近年、夏の猛暑は常態化しており、今年は気象庁が「酷暑日(最高気温が40℃以上の日)(※1)」を定めるなど、命の危険を伴う気温の上昇が生じています。熱中症対策としてエアコンの重要性がますます高まる一方で、毎年エアコンに関する事故が通知されており、その多くは“製品に起因しない”事故でした。
独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、エアコンの使い始めに気をつけるポイントを紹介します。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202605189208-O1-eS2IlEVG】
NITEに通知があった製品事故情報(※2)では、2021年度から2025年度までの5年間にエアコンに関係する事故(※3)が345件ありました。調査が完了した252件の事故のうち、約6割(152件)は外部からの延焼等「製品に起因しない」事故ですが、エアコン室外機の周辺環境や使用方法に注意することで防ぐことができた事例もあります。
また、本格的な暑さを迎える頃には点検・修理依頼が集中し、不具合が見つかってもすぐに対応できない場合があります。酷暑日が到来する前、6月中までに使用環境の確認と試運転を行い、安心して夏を迎える準備をしてください。
【エアコンの気をつけるポイント】
○室外機の上や前後など周辺に物を置いていないか。
☑水の入ったペットボトルを置いていないか
☑段ボール、新聞、雑誌、ごみなどを近くに置いていないか
☑灰皿置き場として使用していないか
○エアコンの取り付け・取り外し・修理といった工事や作業は、販売店やメーカーに相談し、専
門の知識や資格を有する業者に依頼する。
(※) 本資料中の全ての画像は再現イメージであり、実際の事故とは関係ありません。
(※1)気象庁発表 最高気温が40℃以上の日の名称を「酷暑日」に決定 20260417_40degree_name.pdf
(※2)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます。また、本資料では、調査の結果、外部からの延焼が原因であり明らかに製品事故ではないと最終判断された情報も含みます。
(※3)ルームエアコン(室外機も含む)。ただし、本資料では窓用エアコンは除きます。
事故の発生状況
NITEが受け付けた製品事故情報のうち、2021年度から2025年度までの5年間に発生したエアコンの事故345件について、事故発生状況を以下に示します。
年度別の事故発生件数
エアコンの事故345件について、年度別の事故発生件数を図1に示します。エアコン室外機の事故は199件、エアコン室内機の事故は146件発生しており、エアコンの事故としては、おおむね横ばいで推移しています。
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図1 年度別の事故発生件数
月別の事故発生件数
エアコンの事故345件について、月別の事故発生件数を図2に示します。夏季に事故が多く発生しています。これはエアコンの使用機会の増加に伴うものと考えられます。特に、7月、8月といった気温が高くなる時期での事故が目立っています。
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図2 月別の事故発生件数
事故の被害状況
エアコンの事故345件における被害状況別の事故件数を表1に示します。製品が壊れるだけでなく、火災が発生したことによって死亡事故などの人的な被害も発生しています。また、火災事故は345件中322件で事故の9割以上を占めています。
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(※4)()は被害者数。物的被害(製品破損または拡大被害)があった場合でも人的被害のあったものは、人的被害に区分している。
(※5)製品本体のみの被害(製品破損)にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと。
原因別の事故発生件数
調査が完了した252件の事故について、原因別の事故発生件数を図3に示します。「製品に起因しない」事故が半数以上を占めています。特に、エアコン室外機の外部からの延焼又は延焼が疑われる(製品には発火痕跡がない)事故が、152件中96件と多くなっています。その他、作業ミスによる室外機のコンプレッサーに空気が混入して破裂など製品の取扱説明書や据付説明書で禁止されている行為をしたことが原因として考えられる事故が発生しています。
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図3 原因別の事故発生件数
「製品に起因しない」事故の事象
NITEが受け付けた製品事故情報のうち、2021年度から2025年度までの5年間に発生したエアコンの事故345件について、「製品に起因しない」事故と判断された152件の事象別の内訳を表2に示します。エアコン室外機の事故が111件と約7割を占めています。そのうち外部からの延焼又は延焼が疑われるもの(製品からの発火痕跡がないもの)が約9割を占めています。
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エアコンの気をつけるポイント
室外機の上や前後など周辺に物を置いていないか
エアコンの事故では、室外機の外部から延焼する事故が多く発生しています。以下のような状況になっていないか確認しましょう。
☑水の入ったペットボトルを置いていないか
☑段ボール、新聞、雑誌、ごみなどを近くに置いていないか
☑灰皿置き場として使用していないか
室外機の周囲に可燃物が置かれていると、可燃物が着火した際に室外機に燃え移り大きな火災に至るおそれがあります。
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(※6)水が入ったペットボトルが凸レンズ(虫眼鏡等)のように作用して、太陽光が一点に集まり、可燃物が発火すること。
エアコンの取り付け・取り外し・修理といった工事や作業は、販売店やメーカーに相談し、専門の知識や資格を有する業者に依頼する
エアコンの取り付け・取り外し・修理といった工事・作業には、専門の知識が必要であり、中には電気工事士等の資格が必要なものもあります。また、取扱説明書や据付説明書で禁止されている行為があり、特に以下の行為は重大な事故に至るリスクがありますので注意してください。
⚠電源コードの継ぎ足し接続(ねじり接続)
コンセントの形が合わない、長さが足りないなどの理由で安易に加工や修理をしてしまうと接続部で接触不良が生じて異常発熱し発火するおそれがあります。
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⚠冷媒を集める作業(ポンプダウン)で室外機が破裂するおそれ
エアコンの設置、整備、移設、撤去の工事には、専門の知識や資格が必要な場合もあります。
エアコンの移設などの工事の際は、配管や室内機内に残留している冷媒ガスを全て室外機に集めて一時的に保管する作業(ポンプダウン)を行います。十分な知識を持たずにポンプダウン作業を行うと、本来は入らないはずの空気が室外機内のコンプレッサーに大量に混入して異常な高温高圧となり、室外機が破裂するおそれがあります。さらに空気(酸素)が混ざったコンプレッサー内の潤滑油が発火(爆発)するおそれもあります。
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家庭用エアコンの冷媒ガスに使用されているフロン類は、オゾン層破壊や地球温暖化に悪影響を与えるため、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)において、回収が義務づけられています。
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事故事例を確認【NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)のご紹介】
NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報やリコール情報を検索することができます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202605189208-O19-V13BSnpq】
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html
試運転時の確認ポイント
冷房運転をして冷風が出るか、異常が生じないか
設定可能な最低温度に設定し、冷房運転で冷風が出るかどうかを10分間試運転して確認してください。
さらに30分ほど運転して、以下のような異常がないか確認しましょう。
☑室内機から水漏れがないか。
☑室内機や室外機から異音・異臭(焦げ臭いにおい)がないか。
☑エラー表示がないか、意図せず電源が落ちないか。
試運転に関するアンケートによると、試運転を知らない人も少なくなく、試運転を知っている人でもしたつもりになっている可能性があるとの結果が出ています。
もし異常が確認された場合には、販売店やメーカーに相談し、必要に応じて点検を受けてください。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202605189208-O11-sR3pu4Xo】
(参考)一般社団法人日本冷凍空調工業会及び一般財団法人家電製品協会
「エアコンシーズン前点検パンフレット」
https://www.jraia.or.jp/file/A_air_conditioner_maintenance_nospace.pdf
今回の注意喚起動画はこちら
>>エアコン「エアコンのNG3選」
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=avRA_Vdx1g0】
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要
NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に年間およそ2千件の事故情報が寄せられます。