『星条旗の聞こえない部屋』(著:リービ 英雄 解説:富岡 幸一郎)
史上初の日本人の血を一滴も持たない日本文学者のデビュー作。「血とか母国とかどうでもいい」と心から言い切れればステキですがそうはなれず、「えっ、アメリカ生まれのアメリカ人が書いたの?」という驚きを禁じえません。
■レビュワー
◎カラスヤサトシ
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:何十年ぶりにキャンプに行ってきます、知らない人も来ます、まったく寝れない予感がします。
■本の紹介
◎星条旗の聞こえない部屋

横浜の領事館で暮らす17歳のベン・アイザック。父を捨て、アメリカを捨て、新宿に向かう。1960年代末の街の喧騒を背景に、言葉、文化、制度の差を超え、人間が直接に向き合える場所を求めてさすらう柔らかな精神を描く野間文芸新人賞受賞の連作3篇。「日本人の血を一滴も持たない」アメリカ生まれの著者が、母語を離れ、日本語で書いた鮮烈なデビュー作。
- 『星条旗の聞こえない部屋』
- 著:リービ 英雄 解説:富岡 幸一郎
- ISBN:9784061983809
- この本の詳細ページ:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061983809