階段ものぼれる、トヨタの歩く車椅子「walk me」が海外でも話題に
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 立ち上がりが独特すぎる。モデルはヤギ?カニ?それとも人間か?車椅子だと難しい段差に挑む「Walk Me(ウォークミー)」は驚くことに車輪ゼロ。

 代わりに生き物の四肢と融合した座面のごときのビジュアルだ。

 トヨタがジャパン・モビリティショー2025で披露した、ユニークな四足歩行モビリティがSNSで話題だ。

 Walk Me には、今までの車椅子の弱点を補うこだわりが随所にある。 この脚で階段を上ったり下りたりできるし、狭い廊下も軽やかに移動が可能だという。

 狭い日本の住宅事情や高齢化にもいずれ役立つ未来の乗り物。衝撃のトヨタ発コンセプトモビリティを海外の反応とともに見ていこう。

車椅子なのに車輪ゼロ。四足歩行の衝撃

 階段も段差ももうへっちゃら?トヨタが10月末にジャパン・モビリティショー2025にて公開した「Walk Me(ウォークミー)」は、歩行の不便を乗り越えるため四足歩行を味方につけた次世代モビリティだ。

 Walk Me の注目すべき特徴は、関節つきの4つの脚と独特な動き。とりわけぺたんと床に座り込んだ状態からキュルリと立ち上がるこの動作だ。

 この上に人を乗せてちょこまかと横歩きしたり、さっそうと階段をのぼった日には、従来の車椅子のイメージも一気に塗り替えられるだろう。

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コンセプトは「車いすのひとつ先へ」

 トヨタイムズ(2025年11月04日付)[https://toyotatimes.jp/series/series_mobilityforall/009.html]によると、Walk Me は、障害の有無や年齢に関係なく、みんなが一緒に楽しめる新シリーズ「me(ミー)」の3モデルの一つ。次のように説明されている。

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コンセプトは「車いすのひとつ先へ」。段差を気にせず、屋内から屋外までをシームレスに移動できる4足歩行モビリティだ。正座から立ち上がるような日本的な動作を取り入れたという。

(先進デザイン開発室より)

”車いすでは回転が難しいような、室内の狭い場所でも自由に動けます。段差をのぼれるので座ったまま階段で2階に行ったり、外のクルマにもそのまま乗り込める。まさにバリアをなくすモビリティです。

将来的にはジャンプしたり、声の指示で各モビリティと連携して好きな場所に自由に行ける世の中を目指しています。”

今までの歩行ロボは、どこに足を出すかを計算で導いていたがwalk meはまったく違う。約1万台の動作シミュレーションから良い動きを覚え、日々進化していくという。

 実際のJapan Mobility Show 2025での動画でも「座った状態から立ち上がる所作」の姿が日本的な美意識を感じさせる、という感想もあったけど、本当に人間の立ち上がるところがモデルだったんだね。

 10月29日[https://www.youtube.com/@ToyotaGlobalNewsJP]トヨタ自動車コーポレート[https://www.youtube.com/@ToyotaGlobalNewsJP]公開。「Walk Me」の説明は24:53ごろから

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従来の車輪を生きた手足のようなロボット脚に

 一方、11月4日公開の自動車に特化した海外の情報サイトDPCcarsの動画では、Walk Me はこのように報じられていた。

この革新的な自律型車いすは、 従来の車輪を「生きた手足のように 動くよう設計された、4つの折りたたみ式ロボット脚」に置換することで補助的な動きを再定義する。

標準的な 車椅子と違い、トヨタのこの車椅子は階段を登ったり 、不整地を移動したり、 さらにはユーザーを持ち上げて車両や 高いプラットフォームに到達したりすることも可能。

各脚は完全に電動化されており、それぞれに曲げ、持ち上げ、調整する。これにより、Walk Meは 従来の車椅子が困難な面でも スムーズに移動できる。

設計は利用者の快適性と安全性を重視。支持フレームが姿勢を保持し、湾曲した背もたれが人間工学的に適切な姿勢を保つ。
 
ユーザーに直感的なサイドハンドル、または精密な操作を可能にするボタンが用意され、制御はデジタルインターフェースが行う。

脚部は柔らかい素材で覆われており、内部機構やセンサーを外部損傷から保護すると同時に、親しみやすい椅子の外観を与えている。

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背景には日本の高齢化社会の課題も

 例によってコンセプトにつき、それ以上のスペックなどは不明だが、トヨタが車輪という常識を覆し、四足歩行を採用した背景の一つには、やはり日本の高齢化社会があるようだ。

 一度足だと思うと下の写真みたいな形だと妙になまめかしく見えるから不思議だ。横座りしてる人の足っぽいというかなんというか。肌色っぽい色のせいかな?

 高齢化が進むにつれ増えるであろう「階段の昇降が難しい」という課題や、住宅の狭い階段や段差にもいずれ対策が必要になる。

 だがそこに脚が伸縮するWalk Me があれば何かと役に立つだろう。この乗り物なら今までの車椅子と違い、座面の高さが可変だからだ。

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 見ての通り。立ち姿勢に近い高さから座椅子ぐらいまで、自在に変えられるため、段差を前にあきらめていたユーザーの動きの範囲も増えるはず。

 利用シーンに沿った動作、たとえばキッチンやシンクでの作業、車に乗り込む際の高さ調整にも役立つというわけだ。

 学習機能も完備だし、「車輪」が無くてもまさに今どき、動いて学んで向上できる便利な車椅子なのだ。

人間だけじゃない?カニやヤギがモデル説も

 にしてもこの乗り物、デザイン的にも色んな要素が頭をよぎる。海外メディアでは「ヤギやカニの歩行を模倣した」との情報も拡散中。

 いわゆるバイオミメティックス(生物模倣)を指すのだろうが、脚の形状自体は確かにカニっぽい。

 異質な組み合わせだが、先のとがった感じもそっくりだし、横歩きもぴったりだ。もっといえば、『攻殻機動隊』シリーズの多脚戦車[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BB%E6%AE%BB%E6%A9%9F%E5%8B%95%E9%9A%8A]の一つ、車輪なしのタチコマみたいにもみえるけども。

 でもってヤギは?サイドからの見た目がヤギっぽいとか?確かに高所が大好きで、足場が悪い急斜面もへっちゃらで登ってしまう身軽さや、ずば抜けたバランス感覚はヤギ譲りかも。

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 近年あちこちの分野で取り入れられてるバイオミメティックスだが、実際そうなら、なかなかに思い切った設計と言えそうだ。

 なにより四脚の安定感よ。正直いって個人的には用がなくても家に置きたいぐらいに好きかも。

さらにしゃべってくれたら癒されそうな予感すらする。

「未来の車椅子か」「ギャップがたまらん」の声

 クセのある外観に引きつけられた海外ユーザーからも、驚きとともにこんなコメントが寄せられている。

  • 未来の車椅子か。これが人乗せて階段を登れるなんて信じられない!
  • 見た目にかわいく機能もガチってギャップがたまらん
  • 高齢者にとっても革命的
  • 折りたためるなら旅行にも持ってけそう
  • SFかよ!?リアルすぎて焦るわ
  • 十分な耐荷重あるなら完璧
  • うちにも一台ほしい…

 ただの未来的な展示で終わらず、この先の人の暮らしを便利に変える可能性を秘める Walk Me。

 階段を登れる車椅子なんてほんとに夢のようだし、美しい所作にこだわるところも“人に寄り添うテクノロジー”そのものって感じで面白い。コンセプトで終わらずにぜひ製品化してほしいな。

References: Interestingengineering[https://interestingengineering.com/transportation/toyotas-walk-me-robotic-chair] / Techeblog[https://www.techeblog.com/toyota-walk-me-robot-chair/] / Designboom[https://www.designboom.com/technology/autonomous-wheelchair-foldable-tentacle-legs-climb-stairs-sit-toyota-japan-mobility-show-2025-10-29-2025/] / Topgear[https://www.topgear.com/car-news/first-look/toyota-working-walking-wheelchairs-a-robo-car-kids-and-a-truck-africa]

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