラピーキャット」を導入してはどうかという声まで上がり、校長は「校長室が一時的に猫カフェになった」と笑った。
やがて母親が到着し、子猫と娘を連れ帰った。両親は、子どもが猫をこっそり持ち出していたとは夢にも思わなかったという。
生き物の扱いを学ぶきっかけに
ポルニッツ校長は後日、生徒たちに向けて、生き物を学校に連れてくる危険性や、動物の扱い方について話をした。
「猫を学校用のリュックで運ぶと苦しくなったり、怪我をしてしまう危険があります。猫に限らず生き物を直接リュックに入れてはいけません」と指導した。
一番大切なものであっても、生き物を学校に連れてきてはいけない理由もきちんと説明した。授業中面倒を見てあげることができなくなるからだ。
この出来事を記録した動画は、2025年10月28日にポルニッツ校長のInstagramのアカウントに投稿され、再生回数は120万回を超えた。
コメント欄には、「臨時のオフィス・アシスタントだね」、「リュックに“スクイッシュメロウ(Squishmallows)”って書いてあるけど、確かにこの子猫たちもふわふわだ!」などの声が寄せられた。
スクイッシュメロウとは、アメリカで人気のマシュマロのように柔らかい手触りのぬいぐるみブランドだ。
生徒の小さな勘違いから生まれたこの出来事は、驚きと癒し、そして生き物を扱う上での学びを得るきっかけになったようだ。











